不動産投資会社の選び方(詳細解説、真剣な人向け記事)
個人がこれから不動産投資を始めるとき、まず何をしますか。いきなり投資用の区分マンションを買うことはおすすめできません。なぜならそれは無謀に近い行為だからです。
最初のアクションとしておすすめしたいのは、不動産投資会社に相談することです。不動産投資会社の助言を得てから不動産投資に乗り出せば、リスクが減り、成功する確率を高めることができます。
この記事では、不動産投資会社の役割や利用するメリット、不動産投資会社を選ぶときのポイントや注意点を解説します。
不動産投資会社の役割
不動産投資会社の役割は、個人投資家などの不動産投資をサポートすることです。
もちろん不動産投資は投資なので、不動産投資会社のサポートを受けたとしてもリスクは残ります。つまり不動産投資会社をつけていたにも関わらず個人投資家が損を被ることも起こりえます。
しかし、投資リスクこそが不動産投資会社の重要性を高めています。投資リスクには、高いリスクと低いリスクがあり、投資家はリスクを低下させることで利益を得る可能性を上げていきます。不動産投資会社は、サポートする投資家の投資リスクを減らし、儲ける道へと導いてくれます。
不動産投資会社の役割と重要性をさらに深掘り解説していきます。
不動産投資会社は「不動産投資の何でも屋」
不動産を取り扱う事業を行っている会社には、不動産仲介会社や不動産分譲会社、不動産管理会社があります。この3つのタイプの不動産会社は、いわば専門業者といえます。
一方の不動産投資会社は「不動産投資の何でも屋」という性質があります。優れた不動産投資会社なら、投資家が「こうしたい」と考えたら、それを実現する方法を提案してくれます。物件選びから不動産の管理まで一貫して任せられる存在、それが不動産投資会社です。
「何でも」の具体的な内容について紹介していきます。
不動産投資会社に依頼できること
不動産投資会社にサポートを依頼した投資家は、以下に紹介する6つのサービスを得ることができます。
不動産投資全般の相談
まだ「不動産投資に興味がある」といった段階の個人投資家なら、不動産投資会社に相談することができます。投資家は、不動産投資会社の担当者に「不動産投資って何ですか」と質問することができます。「不動産投資って何ですか」という質問は、実は大切な問いです。不動産投資はルールもプロセスも多種多様で、その全貌を正確に説明できるのは不動産投資のプロだけといってもよいでしょう。したがって初心者は、プロから不動産投資の基礎から習ったほうがよいのです。
そしてすでに不動産投資に着手していながら、運用が軌道にのっていなかったら、不動産投資会社に改善提案をしてもらうこともできます。ポートフォリオの整理を手伝ってくれます。
不動産投資会社には、不動産投資に関する何でも相談することができます。
物件の紹介・販売・仲介
投資用の不動産を買いたい人には、不動産投資会社は投資妙味がある物件を紹介、販売します。投資用の不動産を売りたい人は、不動産投資会社が仲介をします。
投資家が不動産投資会社からメリットを得られるのは、不動産投資会社の担当者が投資目線を持っているからです。不動産当会社は投資家のために、投資したお金を回収したうえで利益があがることが期待できる物件を探してきてくれます。
また、マンションやアパートを購入して大家になって貸し出すタイプの不動産投資(賃貸不動産投資)に乗り出す人は、その前に物件を確認したいでしょう。不動産投資会社は投資用物件の内見も手配します。不動産投資会社のなかには投資物件ツアーを企画しているところもあるくらいです。
また、自社で投資用不動産を保有している不動産投資会社もあり、それを投資家に売却することも可能です。
投資計画の立案
マンションやアパート、一戸建て住宅を投資用として購入して賃貸不動産投資を行う場合、多額の資金が必要になります。投資家はその資金を、自己資金を使ったり、不動産投資ローンで調達したりします。
これだけ大きなお金が動くので、賃貸不動産投資に挑戦する投資家は、投資計画を作成する必要があり、不動産投資会社はその作成を手伝います。
そして賃貸用住宅は大家である投資家が定期的に修繕しなければならないので、修繕計画の作成や修繕費用の手当てが必要になり、これも不動産投資会社が手伝ってくれます。
さらに、賃貸用不動産の購入に迷ったら、不動産投資会社はリサーチを行い、物件価格や家賃収入の推移のシミュレーションをします。
物件の管理
賃貸用住宅を購入して借り手に入居してもらって賃貸不動産投資がスタートします。投資家はその住宅を掃除したりメンテナンスしたり修繕したりしなければなりません。しかし投資家自身がそのような作業を行えない場合、専門業者に委託することができます。
