見出し画像

日替わりメガネの夢

毎年この時期に悔しくなるのだが、わたしは酷い花粉症持ちだ。目鼻耳、皮膚まで調子が悪くなる。春だけでなく秋もひどい。ちなみに夏は暑さで痩せ細り、冬は日光不足でゾンビと化している。ざんねんなことに年中通して何かしら調子が悪い。人生ハードモードである。

おまけにブラック環境で8時間ヒールで駆け回っていたら、去年は毎日コンタクトを付けたまま寝落ちするのが当たり前だった。
そんな限界な日々を送っていると、コンタクトレンズに付着した自分のタンパク質にアレルギー反応が出るようになった。とうとう調子の悪いある日に白目が腫れ上がってしまい、死んだ魚の眼のようにぶるりと外の世界へはみ出てきて(アレルギー性結膜炎)、コンタクトレンズをしばらく禁じられた時期もあったりした。

仕事を休んでいる今、やはりあの環境に戻りたいとは思えない。
お客様に失礼がないようにとジャケットとパンプスを身に付け、TPOを守っているのだと言い聞かせて仕事をしていたが、やはり誤魔化せない。あの格好は、まったくわたしの気分が上がらない。むしろ、かっちりしたフォーマルスタイルは何よりもわたしが1番苦手なテイストである。

なぜこの仕事にしたのかと自問自答していたが現実は厳しい。わたしの生きたいように生きていくにはそのとき、その仕事をするしかなかったからそうしたに決まっている。

転職するなら、次に働けるなら、どんなところがいいだろう。
やっぱり、わたしはカジュアルでかっこいい服が好きで、自分の選んだ大好きな服装とアクセサリーで働ける環境がいい。
カジュアルな環境で、リラックスして、人とたくさん話して、価値を高め合って。そんな風に働けたら理想だ。

そんな場に似合うのは、ドライアイやアレルギーのかゆみを我慢してまで制服に似合いやすかったコンタクトを付け続けることではない。
メガネを複数本持ったっていいんじゃないか。

ちょうど、試着にかなりの時間をかけて顔と髪型のバランスがよく見えるコンビのメガネを悩みに悩んで11月に買ったばかり。
顔周りのアイテム=アクセサリー=盛り要素。わたしは盛り盛りはたいへん得意である。

カジュアルとフォーマルのどちらでも使える、メタルとセルのコンビのメガネ。これを持っているのだから、メタルの仕事用のかっちり目とセルで完全にオフ用の2本はほしい。

わたしは気まぐれで、好きな格好も日によってバラバラ。そんな人間の服全てに1本のメガネで似合わせるなんてできっこなかったのだ。(今更かいな)

探すなら価格帯が高めのものから、との教えを守り、似合うメガネ探しの旅は始まった。勇気を出して入った敷居高めの専門店は、案外気さくに最近のトレンドの形やブランド、試着させてもらったものが有名ドラマに使われたデザインだなどと解説してくれて楽しかった。

手が届かなくても、いいものをこの目で見るというのは選ぶ目が肥えるなぁと実感した。その敷居高めの専門店を数店舗回ってからJINSやzoffを見たのだが、見るポイントがはっきりしているので試着してみて外す率が低かった。

眼鏡をかけた、賢そうで知的な印象やアンニュイで気怠げな、煙草をくゆらせていそうな雰囲気はわたしのなりたい姿とも重なる。

わたしの理想のメガネ探しはまだまだ続く。今年中に1本は続編を書けたらいいなと思う。