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シャンプーから食器洗いまで。石鹸の原点、アレッポ。

こんにちは。2009年から運営してきたショップを今月クローズするので、そこで2020年にもうけた「オーガニック&ナチュラルライフ」のコーナーのアイテムとして取り扱って来た、(自然派、せっけん好きな方々にはすっかりお馴染みと思いますが)アレッポの石鹸を、改めてご紹介がてら、ショップでの文章をこちらに、残しておきたいと思います。

断面のようす。オリーブグリーンは最初の色、熟成させることで外側はキャラメル色。

中東シリアの無添加石鹸「アレッポの石鹸」をご紹介します。自然派思考の人々、安全で質の良いものを求める人々にはすでに知られるようになりました、素肌に優しく、洗顔や洗髪にも使え、お子さんや赤ちゃんにも安心の完全無添加(合成界面活性剤・石油由来原料・防腐剤・酸化防止剤・金属封鎖剤(EDTA・エチドロン酸)、発泡剤・人工香料・着色料、一切無添加)のせっけんです。

日本で20年以上前から「アレッポの石鹸」という名称で紹介されている正規品は、アデルファンサ社が製造しています。アレッポ市は石鹸の街なので工場がたくさん有っても品質は様々な中で、原材料へのこだわりと品質でトップクラスの「アデルファンサ社」の信頼のブランドが「アレッポの石鹸」です。(類似品や非正規品も最近は多く出回っているようです)

私も20年近く前に存在を知り、以来ずっと使い続けている日常の欠かせないアイテム。出会った当時は衝撃!の存在感で、外はキャラメルのような美味しそうな姿、中はオリーブグリーンで、天然の樹木とハーブが混ざったようなスパイシーな月桂樹の香りは懐かしく、一目惚れ&使ってなお大好きになりました。2004年にオープンしたヒーリング&自然派グッズのショップでも、取り扱っていました。

Lumiere Blanche (2024.7月まで)のアレッポ石鹸ご紹介ページより

アレッポは古代からギリシャとメソポタミアの中継地として栄えた古代都市。世界における石鹸の発祥地とも言われ、同じようなオリーブオイルの石鹸として伝統のあるフランスの「マルセイユ石鹸」も、アレッポの製造技法が十字軍の時代にフランスに伝わったという由来があるようです。古代のままの姿と製法がそのまま、私たちの元に届くという幸せ。香りや姿、他には無いナチュラルな風合いに懐かしさを感じる方も多いことでしょう。
アレッポには「ライト」「ノーマル」「エキストラ40」の3種類があり、我が家ではずっと、殺菌効果が期待できる「エキストラ40」を愛用して来て、いわゆる市販の除菌ができるハンドソープなどは手が荒れてしまうので、とても助けられて来ました。世相から手を洗う回数が増えている最近ですが、アルコール消毒なども含めて手荒れ・皮膚からの化学成分の吸収が気になるかと思います。・・そんなことから、リュミエールでも再び、ご紹介することにしました。

自生する自然栽培のオリーブから採取したオイルと、同じく自生・自然栽培のローレル(月桂樹)オイルから、アレッポの石鹸は造られます。地中海の恵みの雨を受けたオリーブ・ローレルの実は摘み取られて新鮮なうちに昔ながらの圧搾法により抽出され、職人が伝統的技法により手作業で作り上げ、2年の熟成を経て完成。中身は作り立てのオイルの色である鮮やかなグリーンですが、外側がキャラメル色になるのは、熟成されている証拠。職人さんたちは製造時にテイスティングをしながら確かめるそうで、まさに伝統的な職人技により生み出されている逸品です。

「ノーマル」はオリーブ油90%+ローレル油10%(「ライト」はローレル2%)で、「エキストラ40」はオリーブ油60%+ローレル油40%が配合されています。ローレル(月桂樹)オイルは現地では非常に貴重・高価で、「オイルの宝石」と呼ばれているとか。シリアの伝統的なスタイルはノーマルタイプの配合ですが、エキストラ40は日本限定の特注製品だそうです!

エキストラ40の特徴として、全体の40%も月桂樹オイルを配合しているところ。アレッポスタイルの石鹸の中でも最高級のクオリティと言えます。深い森のようなスパイシーな独特の香りをしているローレルオイルには、天然の殺菌力があり、肌に悩みを持つ方(ニキビや多汗など)にもお勧め、また頭皮への刺激効果も期待できます(育毛対策に!)。オリーブオイルに含まれる肌への潤い効果はすでによく知られていますが、オリーブの保湿力・保護力をベースに、ローレルの強壮・殺菌作用がしっかり含まれている点がエキストラ40の魅力です。

