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障害福祉・児童福祉事業の情報公表制度ってナニ?

障害者総合支援法と児童福祉法定に “情報公表制度” の規定があります
令和6年度の報酬改定において、情報公表が未報告の場合は、報酬減算されるようになりました
 
情報公表制度とは?
● どうやって公表するの?

 
そんなテーマのお話をいたします


情報公表制度とは?

簡単に言えば、運営している事業の内容や状況を世間一般に公開する制度です
なぜ、そんな大切な情報を公開しなければならないのでしょうか

  • サービスを利用しようとする方が、個々のニーズに応じたサービスを選択できるようにする

  • その選択に当たり、提供されるサービス内容や事業所等の運営情報を容易に入手できるようにする

  • 各事業所等の公表情報が、偏りなく公平に提供されるようにする

  • 公表を通じて、事業運営側による質の高いサービスの提供を促進させる

このように、障害等を持つ方が良質な福祉サービスを受けられるようにするための一つの施策というわけです
それらの目的・理由がある施策ですので、今回の報酬改定において、公表の義務化と公表未実施の場合の報酬減算ということが決まりました


どのように情報を公表するのか?

基本的には、各法人・事業所等が所在する都道府県等が定める情報公表制度実施要綱に基づいて “報告” という形で情報公表します
都道府県等の多くは、毎年4月1日を基準日として、実施要綱で定められる内容を報告します

報告を受けた都道府県等は、次の方法で公表を行います

  •  インターネットによる公表
     利用者が必要な情報を抽出し、適切に比較検討できるように、ネット上に公表します
     現在は、独立行政法人福祉医療機構が運営する「障害福祉サービス等情報公表システム」を通じて行われています

  •  その他の方法
     利用者等からの要請に応じて、紙媒体による情報提供や閲覧等についても行う

また、法人・事業者等が自らが持つ手段で公表することも求められています(努力義務)

  • 事業所等施設の見やすい場所への掲示

  • 自事業所等のホームページへの掲載

  • 利用者等が希望する場合、利用者等のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書に、公表情報を添付する


どんな内容を公表するのか?

細部は、都道府県等が定める情報公表制度実施要綱によりますが、概ね以下の内容を公表(報告)します

  • 事業等を運営する法人等に関する基本事項
    法人等の種類、名称、所在地、連絡先、代表者氏名、実施するサービスの種類など

  • 事業所等の財務状況
    事業活動計画書(損益計算表)、資金収支計算表、賃借対照表など

  • サービス提供に従事する従業者に関する事項
    実人数、職種、資格保有者数、勤務配置など

  • 従業者の教育訓練制度、研修などの資質向上に関する施策
    研修実施計画の有無、資質向上や虐待防止等の研修の実施状況

  • 事業所等の設備等の状況
    建物の構造、トイレや浴室などの状況、不調備品の状況など

  • その他
    苦情等受付窓口、賠償すべき事故発生時の対応、サービス利用料など

これらに加えて、各都道府県等が必要と認める事項の公表(報告)が求められることがあります

参考として、東京都の情報公表制度実施要綱を以下にリンクします
東京都福祉局HP


まとめ

情報公表制度は、サービスを受けようとする障害等を持つ方々のために行われるものです

また、サービスを受けようとする方と提供する事業者を的確・円満にマッチングさせる施策ともいえます
更に、公表を通じて、事業者側が自らのことを俯瞰して見る良い機会ともなります

サービスを受ける側と提供する側との間で、質の良い福祉サービスの授受があれば、社会全体にも良い結果として反映されます

そういう観点で考えれば、法的義務があるとか、報酬が減算されるからという動機で情報を公表するものではないことは理解できるかと思います
また、自分らの事業・提供するサービスを正しく伝えるための手段でもありますので、真摯に行っていただきたいと思います


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