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バッテリーターミナル腐食の原因と清掃方法~自動車メンテナンス
自動車のバッテリーは、バッテリーターミナルという部品を経由して、自動車本体から出ているケーブルとつながっています。バッテリーターミナルはケーブルの先端についています。
したがってバッテリーと自動車本体は、バッテリーターミナルを介して電気をやりとりしていることになります。
このバッテリーターミナルが腐食することがあります。放置すると自動車に電気が送られなくなり不具合が生じることがあります。
バッテリーターミナルの腐食の原因と清掃方法について解説します。
1.バッテリーターミナルの腐食とは
バッテリーターミナルは金属ですが、腐食することがあります。バッテリーは鉛と希硫酸が化学反応を起こして電気をつくっていて、この化学反応が激しいため周囲の金属を腐食させることがあるのです。
バッテリーターミナルに粉状のものが付着していると、腐食していると考えられます。
バッテリーターミナルの腐食が進むと、バッテリーが十分充電できなくなったり、バッテリーから自動車本体に電気を送れなくなったりしてしまいます。バッテリーの故障や自動車の不具合の原因になりかねません。
バッテリーを点検するときはバッテリーターミナルの状態もチェックして、腐食(粉状のもの)があれば取り除く必要があります。
2.バッテリーターミナルの腐食の原因
バッテリーターミナルの原因は、ガッシングと考えられています。ガッシングとは、バッテリー内の電気分解によってガスが大量に発生してしまう現象です。
バッテリーには液口栓というボタン状の蓋(ふた)がついていて、ガッシングが起きるとこの液口栓のわずかな隙間から希硫酸を含むガスが噴出することがあります。
このガスが周囲の物質と反応して粉状のものをつくり、それがバッテリーターミナルに付着します。
長年その状態でいると腐食が進み、粉状のものが目視できるまで増えてしまいます。
3.バッテリーターミナルの粉の成分
バッテリーターミナルの腐食によって発生する粉状のものは、緑色のもの、白色のもの、黒色のものがあり、それぞれ成分が異なります。
緑色の粉の成分
緑色の粉は、自動車の銅部品と希硫酸が反応してできた硫酸銅と考えられます。
自動車は配線に銅を使っているので、バッテリーの近くに銅があると硫酸銅ができやすくなります。
白色の粉の成分
白色の粉は、空気中の酸素や二酸化炭素と、バッテリーの部品の鉛が反応してできた炭酸鉛と考えられます。
バッテリーターミナルを接続するバッテリーの部品のことを端子といい、端子は鉛製であることが多いためこの現象が起きます。
結露が発生しやすい場所に自動車を停めることが多いと、白色の粉が生じやすくなります。
黒色の粉の成分
黒色の粉は、バッテリー端子の鉛と希硫酸が反応してできる硫酸鉛と考えられます。
バッテリー端子にできた黒色の粉がバッテリーターミナルに付着することがあります。
4.バッテリーターミナルの清掃方法
バッテリーターミナルの腐食(粉状のもの)を発見したら、次の方法で清掃してください。
●腐食が軽微な場合はサンドペーパーでバッテリーターミナルを磨きます。
腐食が進んでいてサンドペーパーで取り除けないときは、ワイヤーブラシを使ってください。
●バッテリーターミナルが腐食している場合、バッテリー端子も汚れていることが多いので、バッテリー端子もサンドペーパーまたはワイヤーブラシで磨いてください。
●粉状のものを除去できたら、腐食予防としてグリースを薄く塗ってください。
5.バッテリーの外観点検の重要性
バッテリーターミナルに腐食が発生している場合、バッテリー自体が劣化している可能性があります。腐食を除去する際に、バッテリー全体をチェックするようにしてください。
チェックポイントは以下のとおりです。
■バッテリー全体のチェックポイント
●電槽(本体の容器のこと)に割れや変形がないか
●しつこい汚れが付着していないか
●電解液(バッテリー内部の液体のこと)が減っていないか
劣化が進んでいれば業者による修理や交換が必要になります。
6.まとめ
バッテリーターミナルの腐食の原因と清掃方法を解説しました。
腐食とは粉状のものが発生、付着した状態のことです。バッテリーは希硫酸や鉛を使い、自動車部品には銅が使われているので、腐食しやすい条件がそろっています。
腐食(粉状のもの)は自動車オーナーが自身で除去できます。
軽微であればサンドペーパーで、進行していればワイヤーブラシを使ってバッテリーターミナルやバッテリー端子を磨いてください。
また、バッテリーターミナルの腐食を清掃するときは、バッテリー全体のチェックも行ってください。劣化が進んでいれば業者に相談するようにしてください。
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