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(20220731)地方自治のDX化


地方自治をDX、リアルと両輪で 届きにくい声反映:日本経済新聞

なかなか面白い記事だったので、取り上げてみた。
地域課題の解決策をオンラインで募り、
オンライン投票して投票数の多い解決策を採用する、といったものである。
それを聞いたときに、肯定的に捉えたか否定的に捉えたか、
どちらであっただろうか。
個人的には初めは否定的に捉えた。
事例として書かれていたが、
「若者の奨学金を地域で肩代わりする」といった解決策が採用されたとする。
奨学金返済の問題は社会として解決しなければならない課題であることは間違いないが、
構造的な部分も大きく、
地方自治レベルではなく国レベルで考えるべき課題のように思う。
もちろん地域で肩代わりできればそれに越したことはないのであろうが、
継続的な仕組みとならなければならないし、
特定の地域で実現できるのも望ましくない。
トータルで発想としては面白いのだが、
実現性に向けた課題は多くある気がした。
一方で、地方自治は誰のものか、という観点がある。
誰もが地域住民の者だ、ということは分かっているが、
地域全体にとってプラスな取り組みばかりが行われているかというと、
そうではない側面も見られる。
一つの要因は選挙である。
「当選しなければただの人」という言葉があるように、
立候補者は当選に向けていかに票集めをするかがポイントとなる。
逆算して考えると、投票日にきちんと投票に来てくれて、
かつ自身に投票してくれる層を大切にするのは言うまでもない。
そうすると、高齢者層に向けた施策が多くなり、
若者や中堅層に向けた施策が手薄になるというジレンマである。
若者や中堅層も選挙に行けばいいじゃないか、
という意見もあるが、
日本の人口は逆三角形型に限りなく近づいてきている。高齢者層のボリュームが大きい。
かといって、若者や中堅層に傾斜を付けて、一票の重みを変えることは難しい。
人の一票の重みを変えるのは、国の根幹に関わる部分である。
我々は自分たちの代弁者として議員を選んでいるわけで、
まずは議員に自らの思いを汲んでもらい、
実現に向けて粉骨砕身仕事をしていただく、
という「当たり前」に立ち返ってみてはどうか。
議会が機能することが前提として、
議会で議論しきれない課題も地方には多くある。
その切り分けを意識しながら、
地方自治に参画していく住民を増やしていこうとする必要がある。
そうした前提であれば、地域課題のオンライン投票に取り組む価値はある。
ただ、「どの道路の陥没から直すか」という課題があったときに、
特定エリアの住民参加が多かったときに、
自分たちのエリアに投票するのは当たり前である。
いろいろ考え出すと、なかなか難しいものだと思う。
そういった意味では「課題」を投票するのではなく、
「課題解決策」に投票する仕組みとなる必要があるであろう。

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