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ひそひそ昔話

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20歳前後までの忘れ去られた記憶を手繰り寄せて、話します。恥ずかしいので、ひそひそ喋るから耳を近づけて読んであげてください。
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#火事

ひそひそ昔話 -その7 火のないところに煙が立ったわけだが、最終的にポルノグラフィティで空気を入れ換えてもらった話-

もう時効だと信じるけど、5年前、水曜日、ポテチを無性に食べたくなってその夜。 薄くスライスされたジャガイモが、まな板の上で自分の運命を諦めたように黙っている。僕は、蚊取り線香のようにグルグルと巻かれた電熱コンロの上に、フッ素コーティングの剥がれかけている、大振りのフライパンを乗せた。オリーブオイルを1センチ弱浸し、電熱線に熱を加える。 昔父親がポテチを揚げて作っていたことをふと思い出したがために、自分でもジャガイモを揚げるに至ったわけだ。そしてまた、底の浅いフライパンでも揚