子猫が天井から落ちてきた

実家の天井裏から子猫の声

去年の7月の終わり、台所の天井から、生まれてまもない子猫の声が聞こえてきた。実家の古い家は、外から出入りできる穴があるらしく、昔から時々猫が入り込んでは子猫を産む。そのうち声が聞こえなくなるので、引っ越しているのだろうなと思い、あまり気にしていなかった。

足元から子猫の声

子猫の声が聞こえ始めてから数日たったある日の夜、風呂に入ろうとしたら、子猫の声が脱衣所の天井から聞こえてきた。「今日はこの辺りにいるのだな」と思って風呂に入った。そして風呂から出てきたら、その声が足元から聞こえていた。天井から壁の隙間に落ちたようだった。

救出

天井にいる間は親猫がどうにかするだろうが、壁の隙間に落ちてしまっては、親猫もどうしようもないだろう。「さて、どうする?」と考え、この際、父親を巻き込んだ方がよいだろうと思い、父のところにいき「壁の隙間に子猫が落ちたようだ」と伝えた。父が早速見に(聞きに)行ったら、やはり足元から子猫の鳴き声。「どうしようか?」というので、「壁破って出すかな?」と言ったら、早速電気ノコギリを持ってきた。父は行動は早いのだけど、熟慮することがないので、壁を電ノコで切断するのに安全なラインを見極め、「ここより上で切って」と伝えたら早速やってくれた(さすがの“考え無し“!)。壁に切れ目を入れてバリッとはがし、声のする方に父が手を突っ込んで、ネズミのように小さい、目が開いたばかりのような子猫を引っ張り出した。

親猫に返せるか?

まだまだ幼い子猫で、人間が育てるよりは親猫が面倒見る方がいいだろうと、なんとか親に返せないかと、裏のドアを網戸にしてその手前に子猫を置いて、親猫が通りかからないかと一晩ねばった(妹が)。もちろん真夏とはいえ子猫の体温がさがらないように、ペットボトルにお湯を入れてタオルでカバーしたものをそばにおいてやって。何頭かの猫はとおりすぎたが、関心を示すものはなかった。

名前は「カブ」

そうなれば飼うしかない。しかし両親は犬は好きだが、猫にはあまり関心がない。近所に猫の餌やりさんがいて問題視されているので、むしろ猫は嫌いな方だ。だが父を“共犯者“にしたのが良かった。自分が救い出した手前、父にとっては他人事ではなくなった。壁から救い出したので、名前は「カブ」とした。茶トラのオス。そこからは数時間おきのミルクに、排泄の世話、睡眠不足の夏が始まった。


ミルクを飲んでおなかパンパンのカブ

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