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日本人の平和主義は少し変わっている(1)。

日本人に平和主義が宿っていることは、80年も戦争をしていないことからも明らかだ。
80年も徴兵制を採用していないのだから、日本人は平和主義者だ。
しかし日本人の平和主義は「戦争したくない主義」であって、「平和を勝ち取ってやる主義」ではない。
つまり日本人は、仕返しされると面倒だから平和主義を採用しているのだ。
だからロシアが北方領土を占拠しようと、韓国が竹島を占拠しようと、北朝鮮がミサイルをギリギリまで打ち込んでこようと、北朝鮮が日本人を誘拐しようと、中国が嫌がらせをしようと、日本は仕返しをしない。
そもそも戦前戦中に日本が中国や朝鮮などを侵略したのも、日本独自の考えによるものではない。

日本人は他人の影響を受けやすいのである(2)。

日本人は、欧米がアジアを植民地化したから、「俺たちもできそうだ」と思ってしまってアジアを侵略したのである。
日本人の影響のされやすさは、とても強い。
日本人は、自分では「絶対にこうしてやる」とは思えないのだが、誰かが成功すると「私たちもできそうだ、やってみよう」と思える。
誰かが自動車づくりに成功すれば自動車をつくるし、誰かが半導体をつくれば半導体をつくるし、誰かがおいしいウイスキーをつくればウイスキーをつくる。

日本人の「いやいや自分なんて人の真似をしているだけですから」という謙虚さは本物である(3)。

この一見卑屈にもみえる謙虚さはパワフルで、真似ですから真似ですから真似ですから真似ですから、と、呪文のように唱えているうちに作業に集中してしまい、世界一の自動車や世界一の半導体や世界一のウイスキーをつくってしまった。

日本人は大成功したいという欲が薄い(4)。

日本人の成功したいという欲も、成功していないことへの劣等感もかなり強いのだが、大成功までは望まない。
ある程度成功したらそれで満足して手を抜いてしまう。
日本がインターネット・サービスでもEVでも半導体でもボロ負けしたのはそのためである。
ウイスキーを増産しないのもそのためである。
日本にはかつて死ぬまで働く人がたくさんいたが、驚くべきことにその人たちは大成功したくてそれほど懸命になったわけではないのだ。
大成功欲がないから、誰かから「死ぬまで働く必要はないんだよ」と言われたら、すぐに懸命に働くことをやめてしまった。

日本人は嫉妬しないことはないが、慣れてしまうと、その慣れた感覚で嫉妬を抑え込むことができる(5)。

日本経済が世界2位から、中国に抜かれて3位に落ちたとき、日本人はショックを受けたが、しばらくしたら「まあ、あの巨大な中国に負けてもしょうがないか」と思えてしまう。
そしてドイツに抜かれて4位になっても、インドに抜かれそうになって5位が確実視されても、もう慣れているから嫉妬はしない。
自分より勝る相手に嫉妬しないうえに、大成功も望まないから、日本経済はまだまだ弱くなるのだ。

日本人は、自分の卑屈さや惨めさは、他人に知られないと思っている(6)。

なぜなら外国人のほぼ100%は日本語を理解できないし、外国人は海を渡らないと日本に行けないから、日本にあまり行きたがらないからだ。
つまり日本人は「外国人は自分たちを理解できないはずだ」と思っているから、自分たちの卑屈さや惨めさにも気づかないと思っている。
日本は自らを恥じるが、恥じたとてそれがバレることはないから平気な顔をして生き続けることができる。


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