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ホイールベアリングのエンドプレイ調整

 1999年までのハーレーはホイールベアリングにテーパーローラーベアリング(円錐ころ軸受け)を採用している。このベアリングはホイールの他、ステムやスイングアーム、クランクのスプロケットシャフトにも使われる、重荷重や衝撃荷重か掛かる部位に適した物である。ハーレーがこのベアリングを好んで採用した理由はヘビーデューティー、つまり頑丈であるということであろう。確かに耐久性は高いものがあると思うが、それは適正に調整され、定期的なメインテナンスが行われて初めて成り立つものである。

 基本的に国産車に使われるベアリングはボールベアリングが主で調整の必要はなければ、メインテナンス(給油)の必要もない。ハーレーは2000年以降ようやくボールベアリングを積極的に取り入れるようになるが、まだまだ現役の1999年までのハーレーはやはり調整とメインテナンスが必須だ。

 テーパーローラーベアリングに必要な調整はスラストの遊び、いわゆるエンドプレイだ。

上図両端の台形がベアリング。大きい台形はインナーレースとローラー、小さい台形2つはアウターレースの断面。そして中央に位置するのがディスタンスカラー。ホイールの軸であるアクスルシャフトはインナーレース、ディスタンスカラーを貫通して締め付けるためインナーレースはアウターレースに押し付けられる。しかしディスタンスカラーが適切な長さであると両インナーレースは押し付けられず適切な隙間を持つことになる。この隙間がエンドプレイだ。

 このエンドプレイはベアリングを交換した際や、ある程度走行する度に確認、調整する必要がある。調整方法はディスタンスカラーにシムを追加してエンドプレイを加減するやり方とディスタンスカラーの長さ自体を調整する方法がある。今回は後者について解説していこう。

 テーパーローラーベアリングの交換サイクルは果たしてどれぐらいなのだろうか?定期的なグリスアップ、エンドプレイ調整の頻度は?

 その答えは使用環境によって一概に言えないのだが、今回興味深いデータがとれたので紹介しよう。

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