乾式クラッチのメインテナンス
ハーレーダビッドソンはナックル、パンそしてショベル(1984年前期まで)と長らく乾式クラッチを採用してきた。(ちなみにXLは始祖のKから1970年まで乾式クラッチを採用し、71年以降は湿式クラッチに変更される。)そして1984年後期から満を持して湿式クラッチに移行し、その後トランスミッションは5速へ。湿式クラッチはアップグレードや幾度のアップデートを経て安定したパフォーマンスとメインテナンスの簡易性を得た現在のものに至る。
そんな現行クラッチと真逆な位置にあるとも言える純正乾式クラッチは、オープンプライマリー仕様ならまだしもプライマリーハウジング内にあっては定期的に必要なメインテナンスは非常に手間がかかる。そのため放置されて本来のパフォーマンスを発揮できていないものにしばしば触れることがある。要するに”クラッチの切れが悪い”車両のことだ。もちろん“切れが悪い”があれば”繋がりが悪い”もある。しかし前者の方が走行する上で不快感がより目立つのである。
クラッチの切れが悪いというのは単に不快なだけではない。本来クラッチと言う装置はエンジン回転をトランスミッションに伝えるためのものであり、また必要な時にそれを遮断する役割も持つ。遮断が必要なのはトランスミッションのギヤをシフトさせるためであり、常にエンジン回転が入力されていてはギヤとギヤを離して嚙合わせることは難しい。遮断はそれを容易にさせるのだが、遮断が甘いとギヤシフトが難しくなりそれでも無理やりシフトさせると何所かにその無理のつけが回るというわけだ。具体的には4速ミッションの薄いシフターフォークが曲がる原因になる。ここが曲がると正常なシフトチェンジが出来なくなり、最悪トランスミッションオーバーホールが必要になる。
ざっと書いたがこれだけを見ても乾式クラッチメインテナンスの重要性が伝わると思う。今回はその方法を解説していこう。
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