祝え、君ら僕らの記念日だ
2024年7月24日 UNISON SQUARE GARDEN結成20周年。
7年前に同じクラスの人との話題作りで聴き始めたバンドをここまで追いかけ続けることになるとはね。
改めて、おめでとう。この7年間の私の喜怒哀楽の傍には必ずユニゾンの音楽があった。
直接お祝いするために、武道館に駆けつけた。社会人になって初めて使う有給はここにしようって決めていた。
武道館、バンドマンの憧れの舞台であり、それと同じようにバンドファンの憧れの地でもある。自分の好きなバンドが武道館に再び立つ日を夢見て今日まで生きてきた。
写真や映像で何度も見たあの独特なフォルムの建物に"UNISON SQUARE GARDEN"の文字が飾られているのは夢のようで、暑さも相まってフワフワとした感じだった。
会場にいる誰もが楽しそうで、フラワースタンドもたくさん届いていて、会場は今日限りのお祝いムードでいっぱいだった。別に自分が祝われているわけじゃないのに、なんだか照れるような、とても嬉しい気持ちになる。
会場に入る。これもまた写真や映像で見た大きな日の丸旗を取り囲むように、ぐるっと360度のスタンド席。私の席は北側で、メンバーのちょうど真後ろ。こんな経験二度とないかもしれない。3人の見る景色を同じ視点から見られるのがこんな大事な記念日なの、図ったとしか思えない感慨深さだ。
暗転してSEが流れ、メンバーがゆっくりと入場する。貴雄さんのジャケットの背面にはユニゾンのロゴと20thの文字。細かいところまで楽しませようという心意気を感じて胸が熱くなる。
3人が入場し終わり、イズミカワソラさんの「絵の具」が流れ続ける。SEでこの曲が流れるのも初めの頃はびっくりしたけど、今はこれがあってこそのユニゾンのライブという感じだ。
「1人きりじゃ行けないトコへ 行こう」「1人きりじゃ行けないトコへ 2人で行こう」と最後まで曲が流れるのを、息を飲んで見守る。祝祭が始まるのを、今か今かと待つ。
予想だにしなかった一曲目で始まり、一気に熱が高まる。暗転時には客席からおめでとう、ありがとうと叫び声が飛び交い、大きな拍手が波のように何度も起きた。あの場にいた多くの人が幸せな気持ちでいっぱいだったことだろう。3人が向かい合って音を鳴らした時の表情が忘れられない。
お祝いのために、たくさんの曲をやってくれた。1曲1曲聴く度に思い出が蘇ってきて、あぁ私は本当にこのバンドの音楽と人生を歩んできたんだなと実感する。周りの大人に馬鹿にされた時の怒りと悲しみも、好きな人と会う前のソワソワした気持ちも、友達と遊んだ帰り道の寂しさも、何気ない日常の中のシーンが思わず笑ってしまうほど曲と強く結びついていた。
ユニゾンは普段のライブで滅多にMCをやらない。だけど今日は特別な日だからと、一人一人が話す時間があった。三者三様、斎藤さんも言っていたけれど、よくこの3人でバンドを続けてきたなと思うほど、3人の話は伝え方が全然違った。でも恐らく、伝えたいことは一緒だったんだろうと思う。20周年を迎えた今、3人がバンドに、自分自身に誇りを持って音楽をやっていることが何より眩しくて素敵な事だと思った。
ユニゾンに出会ったころ、なんて好き勝手で不安定で、でも誰よりも愉快なバンドなんだと思った。何年か経った今だからこそ分かる。好き勝手やってファンのことなんて気にしてないような素振りに見えて、ファンのことを何より大事に思ってくれていること。各々が抱える不安や葛藤がありながら、それでも3人で音楽を鳴らし続けてきてくれたこと。まっすぐと言葉にされた「ありがとう」の一言からたくさんの想いが伝わってきて、思わず泣いてしまった。コロナ禍の配信ライブで「春が来てぼくら」を聴いた時以来のボロ泣きだった。MC明けの曲がまさにそれだったのでさらに胸がいっぱいになった。「ちゃんとこの足が選んだ答だから、見守ってて」の最後の歌詞がどうしても自分に向けられたものに聴こえてしょうがなかった。
7月24日なんて本来ただの7月の中の1日であって、自分の誕生日でも、祝日でもなんでもない日。それがこんなにも嬉しくて、幸せで、最高の日になったのは紛れもなくUNISON SQUARE GARDENというロックバンドのおかげと、そんな素敵な3人に私が興味を持ってここまで見続けてきたおかげ。君らも、私も、20周年おめでとう。ありがとう。
ロックバンドがこの先も幸せならば、私も幸せだ!
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