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UNISON SQUARE GARDEN tour2023 Ninth Peel
(セットリストに触れています)
UNISON SQURE GARDENのライブツアー「Ninth Peel」に行った。
今回のツアーは最新アルバムの「Ninth Peel」をひっさげたものではあるが、アルバムから全曲やるわけではなく、解釈が合っていれば4〜6月のツアー(今やってるやつ)と11〜12月のツアーで合わせたら全曲やるよ、みたいなスタンスになっている。詳しくはホームページで某氏がブログに色々書いてるので調べて見てみてほしい。
この"1回のツアーで新曲全曲やらんよ"というのもひとつのポイントではあるけど、もうひとつ個人的にほ〜と思ったのは声出しとマスクについて。
今回のツアーは「声出しはOKだけどマスク着用必須」というルール下での開催となった。声出し解禁以降他のバンドのライブにまだあまり足を運んでいないからなんとなくしか把握していないが、大抵のバンドは声出し解禁とともにマスクの着用も自由としている印象を受ける。任意になったとはいえウイルスが消えた訳では無い。私としてはまだマスクをしていない人が多数いる空間には極力行きたくない気持ちがあるので、着用必須はライブに行くことに対してかなり安心材料になった。せっかく楽しくライブに行った後に病に苦しみたくないし。
宮城公演はわりとツアーの中で終盤に配置されることが多いけど、今回は終盤どころか追加公演を除けば最終日だった。おまけに私が常駐しているTwitterにはおすすめなんていう困った機能が付いてしまって、絶対にセットリストを事前に知りたくない私からすればヒエ〜という感じだった。
その割にはふつうに過ごしてネットを見ていてもセットリストを1曲も知ることなく無事に当日を迎えることができてほっとした。ライブをみた今本当にセットリスト知らなくてよかった〜……と思う。
ここからセトリの話する。いつもの如く抜粋して印象深い曲だけ詳しく書く。曲にフォーカスしてライブを楽しんでいるので照明とか演出をあんまり覚えておらず、曲の話ばっかりになるけど自分のメモ程度の気持ちで書いてるので許されたい。
書いていたら抜粋とは?くらいの文量になった上に、本当にライブの様子に触れずに曲の話だけしてるので飛ばし見して総括だけ見るのもありです。
セトリ抜粋感想
1.夢が覚めたら(at that river)
去年の春に開催した対バンツアー、funtime HOLIDAY8にて初めてライブで披露された曲。初披露がこのタイミングなんだ!と思うと同時にもうしばらくはライブでやらないんだろうな~と勝手に思っていたので、あまりにも予想外の一曲目だった。この曲が収録されているアルバムであり私が初めて手に取ってかれこれ7年ほど聴き続けているアルバム「MODE MOOD MODE」の中でも、普段バラード系をあまり好んで聴かない性分が故に極端に聴いた回数が少ないが、ライブで聴くバラードは会場の響きと音響、照明も相まって突然好きな曲上位に躍り出る可能性を秘めている。というか表題曲でもなければ去年初めてライブで披露した曲を一曲目に持ってくるあたりが超いいな~と思った。
セットリストを知らずにライブに行く醍醐味はこういうところにあるんだよな~としみじみ思う。
3.ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ
最新アルバムからセトリ入り一曲目。イントロのギターが鳴った瞬間会場の熱が一段階上がる感じが最高に良かった。この日が初日というファンが多かったからなのか理由はさておき、ツアー終盤になってもセトリ慣れ感が出ないというか、会場全体がずっと良い熱量で満たされているのは本当にすごいと思う。
こんなんじゃ青春が終わっちゃう!死にたくなってしまう
だけどどうせいつか終わるから
毎日をちゃんと諦めないでくれ
Baby now! Baby now!
