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超過死亡の年齢階層および死因別分析

2021年4月からの超過死亡合計は32万人

2021年以降、毎月の死亡者数が増大している。
2022年12月および2023年1月の死亡者数はそれぞれ16万609人、16万4264人となり、これまでの傾向から予想される死亡者数からの超過は、それぞれ3万1649人、2万2240人であった。

図1.毎月の死亡者数と予想死亡者数

2021年4月から超過死亡が顕著に多くなっている。2021年4月から2023年7月までの2年4ヶ月の累計超過死亡は32万人超である。
過去の傾向から予想される死亡者数より、32万人もが余分に亡くなっているということである。

図2.死亡者数と予想死亡者数の差

この超過死亡について、年齢階層別および死因別にデータを分析した。

高齢者については、特に目立った要因があるわけでなく、ガン、心疾患、脳血管疾患、肺炎などによる死亡が、2021年以降に減少傾向から、停滞・増加傾向になっている。様々な要因による死亡がすべて増加しているということである。
トータルでの超過死亡の増減はワクチン接種と強い相関があり、ワクチンが超過死亡の一要因であることが疑われる。

一方、若年層から壮年にかけては、2020年8月以降に自殺が急増している。コロナ騒ぎで生活が一変したことが、その要因になっていると思われる。

ワクチンとの関係

コロナが始まった2020年1月以降について、超過死亡とワクチン接種数を同じグラフにプロットした。因果関係は不明であるが、かなり強い相関が見られる。ワクチンが超過死亡の一要因になっていることが疑われる。

図3.超過死亡とワクチン接種

超過死亡のほとんどは高齢者

超過死亡を年齢階層別に見ると、75歳以上の高齢者が25万人あまりと、超過死亡の8割近くを占めていることがわかる。
高齢者の人口が多いこと、そして高齢者のもともとの死亡率が高いことから、このように超過死亡のほとんどを高齢者が占めることになる。

図4.超過死亡の年齢階層別割合

年齢階層別に見る

超過死亡のほとんどが高齢者で占められていることから、若年層などへの影響を見るためには、年齢階層別に見ていく必要がある。

年齢階層は5歳刻みになっており、0-4歳から100歳以上まで21の階層がある。これを全部掲載しても見るのが大変なので、いくつかの階層について、超過死亡を下に示す。

10-14歳では、東日本大震災時の超過死亡が目立つものの、コロナが始まって以降の超過死亡はほとんどみられない。20歳代から50歳代までの年齢層では2020年8月から超過死亡増大が見られ、60歳代以降では2021年以降に超過死亡増大が見られる。

後で述べるが、2020年8月からの超過死亡増大の要因は「自殺」の増加である。一方、2021年以降は様々な要因による死亡が、全体として増加していることによる。

図5-1.超過死亡 10-14歳
図5-2.超過死亡 20-24歳
図5-3.超過死亡 30-34歳
図5-4.超過死亡 40-44歳
図5-5.超過死亡 50-54歳
図5-6.超過死亡 60-64歳
図5-7.超過死亡 70-74歳
図5-8.超過死亡 80-84歳

高齢者の死亡要因

超過死亡の要因を探るため、死因別の10万人あたり死亡率を見る。
まずは高齢者として、80-84歳の死亡率変化を、「悪性新生物」「循環器系」「呼吸器系」「老衰」の4死因について、下図に示す。

「悪性新生物」「循環器系」「呼吸器系」ともに、緩やかな減少傾向にあるが、2021年以降は停滞から増加に移っている。
つまり、ガン、心疾患、脳血管疾患、肺炎など、様々な死因の推移が減少から停滞・増加に転じたのが、高齢者における超過死亡の要因であると言えそうである。

「悪性新生物」「循環器系」「呼吸器系」が減少する一方で、増えているのが「老衰」である。割合としてはまだ少ないが、着実に増加している。
これは他の病気による死亡が減少していることを意味しているので、むしろ喜ばしいとも言える。

図6ー1.死亡率 死因:悪性新生物 年齢階層:80-84歳
図6ー2.死亡率 死因:循環器系 年齢階層:80-84歳
図6ー3.死亡率 死因:呼吸器系 年齢階層:80-84歳
図6ー4.死亡率 死因:老衰 年齢階層:80-84歳

若者の死亡要因

若者の代表として20-24歳の死因別の死亡率を以下の図に示す。
「悪性新生物」「循環器系」「呼吸器系」の死亡率は非常に低く、それも減少傾向にある。
これに対して若者の主な死因になっているのが、自殺である。
全体として減少傾向になっていたものの、2020年8月から急増している。若者の超過死亡の主要因は自殺であり、コロナによる生活激変が原因になっていると思われる。

図7ー1.死亡率 死因:悪性新生物 年齢階層:20-24歳
図7ー2.死亡率 死因:循環器系 年齢階層:20-24歳
図7ー3.死亡率 死因:呼吸器系 年齢階層:20-24歳
図7ー4.死亡率 死因:自殺 年齢階層:20-24歳

働き盛りの死亡要因

次に働き盛りである40-44歳について、死因別死亡率の推移を見る。
「悪性新生物」「循環器系」は減少傾向であるが、2021年から少し停滞あるいは増加傾向になったように見える。
「呼吸器系」は2020年1月にピークがあったものの、全体として死亡率は低い。
「悪性新生物」「循環器系」に並ぶ死亡率となっているのが、「自殺」である。そして若者と同様、2020年8月から、はっきりとした増加傾向が見られる。これについては若年層と同じように、コロナに関連する社会的な影響であると思われる。

図8ー1.死亡率 死因:悪性新生物 年齢階層:40-44歳
図8ー2.死亡率 死因:循環器系 年齢階層:40-44歳
図8ー3.死亡率 死因:呼吸器系 年齢階層:40-44歳
図8ー4.死亡率 死因:自殺 年齢階層:40-44歳

超過死亡の計算

超過死亡には様々な計算方式があるが、基本的には、過去のデータから死亡者数のトレンドを予測して予想死亡者数を算出し、それと実際との差異を超過死亡としている。

予想死亡者数を算出するには、季節要因(死亡者は夏は少なく、冬は多くなる)、人口の増減、年齢要因(高齢化によって死亡者が多くなる)、特別な要因(東日本大震災などによる死亡)を考慮する必要がある。

今回はコロナ関連による超過死亡を求めるのが目的なので、以下のように予想死亡者数を求めた。

予測のベースとする死亡者数データの期間は、2010年1月から、コロナが始まる前の2019年12月までの10年間とし、ここから東日本大震災の影響があった2011年3月から2012年2月の12ヶ月を除く。

人口増減の影響をなくすため、死亡者数を人口で割って、10万人あたりの死亡率を求める。

上記のデータについて、5歳間隔の年齢階層別に、1月から12月までの各月ごとの傾向を直線近似(最小二乗法)で求め、計算式をつくる。

この計算式を使って、2010年1月から2023年7月までの、年齢階層別、月別の予想死亡率を計算し、これに年齢階層別人口を掛けて、年齢階層別の予想死亡者数を求める。

データソース

年齢階層別・死因別死者数

毎月の年齢階層別人口

ワクチンの接種状況


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