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Anchor v.s. STATIONHEAD

音楽が流し放題。AnchorとSTATIONHEAD

Spotifyを使って、音楽も自由に配信の中で流せるAnchorとSTATIONHEADですが、どっちがいいんでしょう?
いいんでしょうというのも、おかしな話ですが、それぞれいいところも悪いところもあります。

システムの違い

いきなり難しそうな話で恐縮ですが、それぞれがトーク(お喋り)と音楽をどう組み合わせて、配信しているのかを知ることから始めましょう。

まずは、Anchorですが、こちらはSpotifyでしか再生できないので、プレイリストに似た構造で構成されているようです。
実際には、Anchorで録音または登録し、コンテナで配置したトークとSpotifyにある楽曲を指定した順番に再生します。
再生しているPodcastの内容で表示される、エピソード(コンテナ)が順番に並んでいることからも、一種のプレイリストとして、機能していると考えてよさそうです。
そのため、一般的なPodcastと違って、Spotifyでしか聴くことができません。

ただし、楽曲を利用しないコンテンツであれば、AppleMusicなど、Spotify以外のディストリビューターに登録して配信させることができます。

そして、STATIONHEADは、音声配信アプリに、Spotifyのプレイヤーを組み合わせたもの、と考えるとわかりやすいです。
そのため、音楽をBGMにトークと同時に再生せさせることもできます。
音声配信とミュージックプレイヤーが一つのアプリになっているわけです。
実際には、トークデータを配信しながら、配信者が選択した操作に合わせて、Spotifyも同時に再生させています。
こちらも、STATIONHEADでしか聴けません。

収録か、ライブか。

システムの違いから、Anchorは収録で、STATIONHEADはライブでコンテンツを配信するようになっています。
STATIONHEADは、ライブをアーカイブで残すこともできるので、収録ができないわけではないですけど。

音声配信にも、10分程度のものから、1時間を超えるものまでさまざまありますが、構成を考えると、1時間前後が限界かもしれません。
もちろん、オーディオブックとして利用するのであれば、もっと長い時間でも構わないと思いますが、ラジオ的というか、コラム的というか、毎日または毎週配信するのなら、毎回1時間のコンテンツは、けっこう骨が折れるのではないでしょうか。

アーチストや作品への思いを伝えるのならAnchorの収録

そこで、気が付くのが、実際のラジオの場合は、音楽を流してるから、長時間の番組も作れるんじゃないか?ということです。
また、音楽の話題、アイドルやアーチスト、映画やアニメなどの話題でコンテンツを作るのなら、代表曲やテーマ曲を流せたらいいのに、と思うこともあると思います。

Anchorであれば、トーク中心の構成で、要所要所に関連する音楽を挟み込んでいくことで、より立体的な音声配信が行えます。
ライブと違って、じっくりと内容を構成できるので、アーチストや作品に対する思いや知識を詰め込んだ番組作りに向いていると言えそうです。

私の場合は、毎月の総集編を配信しているので、コーナーとコーナーの間に音楽を挟む、というスネークマンショー的な使い方をしてますけど。
音楽をしっかりコンテンツに組込むのなら、こうしたやり方はお勧めしません。

ノンストップで、音楽を聴かせたいなら、STATIONHEAD

お喋り無用のノンストップ音楽ラジオ、STATIONHEADでは、そうした使い方が主流です。
番組のテーマや配信者の好みで、ジャンルやアーチストなどを絞って、ノンストップで楽曲を流し続ける番組が大半を占めています。
少数ですが、お喋り中心で、コラボというか、Clubhouseみたいな使い方をしている番組もありますが、ほとんどはノンストップです。

ノンストップなら、Spotifyのプレイリストでもいいような気もしますが、実は、各ジャンルやアーチストのファンが、テキストチャットでおしゃべりを楽しんでいます。
本来なら、Greenroomでこうした使い方ができればいいんですが、GreenroomでSpotifyの音楽を流すことはできませんからね。
Stand.fmやSpoonなどでも、ライブでは「音声+テキストチャット」が番組の一体感というか、目玉になっていますよね。
STATIONHEADでは、「音楽+テキストチャット」で盛り上がっているのが現状です。

つまり、コンテンツとして、音声(トーク)を中心に仲間が集まるのか、音楽を中心に仲間が集まるのか、という違いはあるものの、ただ音楽を流し続けるだけで、ライブ配信として成立しているわけです。

既存の楽曲が使える利点を生かす

Stand.fmやSpoonなど、日本で人気の音声配信では、SEやBGMにフリー素材しか使えませんし、自分で歌うか演奏する以外に、音楽を流す方法が無く、お喋り中心の配信ばかりです。

それが悪いというわけではないのですが、内容がどこか似たり寄ったりで、一回当たりの配信時間も短いものが多く、ラジオのように聴き流しができるものが少ないように思います。
もちろん、収録配信ならSpoonの「すぷマガ」や「くじらじお」、「ウィークリーガーデン」など、ラジオを意識した構成の番組もありますが、配信時間は30分以下と物足りないです。

ライブ配信では、ライバーのように、コメントを拾いながらのトークが主流です。
そのため、スマホの画面を見ていないと、内容がうまく理解できないので、聴き流しには不向きです。

Anchorの場合、トーク部分と音楽部分がセパレート化されているので、「トーク→音楽→トーク…」といった流れになります。
また、いつでも聞き返せる収録配信なので、季節ネタや時事ネタには向きません。
エッセイやコラム、声劇などを組み合わせながら、テーマに沿った音楽を挟み込んだり、特定のジャンルやアーチストを紹介する同人誌的な使い方など、トークと音楽の組み合わせを意識した収録がいいかもしれません。

STATIONHEADでは、音楽にトークをかぶせることもできるので、ジングルやBGMとしての楽曲選びも楽しめます。
もちろん、「トーク→音楽→トーク…」といった流れや、音楽だけをひたすら流し続けることもできます。
ライブなので、コメントがリアルタイムで表示されますし、リクエストも受け付けられます。
ただ、いわゆる音声配信のように、コメントにリアクションを返す必要がないので、昔ながらのラジオスタイルで、お喋りの合間に曲をかけてもいいですし、リスナーが増えてくれば、お便り的にコメントを読んだり、リクエストアワーなんてこともできそうです。
そして、歌無しのインストバージョンを使って、歌ってみたもできるので、自分で歌うカバー曲だけのオンラインコンサートもいいかもしれません。さらに、コラボというか、複数人でおしゃべりできますから、グループを組んでコンサートしても面白いじゃないかと思います。

AnchorとSTATIONHEAD、収録とライブの違いはありますが、どちらも音楽を丸ごと配信できるので、アイデア次第でこれまでの音声配信とは違った新たな可能性があると考えています。
まずは、一度、聴いてみてください。そして、配信してみましょう。


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