正直な話、ライブの2週間前くらいから突然メンタルが底に落ちて正常な食事も睡眠もまともにできていなかった。原因はなんとなく察していたけど、原因が分かるからってどうこうできるわけでもなくただ漠然と死にたいなーという思いを抱きながら適当に生活していた。
大事な人を失った手前死にたいと思ってしまうことへの罪悪感と、どこにも吐き出せない現状を打破するような力もなく(そりゃ食事睡眠ちゃんとしてなかったら気力なんて湧くはずない)なんとかしてくれ~と半ば縋る思いでライブに向かったわけだが、この一曲であっさり回収されてしまうとは。何回も聴いてたはずなのになんでこんな重要な歌詞に気付けなかったんだろうと思うほどスッと耳に届いた。
落ちサビに「死にたくなってしまう」という私の中ではタブー視してきた強烈な単語を持ってきたうえでそれを否定することなく、「どうせいつか終わるから 毎日をちゃんと諦めないでくれ」と諭すように続く歌詞に、引くほど重い希死念慮から脱させてくれるユニゾンの音楽の大きな生命力みたいなものを感じた。
6.静謐甘美秋暮抒情
アルバム「MODE MOOD MODE」収録曲。先ほども書いたようにこのアルバムは私にとってかなり思い入れのあるもので、中でも静謐甘美秋暮抒情は表題曲の「君の瞳に恋してない」と同じくらい聴き込んでいる。曲が先かアルバム名が先かは公言されていたかどうかもわすれちゃったけど、歌詞に「モードなムード」と入っているように、私の中ではMODE MOOD MODEというアルバムを象徴する曲になっている。
なんといっても抜粋もできないくらいに歌詞の一つ一つと音楽のすべてが良い。もう聴いてもらった方が絶対早いと思う。なんか最近Apple Musicの共有リンクの調子が悪いのでyoutubeを貼ってみる。
信号の点滅、雨、その他諸々日常の些細なことでちょっとずつすり減っていく精神とか、一人でグダグダ考え込んでどうしようもなくなる状況に対しての言葉の解像度が鮮明な歌詞と、合わせてイントロからAメロにかけて単調なリズムが続き、そこからBメロを経てサビに入る瞬間が好きだ。暗いところから急に明るいところに出たときみたいな、目の前がチカチカする眩しさに似ている。なんとなくこの曲のイメージは秋の雨の日だったけど結局好きな曲なんて春夏秋冬晴雨曇り関係なくいつやっても最高。記憶が定かではないけど、確か植物みたいな柄のスポットライトが点いていて幻想的だった記憶がある。
8.シューゲイザースピーカー
全くの予想外。アルバム「Catcher In The Spy」から唯一のセトリ入り。天国と地獄あたりがセトリ入りするかなーと踏んでいたけどこの選曲は新アルバムに激しめ殺傷能力高めの曲が多い故なのか。なんとなく曲をイメージ分けしたときにシューゲイザースピーカーと同じフォルダに入りそうなのはセンチメンタルピリオドとかカウンターアイデンティティとか。ギターが鋭くギャンギャンに鳴っている高揚ソング。
イントロと間奏のギターがただただかっこいい。聴いただけで全面降伏。それに乗る斎藤さんの歌い方が絶妙なバランスなのがまた良い。優しくもあり、強い意志も感じるような歌声に羨ましささえ覚える。
どんなヒットソングでも 救えない命があること
いい加減気付いてよ ねえ
だから音楽は今日も息をするのだろう
この日の私は本当にもう終わりのような感情を引きずりまくったままライブにのぞんでしまっているので隙あらば回想シーンに突入みたいな状況だったけど、それを抜きにしてもこの歌詞はずっと自分の中で大事にしている。
時々なんで自分が音楽をこんなに好きなのか、と疑問に思うことがある。私が関わる人の中には普段音楽を聴かない、もしくは熱心に好いている音楽がないというような人もたくさんいるわけで。その中でなんで私はここまで音楽に固執して、バンドの活動を懸命に追いかけているのかと。
そんなの救われてるからだ。出会った時から何度も救われていて、信じているから。それがただ単に音楽だったというだけの話。どんなヒットソングでも救えない命も、知られることの少ないたった一曲のカップリングやアルバム曲に救われることもあるということを知ってしまったから、音楽を信じざるを得ない。
9.アンチ・トレンディ・クラブ
めちゃめちゃに激重感情になったあとに突然テンション最高超絶元気になってしまった!前曲で書いた天国と地獄と同フォルダという認識の曲がこれ。イントロから楽しくて仕方がない。発売されてすぐに聴いたときは何ヶ所かシンガロングできるような箇所があるけどライブでどうなのかな~なんて思っていたが、そんなの忘れて腕を振り上げて拳を突き上げてたら曲が終わってた。
10.MIDNIGHT JUNGLE
9曲目10曲目の流れがあまりにも良かったので続けて書いてしまっている。イントロでの会場の沸き具合がどの曲よりもすごかった印象。
ユニゾンは特にライブの流儀というかこの曲の合いの手はこれ!というようなものも決まっているわけではなく、いい意味で自分勝手に楽しんだらいいよというスタンスではあるが、なんとなくこの曲はここで叫びたい!という曲はある。その一つがこれ。
