見出し画像

仕事のこと7.活動報告会

"数えきれないほどの想いを いつまでも贈り続けてくんだ ずっとずっと先も"

"50年後の未来もきっと 知らぬ間に幸せの意味を見つけ出しているんだ"


「Novelbright(ノーベルブライト)の『Waliking with you』って曲、

めっちゃカッコいいよ」と卒業生に教えてもらった。

上記の歌詞が今の心に刺さり、ふふんと鼻歌を歌いながら作ったスライドショーを、お披露目した今日の活動報告会。

年に一度、言いたいことを言いたい放題言うことが出来る報告会。

子どもたち、保護者、関係者を含め約30名の参加者と共に過ごした1時間。無事に終わってほっとひと息。

画像1

2020年度の厚真町放課後子ども教室の活動も、残すところあと2週間となった。なんといってもコロナフィーバーに振り回されて、投げ飛ばされて、ヨレヨレだったけど、なんとかかんとか、1年が終わろうとしている。

去年の今頃は臨時休校で長い春休みに突入し、4月に始まったと思ったらものの1週間ちょっとで、今度は長いゴールデンウィークに突入した。

画像2

再開したのが6月。

いつもの新1年生は、学校に慣れるまで1ヵ月インターバル期間を経て、5月から子ども教室デビューを果たすのだけれど、またいつ休校になるとも限らないということで、再開と同時に新1年生の参加もスタートという異例の展開に。

新1年生、来るかな?まだ様子見されてスタートは少ないかな?と現場に行ったけど、思いのほか、参加率が高くてちょっとびっくりした記憶が残る。

画像3

当然のことながら、通常教室のおやつ作り、特別教室の調理体験やたき火でおやつなどのプログラムは出来ず、子どもたちからはクレームの嵐。

「6年生だよ?最終学年ね?来年はないんだよ?」と何度、真顔で言われたことか……。ゴメンって言うしかないけど、コロナさえなければと思う気持ちは子どもたちと一緒だった。

画像4

(半年近く「リンゴ春巻き……リンゴ……」と言い続ける子がいるくらい毎年、人気のおやつ・リンゴ春巻きアップルパイ。写真は2年前のもの)

春の山菜シーズンは臨時休校の真っただ中。行者ニンニクとってきたり、堀田さんちのハネっこシイタケをもらってきて、一緒に天ぷらにしたり。2年前は氷室メークインでフライドポテトもした(写真:2019年撮影)

画像6

ハスカップジャムでクリームを作って、ドーナッツに乗っけて食べるの、美味しいんだよね。クレープ食べてる顔を見るのも大好きなのに(写真:2019年撮影)

画像5

活動報告会も、いつもは特別教室・ありがとうパーティーのプログラムとして実施をしてた。

秋に収穫したお米を炊いて、カレーや豚汁をつくって、1年の活動でお世話になった人や保護者の方にふるまうのが恒例だった。

画像7

コロナのバカ―ッ!と叫んでいなくなってくれるものなら。

いつもとは違う、を自分たちに言い聞かせて、出来ないことを悲しむより、出来ることを探す。毎月のプログラム会議は、感染拡大状況に注意を払いながら、検討を重ねた。

私たちスタッフは両方の学校の子どもたちに関わる。もしも……があった場合には、関係各所に大打撃といことは明らか。体調管理にも気を張っていたせいか、大きく調子を崩すことはなく済んだのは幸いだった。このあと、風邪とかひくとしたら、どうか春休みに入るまでもう少し待っていただきたい。

厚真の基幹産業を考えても、地元の農産物に触れる機会として、食育プログラムの役割は大きい。

やっぱり美味しいものがたくさんある町だから、子どもたちにもその記憶とともに育ってほしいと思う。早く調理系プログラムが復活できることを、ただただ願うばかりだ。


子ども教室は、【自分が育ったまちのことを、自分の体験をもとに、自分の言葉で語れる人材を育てる】ことをコンセプトに、日々の活動をおこなっている。

平日の通常教室は、より身近な友だちと、身近な環境で、たくさん遊ぶ。

特別教室は、より厚真の魅力を、両校・全学年の子どもたちと、遊びの中から体験的に学ぶ機会を。

子どもたちの生き方を支える心の糧としてはもちろん、活動自体が子育て環境の充実したまちという評価を生み、移住・定住の促進やUターン人口の増加などまちづくりの一助となることを目指してやってきた。

