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無念と充実感

JP Voltes FCで迎える3シーズン目に向け
オフ期間中の約1か月は

「何かを変える」

必要があった。
自分のチームにおける立ち位置は決して
安泰ではない。

昨シーズンの個人での成績を見ると
ギリギリの契約延長と見ていいだろう。

オフ期間中を使い
身体を変えて行くことを決めた。
私は身長の割に線の細い選手で海外での
荒々しい球際やコンタクトに
苦しむ事が多かった。

身体を変えていく

ちょうどシーズンオフになる前に
高校時代のチームメイトに
パーソナルトレーニングを勧めてもらった。
彼は理学療法士として活動し、
私の身体の特徴や動きを理解していた。

そこから彼にパーソナルトレーニングを依頼し、
身体を見てもらうことにした。
彼のトレーニングには驚いた。

彼は私のフィジカルを強化していく上で、
筋トレや体幹といった本来の選手として身体を
作る基礎となる概念のトレーニングを一切しなかった。

果たしてこのトレーニングで自分の身体に
どのような変化がでるのか?
イメージが湧かなかった。

そして彼とは、

シーズンオフで基礎の作り方を学び
年間を通して基礎を固めるプランを作った。

そしてフィリピンに戻り
シーズンに向けての準備が始まった。

更に今シーズン
キャプテンに就任した。

悔いの残る形で過ごしてしまった
大学4年生時のキャプテン以来の就任。

「キャプテンをやって欲しい」

Jリーグや海外でのプロ選手を長く経験している
選手達も居る中で自分に話を持ち掛けて来てくれた時は素直に嬉しかった。

プロ選手になって初めてのキャプテン
不思議と不安プレッシャー
感じなかった。

大学時代での経験を活かし、
このチームが最大限の力を
発揮できるようピッチで全力を出そう。

シンプルかつ大胆な心持ちができた。

迎えたシーズン、
チームは序盤4連勝を含め好調をキープした。
チームのやってきた形を
チームが理解し試合に出せた事で
安定した試合が多かった。

更に個人としても試合での
身体の使い方、動かし方が変化した事で
対人での勝率、試合中の運動量が増え、
得点アシストという数字の面での結果も出始めた。

トップ下としてのポジションにも慣れ
動きや感覚を掴み出したことも
結果を残した要因だった。

だが中盤以降少しずつチームが不安定になり
格下や同等と思えるクラブに勝ち点を落とし、
順位が伸び悩んだ。

シーズン終盤になってもなかなか本来のチームの形は
取り戻せずリーグ戦では6位(8チーム中)という結果に終わった。

チームとして築いて来た形がより発揮できるかと
思われた今シーズンだったが、
序盤こそ調子が良好だったチーム。
だが中盤から終盤にかけては対戦相手チームからも
警戒、リスペクトを受ける試合も目立ち、
試合を落としてしまった。

キャプテンとして臨んだ3シーズン目。
チームとして欲しかった結果は残せなかった。

ただ普段の練習からきちんと自覚責任を持ち
キャプテンという立場を1年間やり切った。
そこに関しては大学時代から大きく成長しただろう。

そしてチームの結果とは裏腹に
個人として大きく成長を感じたシーズンだった。
トレーナーと励んだ身体作りが
シーズンを通してパフォーマンスアップに繋がった。
さらにこの年は二桁得点を記録し、
数字の面で結果が残せた事に一定の満足感はあった。

シーズンオフを迎える前にして
有難い事に来季もJP Voltes FCでやって欲しいと
契約延長の打診をして頂いた。

それと同時に
「もっと強いチームに行きたい。」
「国際大会や優勝の狙えるチームに行きたい。」

個人として結果を出した事で自信
そういった気持ちも芽生えていた。

オファーを保留にして迎えたシーズンオフ。

ある一通のメールが届いた。

つづく


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