声を出すのが久しぶりすぎて今までどのタイミングで声出してたのか忘れた。Bメロの「もったいない」のところで観客の声が映えるようになのか、コーラスのマイク音量が絞られてた気がする。それも相まって「私声出せてるんだ!うわー!」感が高まって気持ちよかった。
12.Numbness like a ginger
最新アルバムの中でもかなり刺さった曲。この曲はアルバム発売よりも前に、ブルーロックの第二期エンディング曲としてMVとともに解禁されている。初めて聴いたときはゆったりとした揺れるような曲調が新鮮で、こんな曲も作るんだ~面白いなという印象があった。
命はある
それっぽっちのことでも おみやげになるから
MVが公開されてすぐに見ていた時、それまで普通に楽しく聴いていたのに、聴いた瞬間ぼろぼろと泣き出してしまった。別に悲しいことがあったわけじゃない、生きているというそれだけのことを肯定されたことでこんなにも安心するんだなあと泣きながら異常なくらい冷静になっていた。ライブで聴いたときは泣きはしなかったものの、自分のお守りとして大事にしていきたいと思っていたこの曲を聴くことが出来て本当にうれしかった。
13.お人好しカメレオン
しんと静まり返ったホールに響く斎藤さんの歌声に思わず息を呑む。ナムネスからのお人好しカメレオン。「命はある」から「君だけのために君はいるんだよ」という心強い歌詞が入る曲の流れに感動のあまり鳥肌が立った。
プログラム15thで演奏されたこの曲の印象が強くて、バンドにとっても特別な曲だからここぞというときにやるんだろうなと思っていたところでのセトリ入りだったから、特別感はあれどどの曲も平等に入れたいとこに入れていくぜのスタンスが垣間見えた。
冒頭同様に、最後の歌詞「名前なんかないよ何にも だから君が今付けたらいいんだよ」の余韻がすっと会場に残ってゆっくり溶けていく感じが素敵だった。
14.スペースシャトル・ララバイ
しっとりと終わった前曲のあとに斎藤さんのカウントダウンから爽快に駆け抜けるように始まったこの曲にも、どことなくナムネスとお人好しカメレオンに通ずるものを感じる。
このあたりで気付くけど、ユニゾンの楽曲にはとにかく「生きる」ことをまっすぐに肯定する曲が多い。特段今回のセットリストにはそういう類の歌詞を含む曲が多く入っている気がする。新曲から旧曲まで、ここまで一貫して自分らしく生きることを歌い続けるバンドであることが、長く好きでいられている理由の一つである。人間賛歌かと言われれば厳密には違う気はするけれど、曲の芯の部分にはいつも「自分のやりたいように」と「生きる」のどちらか(もしくは両方)が存在しているように思う。
どうしようもなく どうしようもなく
息をしたくなって
どうしようもなく どうしようもなく
生きてみたくなった
この歌詞の「どうしようもなく」の高音が綺麗に突き抜けるように鳴っていてとても良かった。(貧相な語彙)
18.恋する惑星
このライブでの主役はわたしだ!と言わんばかりの本編ラスト曲。なんや上から猫ちゃんとか数字の19とかいろんなモチーフのライトが降りてきて多幸感が溢れる。
曲中ずっと幸せで楽しくて嬉しくて、ふわふわした気持ちだった。別曲で例えるのは如何なものかと思うが、君の瞳に恋してないを初めてライブで聴いた時のワクワクと似ていた。
EN2.kaleido proud fiesta
昨年世に出たばかりのこの曲がアンコールラストを担うのか!という驚き。ツアー「kaleido proud fiesta」では終盤にオリオンをなぞるに続いて披露されるという激アツ展開を見せ、続く「fiesta in chaos」では序盤3曲目で会場の熱を一気に上げる役割を担ってきた(と、私は勝手に思ってる)。そしてついに今ツアーで締めを飾ることになろうとは、お前も立派になったなあ…と何故か生みの親ムーブをかましてしまいそうになる。
ユニゾンの鳴らす希望の音はどこまでも眩しくて心強い。
総括
やはりどう考えても抜粋しきれていない。今回のツアーセトリは刺さる曲が多すぎて、読む人のことを何も考えずに細かく拾って書いていたらこんなことになってしまった。勿論泣く泣く書かなかった曲たちも一つ一つ思い入れがあって、つくづく私は田淵氏の書く詞曲とユニゾンの鳴らす音楽がとても好きなんだなあと感じるようなツアーだった。曲に圧倒されて曲以外のあれこれまで覚えていられなかったのは悔しいかも。まあそれだけ楽しんだという事で。
「生きる」という激重テーマを抱えたままライブに赴いた厄介ファンが勝手にいろんな曲に救われて勝手に自分の中で答えを見つけて立ちなおったよ、というお話でした。生きてりゃバンドが続く限りはライブに行けて、好きな曲聴けて、またライブ行こ〜となる。それくらい能天気でいっか〜。早く次ツアー行きたい。
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