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仕事のこと9.インプットスイッチ、ON.

年明けから年度末にかけ、アウトプットすることが多かった。

2月の子どもの社会参加を考えるワークショップ。

3月の子ども教室報告会&事業報告書作成。中・高生のサードプレイス『Light Houseプロジェクト』の報告書作成。

わぁーっと放出。ふぃー。


はてさて、私はこの春からどこへ向かうのかしら?

どんなことをするつもりなのかしら?

……ん?

頭の中はカランコロンのすっからかん。

でも、時間は止まってくれることはありません。あっという間に春休みが終わり、現場が始まり、ゴールデンウィークの予定が見えてきて。


インプットのやる気スイッチ、オーン。

自分の中にないものを考えを始めるときは、本屋さんからスタートすることが多い。

何から手をつけたらいいかさえ手探りだから、それっぽいジャンルの書棚の前に行って、平積みしている本のタイトルを眺めて、気になったら手に取る、を繰り返す。

昨今の時節柄、あんまり長居はできないけれど、ネットで探すより本屋さんで探す方がやっぱり好き。

内容云々の前に、書体とか文字の大きさとか、ボリュームとか確認できると、最後まで付き合えるかどうかも判断できるしね。


今回のインプットのテーマは、中・高生の居場所づくりで自分に何ができるのか、何がしたいのか。

2月に実施したワークショップ(『ぼくらのまちづくり~子どもの社会参加を考えるワークショップ~』を今年2月に開催)

https://note.com/office_up_road/n/n66b5b481fc0f

参加してくれた中学生から、やってみたら面白そうなアイディアはたくさん出たので、じゃあ、実際にやってみる?と話を振ってみたのだけれど、反応は思ってたんと違った。

アイディアフラッシュしているときはノリノリ。でも、その熱量はワークショップが終わった途端、魔法のように消えてしまう。まぁ、そんなことも珍しい話ではないでしょう。

そこも承知のうえで、私はやると決めている。

やるったら、やる。

でも、私が提案することにみんなが乗っかる、という形では意味がないのだ。

子どもたちが、自分にとって意味のあることとして、自分の中にある"思い"を形にする、をやりたいのだ。


目指すは、子どもたちが自分たちでつくる文化祭。

学校行事の中で、学芸会とか学校祭の雰囲気が好きだった私。

学校祭や吹奏楽部の定期演奏会みたいな文化祭を、もっと自分たちで自由にやれたら面白そうじゃない?何かやってみたいこととかないの?

軽い気持ちで聞いてみると、

「え……特にない」と塩対応。

え!?学校祭、あんなに楽しそうにしてますやん?

「学校祭は学校のことだからやるけど、別に」と。

案外、ドライね。


子どもたちに、好きなものは何?と聞くと、色んな答えが返ってくる。

「YouTubeのなんとかってチャンネルがおもしろい」

「TikTokのなんとかって人を真似して踊ってみたけど、難しい」

「なんとかって人のインスタが超可愛い」

「なんとかってアニメ、見てる?なんとかって声優さん、知らないの?」

「なんとかってゲームを、友だちとオンラインで何時から始めようって約束してる」

(これだけたくさん"好きなモノ"が出てくるのに、やってみたいと思うことはないんだなぁ)


それはなんで好きなの?と聞くと、返ってくるのはだいたいこちら。

「おもしろいから」「可愛いから」「かっこいいから」「楽しいから」


小学生も中学生も、スマホ・タブレットを使いこなし、新しいアプリや機能を駆使して、自分のお気に入りを次々に見つけ出してくる。

そのスピード感たるや。

私、自分のスマホやアプリの機能、きっと3割くらいしか使ってない。それでも全然平気だけど、子どもたちはデジタル機器に眠る可動域をどんどん広げることを楽しんでいる。

特にこの10か月、中学生と過ごしてみて、彼らにとってスマホは魅力にあふれるツールなんだなぁ、と実感している。手放さないもんね。常に画面見てるもんね。

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でも、これって本当の意味で"スマホを使いこなしている"のだろうか?

誰かがつくったモノを享受して、楽しんでいるユーザーとしては、存分にその魅力を味わっているのだろうけれど、次々と出てくる新しいモノ・コトを、ひたすらに受け身で消費しているだけなのではなかろうか……?と思う。

そして、ネットの世界は時間の流れが違うんじゃないか、って思うほど加熱と冷却のスピードが速い。

1か月前まで「うっせぇー、うっせぇー、うっせぇわー!」って、うるさいくらい歌ってたあの子は、もうその歌を歌わない。

スマホで検索して見つけてきた"好きなモノ"は、次の検索にはヒットしない。またすぐに違う"好き"が見つかるから。


インターネットの爆発的な広がりは今後も続くよ、どこまでも!とか、人間の仕事はAIにとって代わられるとか、今のままの教育スタイル・働き方はもう通用しないとか、この手の話は、変わりゆく時代についていけないダメな大人感をしんみり感じてしまい、見ないフリをしてきたのだけれど。

このたび、落合陽一さんが書かれた『働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ』(小学館新書.2020年)を読んだ。

身につまされる言葉もたくさんあり、自分が掘り進めていたつもりになっていたところも、実は表面的なところしか削ってなかったなぁ、と気づかされた。


テスト前は教科の勉強をメインでするけれど、自主学習は教科書とワークの問題を解くだけじゃなく、自分の興味・関心があることについて勉強するのも大事だと思っている。

プロジェクト型学習ってどうやってやるんだろう?と思ってて見つけたのが、『「探求」する学びをつくる 社会とつながるプロジェクト型学習』(藤原さと著.平凡社.2020年)


落合さんの本も、藤原さんの本も、両方ともに感じたのは、

向き合う課題・生み出す価値は自分にとって意味のあるモノかどうかが、とても重要だということ。

これから子どもたちが生きる社会で向き合う問いは、簡単に答えが出ないし、失敗にも価値があり、自分の頭と心で考えるチカラが必要だということ。

どんどん進化を遂げていく技術は、出来上がったものを使って何かを生み出すのではなく、その先にある大きな目標のために技術を進化させていくのだということ。

自分が解決したいと思う小さな課題は、自分の内側ではなく、家庭や社会など外側とのつながりがなければ見つからないということ。


言うても、あんまり活字を読み込むのが得意ではなく、コツコツ続けるも苦手なので、ちょっとばかり時間はかかりましたが、いろんな発見が自分の中にあった読書時間。勉強になりました。

子どもたちの姿と勉強したことがリンクして、この1年をかけて、自主学習会のなかでやりたいことが腑に落ちた。

ひとまず、インプット完了。

次は仲間を探すというアウトプットの旅へ出発だ。

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