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過去


人は過去に生きる生き物だと思う。

何かを判断するとき、
何かを予想するとき、

僕らは『過去の経験』から情報を集めるからだ。

「土星で生活をするならどんな生活がしたい?」

なんて聞かれても僕らは土星がどんな環境なのかを知らない。だから予想することすらできない。

でも、
「この人の性格の特徴は何でしょう?」
と知らない人のことを聞かれたとき、

僕らは『過去の経験』からその人の性格を予想することができる。

表情、しぐさ、服装などから『過去の情報』と照らし合わせて『知らないその人の中身』を予想する。

ただそれは、あくまで自分の『過去』にある情報だけでしかなく、
その『過去の経験や知識』の量によって予想の精度は大きく変わる。






毎日毎日が常に新しく、未知の世界だということを僕らはどれだけ意識しているだろうか。

この未知の日々を自分らしく、自分の理想や自分の幸せへと近づけていくには、

『過去』が必要になる。 

自分がどれだけ『深みのある過去』を過ごしたか。
自分とどれだけ『向き合った過去』があるか。
自分はどれだけ『真剣に学んだ過去』があるか。

その過去からでしか、僕らは未知を自分のものにはできない。

もちろん、未知は未知らしく流れるように生きてみるのも一つだと思う。
わからない日々を、無理にわかろうとする必要もないからだ。


ただ、もしも少しでも自分の理想に近づきたいのであれば。

『過去』を意識していく必要がある。




ある人は1つの失敗を「仕方がない」と言う。

ある人はその失敗を「防げたミスだ」と言う。


この差は過去にある。

1つの失敗に対して、真剣に反省をしたかどうか。



同じ壁を目の前にしたとき、その受け取り方は人それぞれ差が出てくるが、それは単なる選択肢の違いではない。



その人たちが歩んできた『過去』の違いだと思う。



それを時に『能力』と呼び、または『人間性』と呼び、簡単に『性格』と呼ばれたりもする。



未来にあった1秒は、今現在の1秒へとかわり、過去の1秒へと蓄積されていく。


今この瞬間から、どれだけの学びを得ただろう。

今日のスケジュールの中で、
どれだけ挑戦し、どんな経験をしただろう。

一日を終えるとき、この一日はどれだけ価値のある過去になっていくだろう。


どれだけ深く自分と向き合い、
どれだけ本気で挑戦し、
どれだけ真剣に反省し、
どれだけたくさんの学びを得ただろう。

どれだけ自分の力を振り絞り、
どれだけ大きな目標を掲げ、
どれだけ力強い1歩を進み、

どれだけ人を想い、人を愛し、

どれだけの笑顔と涙を人に与え、得ただろう。





人は老いる。

人は過去へと変わる。

いざ自分の未来がなくなり、
全てが過去にだけ残されると知ったとき、

その過去に胸を張れるだろうか。

後悔はないだろうか。



恐れるべきは未来ではなく、過去だ。



どんな未来になるかを不安に思うのではなく、


どんな過去になるかに不安を抱くべきだ。



鏡を見ろ。


今のあなたはどんどんと老いていく。
過去へと吸い込まれていく。

どんな毎日を過去へと渡しているのだろう。


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