ある先輩の話(中締め)~アピールポイントとマーケットを如何に広げるか

 とりあえず、パン屋になった先輩の話は今回で終わりにしますが、ご本人からも「書いていただくことは問題はありません」とメッセージをいただいたので、今後番外編は出てくると思っています。

 先輩と筆者とでは業種柄が全く異なるので、先輩がアピールしてほしかったところはもっとたくさんあったと思います。例えば、先輩のパンは米粉を使っているので小麦アレルギーをお持ちの方には安心してパンを楽しめるというアピールポイントがあります。そこに、有機農法の野菜やジャムなどの食品加工物などが加わると、健康志向の方々のマーケットに対しては強い訴求効果があります。そして先輩ご自身も銀行員からパン屋になったということもあり、テレビで特集を組まれるなどの宣伝効果がネットでの発信と相乗効果を生み、顧客開拓につなげられたとお聞きしました。それと重要なのは口コミ効果です。これには女性を中心としたコミュニティーとの接点が大きな役割を果たします。先日、本を出された出版記念の緩い会合にお邪魔しましたが、そこにおられた方の大半は女性で、先輩のビジネスを支えているのはまさに女性の力だったのだなと感じました。

 一方筆者のビジネスは行政書士という、外形的には何をするのかできるのかわからないものです。(筆者自身もよくわかっていないところがあります。)例えば、筆者は主に会計面からアプローチで中小企業等のコンサルタントを第一のターゲットと考えていますが、中小企業の周辺には、弁護士、会計士、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士といった士業の方々がひしめいています。そしてそれぞれに独占業務を軸に必要に応じて周辺業務に業務範囲を拡大されています。会計面であれば、お客様の頭にはまず税理士や会計士が浮かびますし、コンサルタントということでは、中小企業診断士や税理士ということになります。それらの士業の方のホームページはあふれるほどたくさんあって、その専門性をアピールするように様々なコンテンツが載せられています。ただ、筆者自身もそうだったのですが、お客様にとっても、実際に仕事を頼みたいと思ってもどこに頼んだらいいかと感じてしまうのではないでしょうか?

 行政書士の先輩方からは、異口同音にホームページには頼れないよとアドバイスも受けていますが、インターネット時代の事業者の備えるべきものの1つとして、筆者は最近ホームページを公開しました。ホームページを公開したとたん、すさまじい勢いで検索ヒット率向上サービの電話セールスの嵐が来ました。パン屋の先輩のように取り扱った商品が訴求性のあるものであれば、ネットを使うことは有効だと思いますが、筆者はホームページについては、実際にそこからお客様のコンタクトを求めようというより、備えるべき姿の一つの位置付けなので、検索ヒット率向上サービスは費用対効果も考えてお断りしています。サービス業では個人事業者本人が一番の訴求ポイントになるので、やはり対面や口コミ効果が重要です。コロナ禍では営業活動もままならないのですが、あまり急がずやっていきたいと考えています。


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