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一時支援金でのご支援(その2)

 一時支援金の事前確認の業務の話を少し前に書きました。報酬の件が結構問題になっているようです。新聞にも話題になったと聞きますし、私のところで事前確認をしていただいた何人かのお客様にお話をお聞きすると、いずれも私の前に電話された登録確認機関の士業の方から、成功報酬型の報酬を要求されたとのことでした。私自身、成功報酬型の報酬を要求された士業の方の思いはわからないわけではありません。それには理由もあります。士業の報酬の考え方の一つとして成功報酬型は一般的で10%程度は平均的なものだ思いますし、仕事に要した時間に対し正当な対価を頂くのは当たり前だからです。そして、公正取引の観点から士業報酬の自由化がされた以降、報酬設定は士業の自由であることも事実です。行政が一律の報酬額を設定すること自体が公正取引の観点からは問題になります。

 ただ今回の一時支援金で考慮すべきなのは、個人事業者の方では30万円が支給の上限となっていて、そして申請される方は、基本的にコロナで収入が減少して、お困まりになられている方だということです。報酬設定に関して批判が起こるのは、その一点だと思います。空気を読んで対応すべきという批判は、わかるのですが、結果論の批判だと思いますし、そもそも行政の思考回路はどうなっているのかと思ってしまいます。確かに事前確認はお客様の準備が完璧であれば、30分程度で終わる仕事です。時給換算で2000円です。しかし、お客様の準備があまりできていなければ、すぐに1時間2時間かかってしまう仕事を、最低賃金が1000円を超える時代に、最低賃金を下回る手数料設定でというのは、本気で事前確認をやらなくていいと考えているのではないかと思ってしまいます。登録するかしないかの自由はあるので、もちろんやりたくなければやらなければいいのですが、そもそもの制度設計に難があるのではないかと思います。お客様の足元をみた報酬の取り方だという士業への批判の形になっていますが、私は行政の制度設計に問題があったと思っています。

 話題を変えて、実際に、事前確認をさせていただいたお客様の話をしたいと思います。たまたま連続して、音楽関係のお仕事されている方の事前申請をさせていただきました。ボイストレーニングの仕事の他に結婚式の司会などをやられていたそうですが、密を避ける行動ということで結婚式が無くなり、対面のボイストレーニングの仕事もかなり減少されたとのことです。それでも、結婚式の予約が入ったお客様との事前の打ち合わせには自腹で参加せざるを得ず、その後キャンセルを受けると全く報酬はなくなる、と嘆いておられました。

 舞台の演出などをされている方は、結構資金力のある、公益財団からのお仕事もあるので、その分はキャンセルを受けても、現場仕事の方と比べると事前の準備の対価などの見合い分はそれなりに払ってもらえ、まだ恵まれているとおしゃっていました。ただ、食べていくには全然足らず、持続化給付金の交付や借入金となる総合支援資金・緊急小口資金などの借入れで、食いつながれているとのことでした。やっと10月以降仕事が始まったとのことでしたが、緊急事態宣言がまた発動されると状況はまたもとに戻るかもしれないと不安に思われていました。

 本当に先行きが見えない状態だなと実感しています。何かしらお困りの方のお手伝いができればと考えています。

 

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