見出し画像

北國新聞創刊130年記念東京富士美術館所蔵 東西近代名品展(2023年8月12日)

8月に入ってからは,連日35度越えということで,夏休み2日目の本日も午後から「避暑」へ。本日は石川県立美術館に出かけて来ました。お目当ては東京富士美術館所蔵 東西近代名品展。お客さんの数は,ちょうど良い感じの賑わいでした。

東京富士美術館は,1983年に東京八王子に設立された美術館で,今回はその中から19~20世紀の西洋絵画や日本画が59点展示されていました。前衛的な作品や抽象絵画は全くなく,どのジャンルについても,比較的穏やかな作風の風景画,人物画などが中心となっていました。

作品は,「文人画系」「琳派系」といった看板とともに,カテゴリーに分けて展示されていましたので,美術史の教科書を眺めているような趣きもありました。

最初の展示室は近代日本画。竹内栖鳳のシンプルな金地の上にバーンと描かれた,「獅子」が印象的でした。

次の展示室は,明治以降の小林清親,吉田博,川瀬巴水の版画がどれご素晴らしかったですね。吉田の作品はどれも帆船を描いた作品ばかり。柔らかい光を感じさせるトーンは,「穏やかな瀬戸内海」の気分に溢れていました。ただし…グッズを買おうと思ったのですが...一点もありませんでした。人気で売り切れてしまっていたのかもしれませんね。川瀬巴水の方は,9月に同じ石川県立美術館で単独の展覧会が行われるので,こちらも楽しみにしたいと思います。

写実主義の作品では,やはりクールベです。どの作品も凄い画家ですね。クールベ同様,自然の中を一瞬を切り取ったような作品では,ダヴィッド・ジェームスという人の「波」も良いなと思いました。リアルさの中に詩情が漂っていました。

3番目の展示室は,今回の展覧会の「目玉」といっても良い作品が並んでいました。展示室のいちばん奥に飾られていたのは,ルノワールの「赤い服の女」。ポスターのメインビジュアルになっている作品です。ルノワールの作品は,観る人の緊張感を思わず緩めてしまうような,裏表のない幸福感がある気がしますが,この作品はその典型だと思いました。

もう一つの主役は,モネの作品だったと思います。3点展示されていましたが,個人的には「ブールヴィルの断崖」という作品の,「自分の感じたままを描きましたよ」といった大胆かつ洗練された雰囲気が気に入りました。すっきりした空の色と様々な色が見え隠れする断崖の部分の色合いの対比が面白いなぁと思いました。その他,ブーダン,シスレー,ピサロといった作品には,「安定,安心の良さ」がありますね。

最後の方にあった,アンリ・ル・シダネルという人の「森の小憩,ジェルブロワ」という作品は,森の中に並んでいる,ピクニック用グッズが描かれているだけの作品でしたが,結構大きな作品で,そのまま絵の中に入ってしまいたくなる感じでした。時節柄,「涼しげな気分」に浸りたかったこともあり,妙に惹かれてしまいました。というわけで,今回は,この作品のクリア・ファイルを購入しました。

形状は,一般的なA4版ではなく,A5版程度で,3つ折りになっていました。カバンに入れるにはちょうど良さそうです。

その後は,石川県立図書館に移動。

この感想をまとめています。というわけで,美術館→図書館は,絶好のクールシェアスポットですね。

美術館から外に出たところ。緑も空もとても美しいのですが…本日も暑い1日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?