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皇居三の丸尚蔵館収蔵品展:皇室と石川―麗しき美の煌めき―(石川県立美術館&国立工芸館,2023年10月27日)

本日は休暇。午後から天候が悪くなりそうな予報だったので,午前中のうちに皇居三の丸尚蔵館収蔵品展:皇室と石川―麗しき美の煌めき―石川県立美術館国立工芸館で観てきました。その後,金沢21世紀美術館の方もさっと観てきたので,3つの美術館をハシゴしたことになります。

この皇居三の丸尚蔵館収蔵品展の方は,いしかわ百万石文化祭2023のメイン中のメインの企画と言っても良いもので,皇居の尚蔵館で所蔵している,次のような作品をずらっと並べたものです。(1)旧加賀藩主の前田家から皇室への献上品,(2)石川県出身の帝室技芸員や人間国宝の作品,(3)石川県にゆかりはないけれども,皇室で所蔵している選りすぐりの名品。

展覧会を石川県立美術館と国立工芸館に分けて展示する,共同開催である点も初めての試みです。この2つの館は隣り合っているので,こういった「ハシゴ企画」はこれからも出てくるのではないかと思いました。

まず最初に行ったのは,国立工芸館の方でした(この館の裏の駐輪場に自転車を留めたからというだけの理由です)。

一気に紅葉も進み,10月末のムードに

国立工芸館は第2会場となっていましたが,特に観る順番はどちらからでも問題はありませんでした。国立工芸館の方で展示していたのは,全5章中の「第4章(1) 皇室に伝わった石川の工芸:明治・大正編」「第4章(2)同 昭和・平成編」「第5章 皇室を彩る華麗なる工芸」のパートでした。

こちらの館の展示だけでも大変見応えがありました。全体的な印象として,まず,どれも高級感があり,古びていないなぁと思いました。これは材質の良さと保存体制がしっかりとしていることによるのだと思います。色合いやデザインについても,シンプルですっきりとした感じのものが多く,それが飽きの来ない品の良さにつながっていると思いました。そして,これら全体が相まって,何ともいえない重厚さが漂っていました。良い物を見せていただきありがとうございます,と言いたくなるような展示でした。

その中で特に気になったのは,実用品的な工芸品です。朱肉を入れる陶器の入れ物とか裁縫箱とか文房具入れとか…本当に使っていたのかどうかは不明ですが,少し親近感がわきました。

展示品の中で印象に残ったのは,次のような作品でした。

  • 由木尾雪雄(「ゆきお・ゆきお」と読む?)作「鶏置物」 リアルに作られた金色のつがいの鶏の迫力に加え,アクセント的にヒヨコまで居たのが楽しかったですね。

  • 海野勝珉作「太平楽置物」金属で出来た武士?の人形なのですが,非常に精緻で重厚さがあり,不思議な迫力がありました。

  • 三谷吾一作「飛鶴沈金額」複数の鶴が飛んでいる様子がデザインされた漆の作品。石川県出身の三谷さんの作品からは,デザインのスマートさと黒色と金色の対比の美しさを感じます。

その他,前大峰,大場松魚,木村雨山といった,石川県立美術館の展示でもお馴染みの石川県出身者の作品も展示されていましたが,特に選りすぐりの作品が収められているのではと思いました。

いつもは外が見える窓も今回の展示では閉めていました。
国立工芸館の前では別のイベントの展示を行っていました

国立工芸館を出て,引き続きお隣の石川県立美術館へ。

石川県立美術館の入口。こちらが第1会場です。

この日から恒例の日本伝統工芸展もスタート。平日の午前中でしたが,大賑わいでした。
ミュージアムショップ
私は全く詳しくないのですが…相変わらず刀剣が人気のようです

県立美術館の方の展示は,「第1章 皇室と加賀前田家」「第2章 皇室の至芸」「第3章 皇室に伝わった石川の美術」の3室から構成されていました。こちらは,皇室で所蔵している「お宝」が結集している感じで,出品目録に書かれた国宝マークは7個でした(金沢本万葉集は2行になっていました)。

注目はやはり,ポスターのメインビジュアルになっている,伊藤若冲作「動植綵絵」。シリーズ作品のうち,この日は「群鶏図」「薔薇小禽図」の2点(多分)が展示されていました。精緻な作風も印象的ですが,鶏のとさかの赤色が非常に印象的で,絵が引き締まって見えました。

高村光雲と山崎朝雲の合作による「萬歳楽置物」も良いなと思いました。おめでたい舞(多分)をしている人形(高村光雲作)とその台(山崎朝雲作)の2つが並んでいましたが,可愛らしさの中に何とも言えない重厚さがあるのが皇室所蔵作品らしいところなのかもと思いました。

その後,天気の良さに釣られて,広坂を降りて金沢21世紀美術館方面へ。兼六園入口では雪吊りの準備を始めていました。

21美の窓口の上方には,いつの間にか金沢の風景をアーティスティックに投影したスクリーンが設置されていました。行列で待っている間に観てもらう趣向でしょうか。この日も賑わっていました。

前にも一度観ているのですが,「コレクション展1 それは知っている:形が精神になるとき」をさっと観てきました。こちらは撮影OKでした。展覧会の内容の雰囲気を伝えるためにいくつかご紹介しましょう。

このかん
泣き笑いの世界ですね

好天だったので,「タレルの部屋」へ。小さくてよく見えませんが…飛行機が通過していきました。

21美の後は,特に用事もなかったのですが,香林坊大和へ。吹き抜けの部分で傘のアートの展示を行っていました。

いしかわ四高記念公園は,金沢マラソンの準備が進んでいました。

四高の建物を生かした土産物店ができたというニュースが少し前にあったので行ってみました。右側の小さな建物が土産物店。

正面に行ってみると…NHK金沢が取材中。残念ながら本日は入れず。

アメリカ楓通りにも金沢マラソンの黄色いテープが張られていました。紅葉は今からでしょうか?

その後帰宅。本日のお土産は,石川県立美術館で買った展覧会グッズ。今回は,線香にしてみました。コロナ禍後,毎日線香を上げるのが日課になったので,これからしばらくは白檀の香りに包まれることになります。

開けてみると…結構な量。1300円ぐらいしたのですが,会場に書かれていたとおり,お買い得商品だったのかもしれません。

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