メモ_ドリームマシンをつくる
学生のころ
"ドリームマシン" という機械をつくった。
シラフで幻覚キメれるお得なマシーン。
ビニールシートで覆われた薄闇、
モーター(廃扇風機をバラしたやつ)に針金をつないで、
穴ボコだらけの円筒を吊って回転させる。
円筒内には発光する100均の白熱電球。
雑多なガラクタの集合体はすぐに大破した。
針金が絡みあって、ビニールシートごとぶっ倒れ、あとはほったらかし。
なにがドリームだよ、ガラクタからガラクタ作ってよ、いつもの日常じゃねえかよ。
悪態ついてゲラゲラ笑って、ゴミを蹴っ飛ばした。
で、いま、
また作ってみようかな、
なんて思ってる。
作り方わすれちゃったから、
またメモしながら作ってみる。
ドリームマシンってなに?
1950年ごろのアメリカ、
いま生きてたら100歳くらいの人たちが20代や30代だったころ、
"ビート・ジェネレーション"っていうのが流行った。らしい。
ヒッピーの前身みたいなもん、って紹介されたりもするけど、
運動やら名称よりも先に個人がいるもんだろ、って思ったりもするから細かい話はしない。
詳しくないし。
とりあえず、代表的なスターを抜き出す。
ケルアック。サイケでかっこいいキチガイ。
バロウズ。サイケでかわいそうなキチガイ。
ガイシン。サイケでキレてるキチガイ。
ギンズバーグ。かっこいいキチガイ。
みんなかっこいい。
人間は漏れなくみんなキチガイだから、かっこいいキチガイはかっこいいのだ。
で、ドリームマシンはガイシンが作った。
1961年。 45歳。
ドラッグ無しでサイケな幻覚を見れるって触れ込み。
僕はバロウズを経由してガイシンを知った。
バロウズのことは山形浩生の訳書で知った。
背表紙買いしたSFの古本たちに混ざっていた。
バロウズはおもろかった。
サイケっぷりを追ってみたくてペヨーテを齧ったりして、変なVHSも観た。
[ Towers Open Fire ]ってやつだった。(1963 バロウズ原案・脚本・主演)
ドリームマシンを囲んでバロウズとギンズバーグがわちゃわちゃやってた。
試したくなった。
だから、ドリームマシンってなんなの?
ドリームマシン、
実物の映像を観てみよう。
2010年 ニューヨーク、
ガイシン回顧展。
そこで展示されたドリームマシン体験者へのインタビュー映像。
(WNYCラジオ)
なんや、たのしそ〜やね〜❣️
エイズで死んだデレク・ジャーマンもバロウズの映画を撮ってる。
デレクは20歳の頃にバロウズとギンズバーグを読んだ。
「裸のランチ」は当時のロンドンでは発禁書だった。
[ The Dream Machine ] (1983) 35m
Directors Derek Jarman , Michael Kostiff , John Maybury
William S. Burroughs
最近、カナダでも、
ドリームマシンを題材にした映画があったらしい。
観れてないけど。
ゾンビ映画の監督もやってる人、だと思うけど。
FLKR
https://flickerflicker.com/
フリクリみたいなタイトルやね〜
こっちの映像も要チェケラだよ
Brion Gysin: Dream Machine
ドリームマシンの作り方
とりあえず自作していく。
回転数は78rpm 。
根拠は「人間の身体リズム」。
スピってる理屈だが、これで納得する人間は多い。
新興宗教のパンフにも似たようなことが書いてあった。
「拍動を自然のリズムと同期させるのだ」
だとさ。
で、ニューウェーブ周りはみんなスピってるからこれでもう十二分に理論的なわけ。
【 人間の拍動と同じリズムだから本能の深いとこまで訴えかけるのだ 】
なるほどね! わかっちまった!
エビデンス?
そんなもんいらんわな。
イルカの脳波と同期させれば地球意志とコネクトできる、そういうもんだから。
そういうもんなの!納得しろ!
つまりよー、こんなrpmはアテにしすぎんなってことよ。
方法論が世界観と癒着しているわけよ、つまり、呪術なわけね。
で、俺は呪術もすきだけど、肉体の個人差を重視したい。
となると、型紙の縮尺次第・体調次第でBPMはいじったほうがトランスしやすいはずや、っちゅーのがおれっちの言い分なわけよ、you know? bro.
てなわけで、
回転数は調整できるようにしておく。
ダイヤル式の可変抵抗を噛ませて、なんとなくrpmを測る。
こんなもん、だいたいでえ〜のよ。
これで、90rpm,70rpm,50rpmくらいの調整ができるようになった。
次は電球。
実はこのチョイスも割と大事。
なんでか?
電球ごとにちらつき具合に差があるからです。
白熱電球でもLEDでも蛍光灯でもフリッカー(ちらつき)は出るねん。
この機器自体、
意図的にフリッカーを生み出して錯覚を誘導する機序だと考えられる。
その前段での電球自身のフリッカーももちろん影響するだろう、
と、
これはわっちの勝手な私見。
エビデンス?
しらね〜〜〜
とにかくよ〜、
電球を何個かためしてよ〜、
イチバンキマるやつをえらべばいいってことだろうがよ〜〜〜
ダイソーでいくつか買ってきたよ。
ガイシンはフランスに滞在中にドリマつくってるからよ、
フランスの50Hzを正にするわね、
東日本で試すぜ
でよ、
当時の技術的にはフリッカーフリーの電球なんかねえはずだからよ、
やっぱ自分でブチギマるのを選ぶだけや、
おまえの肉体で決めろ、
スノッブ趣味もほどほどにしろ、
文献に頼るな、
肉の声を聴け
さいわいなことに、おれの手元には直流変換器があった。
むかし、自分の脳みそに電気ブチ込んでたときに買ったやつ。
俺は自分がだいすき!そしてだいきらい!だから電気でマシになりたかった。
その名残。
こいつで電球つければ擬似フリッカーフリーを再現できるわけ。
(家庭用の交流電気を直流に整流する機器、という意味です)
つぎに、肉体のコンディション管理。
コンディション管理?
しらね〜
酒とかブロン飲んでぐちゃぐちゃになるのもお前の自由だよ、なにもキメなくてもおれはいつもぐちゃぐちゃだよ、だからもっとぐちゃぐちゃにしてほしいんだよ
それで、
結局、
おれはうまく万華鏡を見れなかった。
いつもの吐き気がやっぱり背中をさすってくれた
それで万事OK、ぐるぐる回ってキチガイ明滅しているもの、それはいつもの現存在。
ドリームマシンなんかなくても十分に目の前の現実がイカれてるんだからよ、それでいいじゃんか
てめ〜もよ、サイケだかヒッピーだかニューウェーブだとかに夢見るのもいいけどよ、もう十分に自分がイカれちまってることに気づいた方がいいぜ、老婆心だ、ツバ吐いて踏みつけてくれ、おまえの肉と精神と過去と未来と現在が求めるものを感じろ、言葉にしなくていい、うわごと吐きながら泣きわめいて全身苦しみ抜いてのたうちまわろうな
おわり!満足してくたばれ!不満まみれのままくたばれ!好き勝手くたばれ!おまえなりにくたばれ!
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