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【曲目解説】フランク/前奏曲,フーガと変奏曲 ロ短調, op.18 Franck:Prelude, choral et variations, op.18

1860~62年に書かれた「大オルガンのための6つの作品」の中の第3曲。表題どおり3つの部分から成る作品ですが「変奏曲」の部分は,前奏曲を変奏した形ですので,フーガを中間に挟んだ,A-B-A'の三部形式といえます。各部分は次のとおりです。ビゼーがこの曲を聞いて,フランクを絶賛したというエピソードが残されています。

  • 前奏曲:アンダンティーノ・カンタービレ,8/9拍子。オーボエ管による牧歌的なメロディは,フランクが書いた最も美しいものの一つです。一度聞くと忘れられなくない魅力を持っています。この部分自体もA-B-A'の三部形式で書かれています。

  • フーガ:9小節の序奏に続き,アレグロ・マ・ノン・トロッポ,3/4拍子,4声で書かれたフーガになります。ほとんど転調はしません。

  • 変奏曲:アンダンティーノ,8/9拍子。前奏曲の再現。最後はロ長調に変わり,静かに終わります。

この作品は,作曲家サン=サーンスに献呈されています。また,フランク自身による小オルガン及びピアノ用の編曲版もあります。

(カバー写真CD紹介)
若林顕プレイズフランク&フォーレ(ナミ・レコード WWCC-7376)
(サイン :2005/04/29 OEK第181回定期公演 石川県立音楽堂コンサートホール)

(参考資料)
器楽曲.下(ON BOOKS SPECIAL名曲ガイド・シリーズ;12).音楽之友社,1984
セザール・フランクオルガン名曲集(オルガン:マリー=クレール・アラン,エラート録音 WPCC-5036)の深井李々子氏による解説

執筆:2022年2月19日,2024年3月2日追加)

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