2012年からスタートして、間もなくマル9年が経つ。

小学校を巣立った卒業生も200人を超え、スタート時に6年生だった子どもたちは今年、成人式を迎えた。

中学生から高校生、そして、その先に進学していく子や就職して社会人へと成長していく姿に出会う機会も増えた。

ここにきてやっと、今までやってきたことの答えが少しずつ見えてきたように感じる。

時限式の通知表が届くような。子ども教室で過ごした記憶が、自分の育った環境とつながり、ふるさと・厚真をポジティブにとらえられる人材に育ってきてるのかなー、と。

もちろん、全体から見ればこれらはほんの一部だ。通知表の中身を見れば、まだまだ「もっと頑張りましょう」の状態ではあるけれど、それでも目指した目標に手は届いている……気がする。

画像8

                        (写真:2018年12月)

そして今。

この9年の間に、社会教育事業も増え、学校教育での小中一貫教育やふるさと教育も始まり、子どもたちの教育環境が大きく動いている。

そんな中、この1~2年、子ども教室の活動内容、取り組みに対して、存在意義を問われることが増えた。

「子ども教室は、手上げ式のため全員が活動に参加できるものではない」

「子ども教室は、一過性のイベント的な体験になっている」

「子ども教室は、異年齢集団で構成されるため、発達段階に合った活動が提供できない」

「今や児童クラブでも体験型プログラムの提供を実施している。子ども教室は、よりプログラムに特化して、自由時間としている部分は児童クラブや家庭の役割に任せる方向性ではどうか」

ま、スタート当初から「学童との違いがわからない」と言われ続けてきましたけど。

子ども教室が目指してきた子どもたちの姿が、目の前にある一方で、これまでの在り方に対する評価が反目する。

さて、ここに感じるギャップは何なのだろう?

ここ数か月、悶々としていた問い。考えていると無性に腹が立ったり、悲しくなったりするので、そっと寝かしてごまかしていたのだが、報告会に向けて再度、向き合ってみた。

考え事をするときは、ノートを開くことが多い。頭の中に浮かんだ言葉をひたすら書き連ねているうちに、ほろっと治りかけの傷のカサブタが剥がれることが多々あるから。

今回のほろっとは2つあった。

ほろっとキーワード・その1『これから向かう大きな目標って、何なんだろう?』

ふるさと教育も、子ども教室も、児童クラブも、冒険の杜も、大きな目標を達成するためにある手段なのではないだろうか。

教育行政として、どんなまちを目指して、どんな子どもたちを育てたいのか。そこにある大きな目標って何?

私たちがほしいのは、ふるさと教育がなんたるかという説明ではなく、なんのためにふるさと教育があり、ふるさと教育を通して実現したい社会はどんなものなのか、という想いや願い。

そこにある熱量が見えれば、おのずと子ども教室が担う役割が見えるんだろうなぁ、というところに収まった。


ほろっとキーワード・その2『連携ってことばがキライになった』

児童クラブとの連携、学校の連携。

連携とはなんぞ?

「特別教室でやってきたことを、学校の授業でやっていく」

「児童クラブも子ども教室も、同じようなことやってるんだから、一緒にしたら?」

まさか、これを連携と呼ぶのでしたら、御免こうむるぜ。

学校には学校の持ち味があり、児童クラブ、子ども教室もしかり。

そして、どれも万能ではない。

違いがあるから、取りこぼしなく、子どもたちの手に届けることができる。集約することで効率良く、コストも抑えられるかもしれないけど、子どもの立場に立てば、違いを活かすことの方が利益になると思うんだけどな。

社会教育の資源を学校教育に惜しみなく投入するのはいいけれど、学校から社会教育へ惜しみなく還元されるものって、あるの?

ギブアンドテイクであれとは言わないけれど、連携という名の御用聞きになっては疲弊するだけだ。そこにもやっぱり目指すモノが必要なんだろうな。


ひとまず、モヤモヤしていたカタマリが腑に落ちた感覚がある。


報告会用のパワーポイントは前日中に出来たけど、進行台本を作り終わる頃には報告会当日になっていた。

睡眠時間を削った分、それなりの出来になったのではないか、というのが自己評価。

終わった後は言いたい放題言い放ったドキドキ感と開放感ののち、どっと眠気がやってきた。

報告会も終わってひと段落……つかないのが年度末である。また来週のプログラムに向けて、パソコンというブラックボックスに集中力を吸い取られる日々は続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?