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カム、ピニオンシャフトの軸受けについて考える

割引あり

 度々書いている、カムシャフトやその周辺の事についてだが今回もまたその辺りの事を書こうと思う。ハーレーのエンジンを何度か分解、組立を行うだけでもここの重要性が解ると思うので、オーバーホールなどの修理の際にこのエリアは特に気を遣うというのは理解に苦しくないだろう。つまり書くネタは豊富にあるというわけだ。

 そんな中で今回は軸受けにフォーカスする。そもそも軸受けとは?久しぶりにGPT先生に聞いてみよう。

軸受けは、機械や装置において、軸(シャフト)と軸受け部分との間で摩擦を減少させ、回転運動をスムーズにするための装置です。軸受けは機械工学や機械設計において重要な要素であり、さまざまな種類が存在します。

一般的な軸受けの役割は、軸と軸受けの間に配置される摩擦を減少させ、摩耗を軽減し、回転部品の寿命を延ばすことです。また、適切な軸受けを使用することで、機械の効率を向上させることができます。

主な軸受けの種類には、以下のようなものがあります。

  1. ボールベアリング: 小さなボールが溝に配置され、軸との間の摩擦を減少させる。高い回転速度と比較的軽い負荷に適している。

  2. ローラーベアリング: 円筒状や円錐状のローラーが使用され、軸との間の摩擦を低減させる。大きな負荷を扱うのに適している。

  3. スラストベアリング: 軸の軸方向の荷重に対応するために設計された軸受け。回転と同時に軸方向の力を扱うことができる。

  4. プレーンベアリング: 潤滑剤を使って摩擦を減少させる平らな表面を持つ軸受け。比較的低速で高い荷重を扱うのに適している。

これらの軸受けは、異なるアプリケーションや要件に応じて選択され、使用されます。

 という事なのだが、ハーレーに関して言えば軸受けはブッシュとベアリングの2種類になる。ベアリングはボールベアリングとニードルローラーベアリングが使われ、ブッシュは金色をした比較的柔らかい金属が多く使われる。今回取り上げるのはカムシャフトとピニオンシャフトの軸受けなのだが、やはりニードルローラーベアリング、ローラーベアリングそしてブッシュが使われる。

 エンジン構造はナックルからEVOまでほとんど同じな中、ピニオンシャフトはローラーベアリングとブッシュ、カムシャフトはブッシュとブッシュorニードルローラーベアリングとブッシュという軸受けの構成になっている。

カムシャフト(上)とピニオンシャフト(下)

 画像の通りカム、ピニオン両シャフトは一端を右クランクケースで、他の端をカムカバー(ギヤケースカバー)で支持している。そう、別々のパーツでそれを担っている。もちろんダウエルピンが設けてあるため再現性(分解と組立)を担保してあり、分解組立毎に芯出しの必要はない。しかしどちらかでも軸受けを交換した際にはかならずライン出し(芯出し)が必要になる。これはハーレーエンジンの構造的特徴と言えるだろう。

カムカバー(ギヤケースカバー)

 さてエンジン修理といえばまず目視でダメージなどの確認から始まり、目視で確認できないものは触診をし、さらに測定によって可視化する。ベアリングは触診の時点で良し悪しが解り、ブッシュは触診で確信が得られない時は測定をする、これが基本だ。しかしハーレーダビッドソンは応用力が求められる時が多々ある。それの一つがカム、ピニオンシャフトの軸受けだ。

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