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水のいろ,水のかたち展(国立工芸館,2023年9月24日)

異常に暑かった今年の夏の期間(7月7日~9月24日),国立工芸館で開催していた「水のいろ,水のかたち展」を最終日に観てきました。秋分の日を過ぎて,日中自転車で動き回るのにちょうど良い感じになってきたので,「せっかくなので」観に行こうと思い出かけてきたものです。

展示の内容については「水」をイメージさせるような作品ばかりが並んでいる…ということで…大変夏らしい企画でした。私の場合,秋分の日を過ぎて観に行ったので「夏の名残りの展覧会」といった感じでしょうか。

展示室はいつもどおり3室を使っており,各室には「1.水のいろ,水のかたち」「2.水のうつわ」「3.水とともに」という表題がついていました。”水色”という言葉があるとおり,青系統の寒色系の作品がやはり多かったと思います。デザインとしては,流れをイメージさせるような線や渦が入っていたり,材質としてはガラスや銀色系の金属を使っていたりといった特徴がありました。いかにも涼しげな展覧会だったので,どうせなら8月の夏休みの時に見に来れば良かったかなと少々後悔をしています。

面白かったのは,色々な時代の作品が混ざっていても全然違和感がないことです。金属制の作品など,タイトルを示すプレートがなければ,どちらが新しいのか分からない感じでした。以下,写真を交えて,展覧会の雰囲気をご紹介しましょう。

芹沢銈介作の「のれん」。我が家でも使えそう(?)と思い撮影
並木恒延作「しじま」(多分)。昨日,ブラックホールの講演会を聞いたばかりだったせいか,深い黒にひかれてしまいました。
涼しげな色合いの着物
花瓶コーナー。それぞれ作家と時代が違っていたはず。
クリストファー・ドレッサーとフラヴィオ・サンビネリの作品です。約100年制作年が離れているとは思えません。こういう展が工芸の面白いところですね。
伊砂利彦作のドビュッシー「前奏曲集第2巻」をイメージして作った「水の精」。音楽と合わせて鑑賞するとまた違った風に見えるかもしれませんね。
右端の作品が,これも伊砂利彦作のドビュッシー「前奏曲集第2巻」をイメージして作った「水の精」。隣の作品との取り合わせもちょうど良い感じでした。
池田晃将作「電光無量無辺大棗」。拡大すると玉虫色のような小さな数字が沢山見えました。
池田さんの作品は最近大人気ですね。
ルネ・ラリックの作品
こちらはルーシー・リーの作品。この独特な形とピンク色が特徴でしょうか。
休憩室の椅子です。金沢21世紀美術館にある人気の椅子の
「子供版」といった感じでしょうか。
最後の「水とともに」の展示室。水をイメージさせる動物などを描いた作品がいくつかありました。
この器には水を入れてみたくなりますね。
バーナード・リーチ作の大皿。こちらは実際に使ってみたくなります。

国立工芸館は開館時にコロナ禍の影響を大きく受けたのですが,ちょうど開館3年ですね。すっかりこの場所に馴染んだ感じです。それを記念してか,色々と面白そうなミュージアムグッズも増えてきたのですが…このところ色々と買いすぎているので,もうしばらく様子見です。10月にはいよいよ,石川県立美術館と共同で実施する「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」が行われます。どういうお宝を観られるのか楽しみにしています。

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