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アルミ鋳物の溶接

 今回解説するのは溶接。私はもちろん専門業者ではないのでテクニカルな解説は難しいが、それでも溶接はバイク屋にとっては必須のスキル。転倒による折損や振動による割れなどの修理は日常茶飯事だからだ。それに加えて一点物の製作(ワンオフ製作)などのカスタムは溶接無しでは始まらない。そんな必須スキルである溶接の中で群を抜いて難しいのが鋳物の溶接であり、アルミ鋳物の溶接だ。

 バイクにおける鋳物と言えばいろいろあるだろうが、アルミ鋳物はクランクケース、シリンダーヘッド、シリンダーや様々なカバー類などと数多く使われている。それらが転倒や振動などにより割れたり欠損した時は修理として溶接は一つの選択肢になる。

 最初に書いておくが、アルミ鋳物の割れなどの対応において溶接は必ずしも第一選択肢ではないという事。アルミ鋳物の溶接の難易度は高いため、あっさり他の物と交換した方がお客さんのためにも相互で益を生む可能性が高いからだ。つまりちゃっちゃっと溶接して修理完了、工賃は数千円です、なんてことにはまずならないということだ。

 今回の修理はアイアンスポーツスターのプライマリーカバーのクラック修理。転倒した際にフートペグマウントとブレーキペダルがプライマリーカバーに接触して割れている。アイアンの場合、左に転ぶとまずこうなるだろう。

 まずはプライマリーカバーはきれいに洗浄し、クラックの全貌を把握する。そこから段取りのスタートだ。

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