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【短いビジネス論】それでも「お前ら働け」とは言わない日本経済新聞


「先進国の窓際でいいのか 『取り戻す30年』民の力で」(2023年12月18日付、日本経済新聞)にこう書かれてあった。

学習院大学の宮川努教授が憂えていた。「日本は経済面で先進国の窓際族になりかねない。主要7カ国(G7)のメンバーから、肩たたきにあってもおかしくはない。それくらいの危機感を持って、経済を改革する必要がある」

経済の地盤沈下は確かに深刻だ。国の豊かさを映す1人当たりの名目国内総生産(GDP)をみよう。2021年の日本は、先進国が集う経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国の20位。

いいたいことはわかるが「ならば」が欲しい。

窓際族から抜け出したいのであれば、働くしかないだろう。
日本人は元々、発明も、発見も、基礎研究も、実用化も下手だ。
日本経済の武器は模倣なのだ。
あるいは、もう少し上品な言葉を使うなら改善だ。
自動車も半導体も家電も電力も、欧米のものを真似して改善して世界に売ってきた。
模倣、あるいは改善に必要なのは勤勉さと労働だが、今は誰も日本人労働者に「学べ」「働け」とは言わない。
だから多くの日本人労働者は学ばないし働かない。

「学んでみてはいかがでしょうか」「もしよろしければ働いていただけないでしょうか」で人が動くわけがない。

そんな生ぬるい言い方で、人が勤勉になったり、労働時間を延ばしたりはしない。
日本経済新聞も、日本経済を成長させる使命を持つというのなら、読者に「学べ」「働け」「学ばせろ」「働かせろ」と主張すべきである。

あるいは窓際、最高じゃんといえばよい。

窓際は建物のなかであり、外ではない。
楽して窓際なら厚遇されているといえなくもない。
日本経済新聞は一度社内で、自分たちは「それでいいじゃん経済」を目指すのか、それとも「世界一の経済大国」を目指すのか、議論したほうがよいだろう。

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