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トルコへの情熱と奇跡 4
イマムとの出会い
イルハンの親戚の家を後にイスタンブールへ向かっていると
チャイを飲みながら語らっているおじさんたち発見。
ドライバーが挨拶して通り過ぎようとしたら
「どこから来たんだ〜?」と聞かれたらしく
「日本人のイルハンファンが彼の故郷を訪ねてきたんだ」
という説明をしたらしい。
「そんなに遠いところから来た人たちをそのまま返すわけにはいかない」
トルコ人はよくそういうことを言う。
チャイを奢るから〜と早速 仲間入り。
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「奢るから〜」と声をかけてくれたのは 近くのモスクのイマムだった。
イマム(イマームともいう)とは
キリスト教の教会だと神父様と同様「指導者」と言う意味。
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自分のモスクは特別なんだ・・・とばかりに
「イルハン親子が寄付してくれた美しいタイルやシャンデリアがあるモスクを是非みていってくれ」といわれると寄らないわけには行かない。
すぐ近くということでついていくとペパーミントグリーン色のモスク。
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モスクの外観は小さいけれど美しい。
中に入ってイルハンが寄付したシャンデリアがひときわ輝いている。
イマムの名前はハサン・・・よくある名前
たしか30歳くらい。
「せっかくだからコーランのお祈りをするよ。旅の安全を願って・・・」
と先ほどまで気さくな1人の村人だったハサンはお祈りの服に着替えるとさすがにそれらしく見えた。
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ハサンのモスクと祈り
成り行きで初めてモスクに足を踏み入れた彼女たちはその内部の美しさに「はあ〜っ」とため息をついていた。
ハサンは自慢のモスクに喜んでいる彼女たちをみて満足そう。
このシャンデリアをイルハン親子が寄付してくれたんだ・・タイルもね。
モスクにはメッカの方向を示すくぼみ「ミフラーブ」がある。
そこに向かってお祈りを捧げる声がモスクの隅々まで響き渡った。
意味は全くわからないがその厳粛な空気だけは伝わってくる。
横一列に並んだみんなは気がつくと感動の涙を流していた。
もちろん、私もです。
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ハサンに何度もお礼を言ってエスキシェヒルの村を後にした。
早朝出発でかなりお昼を過ぎていたのでほっとしたら
急に空腹に気づく。
途中にある村人がやってる食堂に立ち寄り美味しいトルコの家庭料理を。
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道路際で焼いてる美味しそうな匂いが私たちの足を止めた。
本当に素朴なメニューだが
炭火で焼いた牛肉のキョフテは格別。
今日のイルハンのおじさんから始まりイマムのハサンとの出会いまでミラクルな出会いを振り返りながらのひとときを過ごす。
いよいよ明日は最終日。
ボスボラス海峡のクルーズなど一般的な観光客が過ごす日にしようとみんなで話をしながら楽しい食事の時間が過ぎていく・・・
ホテルに帰ったら夜もかなり更けていた。
もう一つの奇跡
各自部屋にもどり私もシャワーを浴びて明日のスケジュールをどうするか再チェックしていた時・・・
22時くらいだったか。
突然、部屋のドアをどんどんと叩く人が・・・
「大変です〜〜」
誰か急病人でもでたのか?慌ててドアを開けると
「今、ニュースのテロップに 明日、イルハン帰国〜って出たんです」
まず、トルコ語のテロップが読めた彼女たちに驚き
さらにイルハンの帰国・・・本当か?
早速、先ほどまで一緒だったKさんに電話して
そう言うニュースが本当かを確認してもらった。
ベシクタシュに問い合わせてもらったら
間違いなく帰国するそうだ。
更に、明日はマスコミシャットアウトで別メニューで練習にも加わると・・
更に更に・・・!
イルハンが出場しない試合の観戦のこともベシクタシュにも伝わったせいか
明日、部外者クローズの練習をクラブハウスで見学させてくれると・・・
「ええええええ〜〜〜〜」既に彼女たちは号泣です。
当然、明日の観光スケジュールが全部なくなり
クラブハウスへKさんも一緒に行くことになった。
彼女たちは先日購入の辞書を片手にファンレターを書いていた。
興奮して眠れない夜を過ごしたようです。
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彼女たちに後悔させない旅にする・・・と約束したことに
何とか報いることができたのでは?と胸を撫で下ろす。
誠意をもって努力することは
こう言う幸運を引き寄せるものだ〜
とつくづく感じた出来事だった。
翌朝、取材陣もはいれないクラブハウスへ優越感をもって入ったのは言うまでもない・・
中に入るとテレビでしか見たことのない監督が出迎えてくれた。
ベシクタシュマーク入りのカップでコーヒーまで
出してくれて もう、本当に嘘のような話。
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彼女たちはガラス越しにチームの練習を見守る・・。
私は部屋の中を見回したり、Kさんと監督の会話に参加したり。
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他の選手が練習試合を始める中、1人でゆっくりグランドの周りを黙々と走るイルハン発見。
この短い滞在の間にこの場にいないはずのイルハンが帰国したこともラッキーなのだが、このクラブハウスでの練習がみられるという幸運に興奮気味の皆さん。
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奇跡は続く。
彼の練習をずっと見守りカメラや双眼鏡で観察していた彼女たち。
「あれ? どこ?」 姿が見えなくなったようだ。
彼女たちは一生懸命グラウンドを見ている・・・
私は全然違う方向を彼女たちに背を向けて座っていた。
その目の前に なななんと、イルハンが立っているではないか。 は?
「ちょ、ちょっと・・みんなあ〜」と
声をかけるのが精一杯。
言葉にならない声を発している私を振り返り、一同は
「きゃあああ」
めちゃくちゃシャイなイルハンとはろくにお話することはできず、ロッカールームへ消えていったのを見送った。
それぞれが準備していたお手紙などを集めスタッフを通じて渡してもらい、さらにオフィシャルショップで購入のユニフォームにサインをもらうことができた。
あまりの興奮状態で画像はありません。ごめんなさい。
そんな奇跡満載のトルコツアーを終え、かなりの時間が過ぎたがいまだにあの頃の状況は鮮明に心に残っている。
一緒に行動する旅の大切さを実感したツアーとなったばかりでなくその後の企画や旅づくりに大きな影響を受けた出来事でもある。
久しぶりに当時の画像などを整理しながら
再びあの熱い思いが蘇る感慨深いひとときでした。
ご参加いただいた皆さんお元気だろうか?
手厚いおもてなしをしてくださったトルコの皆さん有難う。
完
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