不動産投資会社は投資家に代わって、マンション清掃業者や住宅メンテナンス業者、住宅修繕業者を紹介、手配してくれます。
入居者対応
不動産投資の重要な収益の1つに、借り手から得る賃料があります。例えばアパートのオーナーになって借り手に貸せば、家賃収入が得られます。
しかし投資家自身が、アパートの全入居者に毎月家賃を請求するのは現実的ではありません。そこで不動産投資会社が、家賃回収業者を手配してくれます。
また、借り手がクレームを申し立てたら、それに適切に対処する業者も不動産投資家が紹介してくれます。
専門家のあっせん
不動産投資を大規模に展開し、それが軌道にのれば、大きな利益を得られるでしょう。そうなると問題になるのが税金です。税務はとても難解なので、専門知識がないと「節税=適正な額の税金を納付すること」は至難の業です。そのため不動産投資の成功者のほとんどは、税務のサポートを得るために税理士と顧問契約を結んでいます。
不動産投資会社のサポートを受けていれば、不動産投資に詳しい税理士をあっせんしてもらえます。
また不動産投資を大規模に展開するとトラブルが起きることがあり、そのとき頼りになるのが弁護士です。不動産投資会社は不動産に関わる法律に詳しい弁護士を投資家に紹介してくれます。
投資の失敗を避けるには不動産投資会社の存在が重要
不動産投資を成功に導くには3つのステップがあります。
第1ステップは損失を最小限にすること。最初から不動産投資に成功する人は少なく、また永遠に勝ち続けることができる投資家はいません。そのため投資にチャレンジするのであれば、損失を出したときに被害を最小限に抑える方法を学ばなければなりません。
第2ステップは損失を出さないこと。不動産投資に一度失敗しても、そこからリカバーできれば投資を継続できます。これを繰り返していくと、失敗しない投資術が身についてきます。
そして第3ステップは成功すること、つまり利益をあげることです。
不動産投資会社は、投資家が第1ステップから第2ステップに進み、第3ステップに到達するまで伴走してくれます。
投資を成功に導くには失敗を回避する必要があり、それには不動産投資会社のサポートが欠かせません。
不動産投資の手間を省ける
不動産投資の典型的な失敗例に、投資家が手間をかけすぎてしまうことがあります。投資用とはいえマンションやアパート、一戸建て住宅のオーナーになったら「我が子」同然にいとおしくなって自分で手間をかけたくなるでしょう。しかしそれでは効率的に投資を進めることができません。また、物件に手間をかけていて、肝心な不動産投資に集中することができなくなってしまいます。不動産投資と不動産に手間をかけることは異なる作業です。
そのため、物件管理などの業務を業者に委託して、極力不動産投資の手間を省きましょう。それには不動産投資会社が頼りになります。
専門家の観点からアドバイスをもらえる
投資において、今決めたことが1年後に通用する保証はありません。よく「長期投資の視点が必要」と言われますが、しかしこれは「一度購入した投資商品を未来永劫持っていれば儲かる」という意味ではありません。長期投資とは、定期的にポートフォリオを見直して投資を長く続けていくことです。
不動産投資会社の担当者は、投資家に対し、専門家の観点から不動産投資のアドバイスをします。彼ら・彼女らは高度な知識を有していて、最新情報を絶えず入手しています。
不動産投資には一棟投資、区分投資、戸建投資、不動産投資信託、不動産リースバック、商業不動産投資などさまざまな種類があり、不動産投資会社は最適解を知っています。
また、不動産情報は日々更新されるので、一般的な個人投資家のレベルではそのすべてを把握することは不可能です。不動産投資会社が持っている最新情報が、成功確率を高めます。
投資家は、不動産投資会社の担当者の頭脳を借りて、失敗を回避しましょう。
「儲かる物件」を見つけやすい
「儲かる物件」を探しているのは個人投資家だけではなく、機関投資家も、企業も必死に探しています。個人投資家がそうやすやすと「儲かる物件」に出会えないのは、有力なライバルが多数存在するからです。
機関投資家や企業は、圧倒的な情報量で素早く「儲かる物件」を探し出し、圧倒的な資金量で素早く「儲かる物件」を購入していくので、個人投資家は圧倒的に不利です。だからこそ個人投資家は不動産投資会社の力を借りて「儲かる物件」に出会いましょう。
不動産投資会社は圧倒的な数の不動産情報を持っていて、そのなかにはインターネット上や一般には出回らないものも含まれています。
不動産投資会社を選ぶときの18のチェックポイント
ここまでの説明で「個人でも不動産投資会社を味方につければ不動産投資で成功できそうだ」と実感していただけたのではないでしょうか。
ただし成功するには、「ちゃんとした」不動産投資会社を味方につければ、という条件がつきます。
