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ひとつの時代の終焉

赤松良子さんが亡くなられましたね
と言っても「誰?」って人も多いでしょうが、、、
私にとっては、完全にひとつの時代が終わったなと感慨深いです。
 
赤松さんは元キャリア官僚で「男女雇用機会均等法」の制定に奔走された方。数年前にその時のドキュメンタリーを見たことがありますが、本当に壮絶でした。

どう壮絶かというと、、、
法の制定にあたって、おじさんたちからの力づくの阻止(なんでそこまで反対するのか理解不能)、法の隙間の隙間ををついての強引な駆け引きや、前日まで成立するのかわからないというヒリヒリ感。

でも、そこまでして勝ち取ってくれた均等法があっての今。男女の平等が当たり前という、今の時代を作ってくれたまさに始まり。

均等法がない時代にはどんな差別があったかというと、
例えば会社の就業規則の「退職」の欄に、男性は定年55歳とあるのに対して、女性は「40歳または結婚」と堂々と書かれていたなど。「寿退社」という言葉の裏には「独身で居続ける」ことへの恐怖があったのです。今なら誰もがおかしいと思うことがまかり通っていたことは知っておいてほしい。

そしてもうひとつ知っておいてもらいたいのが、雇均法が制定されたのは、海外からの圧力があってこそなのだということ。自力だけでは太刀打ちできない時、外圧も利用せねば世の中は動かないこと。

当時日本は国連の場で「女子差別撤廃条約」を批准すると言ってるんだけど、自国の法律がなっとらんじゃないかと世界から指摘されたのです。女子差別なんて遠い後進国の話、、、のつもりだったんでしょうけど、世界から見ると日本もまた非常識。そして指摘されるまで気付かない根強いバイアスは、今もまだまだ通ずる所があります。
 
 
私はちょうど均等法制定の境目にいました。短大に行った同級生たちは不平等時代の就職であり、私は大学、さらには浪人までしたおかげで(!?)均等法の恩恵にあずかり、法的には何の差別もない時代に社会人になりました。これも時の運ですねー
そのせいもあって、女性同士でも雇均法前の就職組と後の人との間に、何とも言えない壁を感じたこともあります。ま、そんな人たちも、そろそろ組織からはいなくなりますけどね。
 
 
「そんなこと常識」ということにも、必ず始まりがあるのだということ、そしてそれを作ってくれた人がいたということ。
そんなことを知れば、私たちにも変える力があるのだと勇気をもらえます。

赤松さん、時代を作ってくれて本当にありがとうございました。

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