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10時のマリア

ミシガンの近くに泥のような男
泥のような家に住み

この泥のような国 でも けして 狭くはない
全て 有り余っていて
マリアのこと 想像するだけ 信仰心も
フロスティングに乗り
食べるまで
泥のように物理を無視して
立っているように 鼻を上に上げているだけ
遠くの丘のゆりが匂うよ
遠くの黒い丘のゆりだけが

ベルの音は聞こえない
ずっと聞こえない

ハエ叩き 電通した ジリジリだけで
形を保てず、ゴリラグルーで繋げておいた
  直したことにはならないよ
一度壊したら

月は、銀色の魚の目だった
            ぶつからなくてもよかったのに
引き金を引いた
それで

何か、生まれたみたい