私にとっての8月6日(3)

入社した会社で
8月6日という日は
祝日でもなく、会社の創立記念日でもない
365分の1という日常の1日だった。

気に留める人がいないことに
驚かされた。


扱っている物が原子力に関係するという、ただそれだけのことで、業種は製造業だ。

自動車を作る会社とか飲み薬を作る会社となんら変わるとかはない。
そこで仕事をしている彼らにとって関心のある日でもない(と思われる)原爆記念日を知らないのは、おかしいことではないのかもしれない。

原子力に関係する仕事をしているから
原爆記念日に多少は関心があるかもしれないと思った私のとんだ勘違いだった。

原爆記念日はまだまだ結婚記念日のようなものなんだと思う。
国民に浸透してる訳でもない。
関係者のみ関心のある
そんな特殊な日にちなんだ。

祝日にでもなれば違うのだろうけど。

東海村で仕事をしている時に元請けの原子力事業部(正式名称ではない)の中に広島出身で被爆2世の人がいた。広島市出身の多くは被爆2世だ。ただそれだけだ。広島出身者にとっては何も珍しいことではない。それを強く感じた時だった。


私は8月6日に広島に帰省していれは記念式典をのぞき、8時15分になれば黙祷した。
帰省していなければ8時15分にいる場所で黙祷した。

それが被爆2世であり原子力という分野で働いている私の役割だと思っていた。

ただ、8月6日の原爆記念日について誰かと話すということはしなかった。

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