進行性網膜萎縮症(PRA:Progressive Retinal Atrophy)とは
目の奥にある網膜という組織、この部分が進行性に変性し、視力が徐々に低下して失明にいたる遺伝性疾患の総称です。多くの犬種でみられ、犬種により発症時期などが異なります。トイプードルやミニュチュアダックスフンドなど人気犬種でも発症することが知られています。
どんな症状?
視覚障害を起こしているにもかかわらず眼の外観は正常であるため、見た目ではなかなか気付くことができません。病気が進行する前には、暗い所では物にぶつかったりしてしまうので、不安げな行動をとったり、暗闇で歩くのを嫌がるようになってしまいます。
その後、昼間での視覚も低下してきます。また、瞳孔の広がりが増し眼球に目立った輝きが現れ、白内障のような症状で水晶体は曇り不透明になっていく場合があります。トイプードルのPRAは遅発型のグループに入り、 2~7歳までに発症するのが大半ですが、10歳を過ぎてから発症する場合もあります。
また、PRAには6週齢~1歳齢くらいから始まる早期型もあります。
治療方法は?
現在この病気は治すことができず、最終的には完全に失明します。できるだけ病状を早期に発見し、まだ視覚の残っているうちに治療を始めることができれば、症状の悪化を遅らせる事ができるようです。
遺伝性の疾患?
PRA、は常染色体劣性遺伝で精子と卵子の常染色体のどちらにも異常な遺伝子がある場合、一対の染色体をつくったとき両方の遺伝子に欠陥があるときのみ発病します。
犬の遺伝的形質において最も一般的なタイプです。 遺伝性の疾患の為、子供に遺伝します。遺伝子検査際、
3つの結果がありノーマル、キャリア、アフェクテッドの3つの結果で表されます。
1.ノーマル:遺伝子病の原因遺伝子を持っていない子でPRA発症の危険性は生涯ありません。
2.キャリア:遺伝子病の原因遺伝子を1つ持っている子でPRA発症はしませんが、キャリア同士の交配で25%、アフェクテッドとの交配では50%の確率でアフェクテッドが産まれてきます。
3.アフェクテッド:遺伝子病の原因遺伝子を2つもっており、発症する可能性が高い子です。 またアフェクテッドは必ず発症するとは限りません。 アフェクテッドの発症する時期は個体差があり、一生発症しないで過ごす個体もいます。例えばキャリアであったとしてもノーマルの子との交配を考える事でその子はアフェクテッドにはなりません。
まとめ
PRAは近年ネットなどにより注目されている遺伝性の疾患ですが交配の際に遺伝子検査をすることで遺伝病のリスクを減らすことができます。PRAクリアという言葉を見かけますが、その子はPRA発症はしませんという意味です。動物たちは生き物ですのですべての病気、疾患などを取り除くことは難しいと思いますが少しでもリスクを減らしていければ動物たちとより良い日々が過ごせると思います。
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