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踊ったり、喋ったり、撮ったりする理由

7月も半ば。ますますやりたい事はやろうと、強く思う今日この頃ですが、色々な事が起こっている2020年。大変な思いをされている方々がいらっしゃる事は重々承知しております。そこから目を背けているわけではありません。
しかし、目を向けるだけでは次へ進む事にはならないので、なぜか心と身体に余裕のある私は、踊るし、喋るし、書くし、撮る。

高校生でダンススタジオに通い始める前にも、祖父母の前で歌ったり、踊ったり、トークショーをしたり、目隠しをして簡単な曲をピアノを弾いたり…とにかく観てほしかったんでしょう。
「あ、もしかしたら僕は面白いのかな」と思ったのは、孫が歌えば祖父母が喜び、孫が踊れば祖父母が驚き、孫が話せば祖父母が笑い、孫が目隠しでピアノを弾けば祖父母は立ち上がって拍手をしたので、しっかりと勘違いしたのだと思う。

この「勘違い」を育ててくれた家族には感謝しかなく、様々な状況を生んでいる「現在」においても、それはとても僕の背中を押している。

ダンスに明け暮れた日々も、家に訪れた母の友人をなんとか笑わせたくて、リビングに居座って話続けて母に叱られたあの日も、共働きの両親が家にいない時間にイッセー尾形さんや、古舘伊知郎さんや、チャップリンのビデオを永遠と見た小学校時代も、全て家族から与えられた時間であり、環境であった。
そんな時間が、僕を形成しているのは言うまでもなく。
そんな僕は今をどう過ごすかを考えて、動き続ける事にとても興味がある。

お陰様で、ここ10年程は踊りを踊る人として認識される事が増え、そこから頂く機会が僕の人生を楽しいものにいてくれていました。
踊りながら喋り出した時も、脚本を書いた時も、イベントの司会をした時も、いつも踊りながら〇〇をする人として、各方面の方が温かく迎えてくれている事は、言葉にしただけでも、温かくなり、そしてやはり環境に感謝しています。

なかなか舞台で踊る事や、ワークショップを行う事が難しくなった数ヶ月、僕はしばらく「踊りながら」をとめて過ごしてみる事にしたんです。というよりはごく自然にそうなったのですが。
そしたらやはり見える景色は違いました、それが正しいとか、嬉しいとか、悲しいとかの感情がそこにあるのではなく、シンプルに「違う」ただこれだけなんです。

少しずつレッスンや振付や、踊るお仕事が戻って来た今も、やはり違う景色は見えたまま、僕はその違いをやはり受け入れて、そしてワクワクやっています。

以前はよくお会いしていた人と会う機会が減ったり、新しい出会いがあったり、思い出した感覚があったりと、新旧入り乱れた状況で。生活も同じように、戻って来たもの、新しくやって来たものの中で過ごす事が求められる今。
僕は誰に何を届けたいのかを考えているようです。

以前の僕の活動の方が気持ちよく楽しめた方もいれば、最近おもしろいねーと思う方もいて。どちらも楽しんで下さる方もいる。

観て下さる方も、僕も、変化していきますから、これは当たり前の事ですが、一貫して届けたいと思っている事は「安心」なんです。
その時々で色々な安心が求められると思いますが、僕は僕なりの安心の提供しか出来ませんが、この僕が作る「安心」を求めて下さる方に色々な方法で届けよう。 
という事なんだと思います。

それを受け取ったあなたが、僕では安心を与えられなかった他の方に安心を届けてもらえたら、僕はしっかりと幸せです。

僕の周りにも沢山の素敵な作り手がいます、それを支えて下さっているスタッフの方々がいます、そしてその活動を支えているファンの方々がいます。

踊や、演劇や、音楽などはどんな事があってもなくならないものだと信じています。
しかしそれに携わる我々個々が、その時にどんな活動を出来ているかは不確かなものであると思っています。致し方なく違う道に進む人、新しいものを発見する人、立ち止まる人。どれが正しく、どれが悲しいわけでもなく。事実としてとらえ、それぞれが自分の人生を大切にしていかなければいけません。

ものを作り続ける事を選んだ人間だって、変化が必要です。

その人間を応援して下さる方にも、変化が必要なのかもしれません。
その人がクリエイトを続ける道をどうか見てあげ欲しいんです。
大好きな踊を踊っていた人が、絵を描き始めるかもしれない。
大好きな歌を歌っていた人が、小説を書くかもしれない。
大好きな役者さんが、家具を作り出すかもしれない。

それらに必ずお金を払って下さいという事ではなく、出会った頃と違う表現を始めたからこそ、見えてくるその人の根源のようなものを楽しんでみてください。

踊る人間が踊らない時間を使って、自分に可能性のある給付金を必死に探して、資料をそろえる毎日を送るのは、少し前を向きずらいじゃなですか。

歌うたいを支えて下さっているスタッフの方々も、粘り強く創作を続けるアーティストがいることで顔を上げる事ができるんだと思います。

もちろんお金は必要ですが、まずは創る喜びと、支える喜びと、観る喜び、聴く喜び、感じる喜びが出会う事が大切なんですね。
だからデータだろうと、映像だろうと、ライブであろうと、
出会いの場を生み続けていきたい、生み続けてさせてください。
 
豊かな出会いは、人生を豊かにすると信じています。

豊かさは守るものではなく、創り続けるものなんでしょう。

僕は、踊ったって、喋ったって、書いたって、撮ったって、創り続けます。

沢山の豊かな出会いが皆様に待っていますよう願います。

ダンス劇作家
熊谷拓明

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「舐める、床。」
2020年12月10日〜13日@あうるすぽっと
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