残念ながらすべての不動産投資会社が「ちゃんとしている」わけではなく、「ちゃんとしていない」不動産投資会社に頼っても失敗確率が減ることも成功確率が上がることもないでしょう。
「ちゃんとした」不動産投資会社が持つ18個の特徴を紹介します。
1.創立・業界歴
不動産投資業界は競争が激しく、正しい情報を元に適切な投資判断ができた者が生き残り、そうでない者は退場を余儀なくされます。したがってこの業界で長く存在している不動産投資会社は信頼できます。
個人が不動産投資会社を選ぶとき、創立、設立、業界歴を調べましょう。
2.従業員数
確かに投資の世界には天才と呼ばれるような人がいます。また、とてつもなく運が良い人もいます。しかしそのような天才や運に恵まれた人はほんの一握りであり、個人投資家がそのような人たちを頼りにすることはできません。
不動産投資で成功するには、ときに人海戦術も必要になります。多くの人が知恵と情報を出し合って投資戦略を練り、実行に移します。したがって従業員数が多い不動産投資会社は信頼できます。
なぜ従業員の数がなぜ重要になるのか。
例えば、1人の不動産投資のプロが「これは儲かる物件だ」と言い、9人の不動産投資のプロが「その物件では儲けられない」と言っている物件Aがあったとします。
そして物件Bは99人の不動産投資のプロが「儲かる物件だ」と言い、「その物件では儲けられない」と言っているのは1人の不動産投資のプロだけだとします。
●物件A:1人のプロが「儲かる物件だ」、9人のプロが「儲けられない」と言っている
●物件B:99人のプロが「儲かる物件だ」、1人のプロが「儲けられない」と言っている
このとき物件Bに投資したほうが、成功する確率が高まります。なぜならより多くの不動産投資のプロが推しているからです。不動産投資のプロたちは独自の視点と独自の情報で儲かる物件と儲からない物件を見分けます。したがって彼ら・彼女らの多くが支持する物件は成功確率が高いと判断できます。
これが従業員数が多い不動産投資会社の力の源泉です。
3.実績
不動産投資の実績は、不動産投資会社の通信簿なので、その会社の実力がダイレクトに現れます。不動産投資における実績は、販売件数、顧客満足度、受賞歴などです。
販売件数と顧客満足度は、不動産投資会社に直接尋ねることができます。
そして受賞歴ですが、不動産業界にはさまざまな賞があり、それらを受賞している企業はインターネットで簡単に検索できます。
4.免許の有無
不動産事業に関する免許については「持っているから信頼できる」というより「持っていないと信頼できない」と考えたほうがよいでしょう。
不動産投資会社が持っておいたほうがよい事業免許には、「建設業者」「宅地建物取引業者」「マンション管理業者」「賃貸住宅管理業者」があります。これらは国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で簡単に調べることができます。URLは以下のとおり。
■国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」のURL
https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/kensetuKensaku.do
1つの不動産投資会社がすべての事業免許を持っていることはまれで、1つまたは2つでも持っていれば合格としてよいでしょう。
5.資本金の金額
企業の資本金は多くのことを語ります。資本金が大きい企業は、資金力があり、企業体力があり、信用力があると推測できます。したがって複数の不動産投資会社の資本金を調べて、その額を比較しましょう。
ただし、資本金が大きい会社が経営破綻することもあるので、資本金をチェックすることはとても重要なことですが、資本金の額だけで不動産投資会社を決めないでください。
例えば、不動産投資会社10社のなから選ぶとしたら、資本金が極端に少ない企業を除外して、資本金が大きい企業のなかから選ぶという方法を採用してみてください。
6.事務所の場所
不動産投資会社の本社の所在地、つまり本社事務所の場所はとても重要です。例えば都市部の一等地にそびえる有名ビルディングに入っている不動産投資会社なら、このチェックポイントは合格です。
企業が有名ビルのテナントに入るには、高額家賃を支払える資金力だけでなく、いわゆる入居基準にもパスする必要があります。有名ビルに入居している不動産投資会社は、ビル・オーナーの審査を通過しているわけです。
お金持ちが高級住宅街や高級タワーマンションに集まるように、優れた企業は都市部の一等地や有名ビルに集まります。
7.上場の有無
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