Gymnopédies / Erik Satie

私はこうやって誰も読まない文章を書いている。

また、自分しか読まない文章も記録している。

忘れたくない出来事、忘れたくない感情。
そういうものを書き留めてある。

生きた証、というのとも少し違う。

誰かに見せるものではない。

私が死んだら一緒になくなる。

浅井健一は、
「誰でも、神様にしか言えないことがある」と言っていた。

そうだ。

神様にしか言えないことは、口にしてはいけない。

口にすれば、禍々しいことが起きる。悲しい事件が起きる。

私はかくも美しく、グロテスクで、高潔で、醜悪なものたちを、ひとつひとつ並べ、見つめ、慰め、励まし、その怒りを鎮めている。

エリック・サティは自分だけの宗教を作ったという。

こんな気持ちだったのだろうか。

眼鏡を外してぼやける視界が優しい。

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