見出し画像

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

転職試験を受けるたびに考える。
・実直で不器用だけど、素直な生き方
・要領よく、切り抜けていく生き方
どちらを選択したら、より幸せになれるだろうと。
問題解決のスペシャリストである森岡毅さんによる著作を読めば、きっと解決するだろう。
そんな思いを抱き、一年前にこの本を読んだ。
過去に学生向けに書かれた就職指南本は何冊も読んだ。
(この本と同じダイヤモンド社から出てる「絶対内定」については、トータルで百回くらい読んだ)
学生向けと言っても無駄にはならず、社会人になっても、抜け落ちている基本的な部分をリマインドさせてくれる。

森岡さんがマーケッターとして礎を築いたファーストキャリアの話が、この本の中心だ。読み進めていくと、プロクター・アンド・ギャンブル社の人間として海外に出向した際、数々の嫌がらせと戦ったエピソードが盛り込まれている。陰湿なイジワルと戦い、心を砕かれそうになりながらも、最後までプロジェクトに参画し、成果につなげた話。
エリートキャリアを歩んでいるわけではなく、至って平凡なキャリアを歩んでいるわたしのような者でも、似た場面を過去に何度も経験している。何かを提言すれば社内で蔑まれ、差別的な発言だって日常茶飯事。キャリア形成とは戦いであり、戦場なのだと思う。だから、就職することは、イコールサッカーのピッチ上に降り立った状況である。自分は、決められた時間内で、いかに相手のゴールにボールを蹴り込みかを競っているメンバーのひとり。
ともすれば、社内で和気藹々とお茶でも飲んでいるうちに、ニコニコと語り合うチームワークをイメージしてしまいがちだが、そうではない。目の前のゴールを意識し、点につながるアシストを意識してナイスパスを出した人間と、実際にゴールを決めた人間。これらの人材だけが、高い評価を受ける。
(もちろん、守りが専門のディフェンダーや、ゴールキーパーにも、それなりの評価はされるべきではあるが)
会社に着いた、パソコンを立ち上げる。
あ、もうホイッスルは鳴っている。
もし、求められるプレーを超える動きをしなければ、いくらでも替えの存在はいる。
そんな思いで、ボールをゴールに向かって蹴り出そうと思う。
ゴールに向かっていく実直さと、トリッキーなプレーでゴール前まで斬り込む要領(サッカーで言えば、「マリーシア」)を併せ持って。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?