私は時折、石を洗うのにも使っています。化学成分を一切含まないので安心です。また、最近だと除菌したいもの(買って来た製品・食品など)をパッケージごと、アレッポで洗浄したりもしています。キッチンにも常備しておいて、フキンや、料理中の手洗いにも、余計な香り成分などを含まないのでおすすめです。アレッポはハンドソープ、洗顔、洗髪、身体、などあらゆる場面で活躍してくれる無添加石鹸です。

通常の石鹸よりも大きく、ギュっと詰まっているので1個がかなり長持ちします。ソープディッシュなどが水っぽいと溶けてしまうので、半分にカットして使うのもおすすめ。

なるべく湿気がたまらないよう設置して下さい。
湿気を含んで柔らかくなってしまったら時折、風に当てて乾燥させると良いですヨ。
柔らかさの原因は製造工程で副産物として生まれるグリセリンです。グリセリンは手作りコスメを作る時に添加したりもしますが、市販の化粧品にも保湿力を上げるために添加されています。自然素材の反応により天然のグリセリンが生まれるなんて良く出来ている。石鹸づくり技法も古代の人々が授かった「神々からの贈り物」ではないかと思う店主です^^

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2011年に起きたシリアの内戦によりアレッポの街は大打撃を受けました。
アデルファンサ社は現在、ラタキアに拠点を移し、製造を続けています。
アレッポでは多くの石鹸工場が廃業し、職人たちが仕事を失ったそうです。
早く平和が訪れますように。
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商品情報
製造地:シリア
重量:180g
原材料
水酸化Na(石鹸製造には必須の成分)
自然栽培オリーブ油(シリア)
自然栽培ローレル油(シリア・トルコ)
*水酸化Na(苛性ソーダ)は自然乾燥させる段階で残留がほぼ0になるそうです。

Lumiere Blanche (2024.7月まで)のアレッポ石鹸ご紹介ページより

..と、いうわけで、いつも熱のこもった(笑)紹介をしてしまうのですが、上に書いている通り、生活を自然派に切り替えた22年くらい前に出会った当時は、専門店から買わないと、という感じでしたが、今ではいろいろなところで買えるようになりつつあり。また、特にエキストラ40はローレルオイルが髪と地肌によいと、男性にも人気だとか。(育毛効果)

それで… 先日の「クレイはみがき」と同様に、ずっと前から知ってはいたけど日常的に実行するのはいまひとつ定着しなかった(つい多忙さにかまけて便利なほうへと流れ..)、それを今切り替えていこう、という個人的キャンペーンの中で、最近取り入れたのが、アレッポでの洗髪。つまりシャンプー代わりに使うのですが、自分の髪質には合わなそうと思って実行せずに来て。ふと思い立ってやってみると、全然大丈夫、むしろ普段使っているオーガニック・自然派のややお値段のするシャンプーよりも、髪の様子は良い感じです。びっくり!早く切り替えればよかった、かなりコスパが良いはず。

大きくて、中身がギュギュっと詰まっています

シャンプーとしての使用で心配だったのが、リンスを手作りしなくてはいけない点で、ついつい、香りの良いオーガニック製品を選んでいました。が、アレッポの公式ショップさんではとても簡単に作れるクエン酸リンスのレシピも紹介していて、数日に一度はみがきを作るのに比べても、まったく手間もかからず。

こういったことに目覚めたのが、アレッポと出会った22年くらい前。当時は興奮と喜びとともに、いろいろなものを手作りしていたのですが、その後、ショップやサロンの仕事を始めて、忙しくなって既製品の良いものを選ぶようになって久しく。けれどもそろそろまた、見直しているところです。改めて、ちょっとした手間で手作りすると、ヘルシーで(エネルギー的にも良いものが出来)、コスパも質も良かったりします。

作ることや、手間がかかっても自然素材に触れている時間を自分が楽しめることが、大事だと思います。そのためには、心や時間感覚や価値観に、ゆとりも必要なのかな。それをうまく創出できると、すべて良いことづくめで、生活しているだけでも満たされて、今ここ、を楽しめるのかなと思います。

そうそう、上の紹介文でもちらっと書いていますが、キッチンでの食器洗いにもおすすめ。ドイツ製のお皿を洗うブラシなどがネットでも売られているので、それだと、スポンジよりも固形石鹸をゴシゴシできるので良いです。通常の「食器洗い用せっけん」よりも、アレッポは石鹸成分が残ってしまった時の香りも気にならず、泡立ちも、油落としや香り、殺菌という面でも優れているように思います。

(キッチンで使うというのは我が家流なので、オフィシャルな見解としてそれが間違いないかどうかは、分かりません。あくまでも我が家流ということで、聞いておいて頂けるとありがたいです)

アレッポ、というと昔は「せっけん!」とすぐに連想していたところ、今ではシリアの内戦の激戦地、というイメージが。早く平和が戻ることを祈ります。世界最古の原点の石鹸として、製法、伝統がこれからも残ってゆくことも、願っています。

ではでは。このくらいで。
読んでいただきありがとうございました。

Amari