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妻に鼓膜を破られた話

タイトルですべて語り切っているけれど、誰かの役に立つ可能性もあるので記念に書き残す。

耳つぼマッサージはじめました(妻が)

昨年末、妻が耳つぼマッサージにハマり、本を読んだり講習を受けたりして練習し始めた。足つぼマッサージと同じく、耳全体が身体全体と対応したツボを持つ。例えば胃が悪ければ、胃に対応する耳つぼが痛く感じるので、ツボを押すような施術となる。

妻は練習台を求めていた。電気を流すタイプと、棒で押すタイプがあり、どちらが良いか聞かれた。なんとなく電気は怖いなと思ったので、棒で押されるタイプを選んだ。

ツボを刺激する棒の先端は、玩具のマジックナイフみたく押すと伸縮しながら適度な強さでツボを刺激する。おそらく内部にバネが付いているのだろう。押し込むと結構な勢いで戻る。

耳つぼマッサージ自体が危険という訳ではない

名誉のために弁護すると、ちゃんと正しく施術すれば耳ツボマッサージそのものが危険という訳ではない。たぶん。

普通は、施術される人と施術する人の両方が座ってやるものだけど、ひざまくら的な体制でお願いしていた。ツボが痛かったのもあって、うずくまった私はクンクンしていた。おそらくそれが悪かった。

慣れない体勢で施術しにくかったのもあるだろう。ツボを押す棒の先が耳の穴の方に滑り、バイーンと伸びて耳の穴を突いた。突き破った瞬間は爆音ではないけれど、「ズボッ」と言う音がした。

ずっと水の中にいるような感じ

さほど痛みはなく、まさかそんな浅い位置に鼓膜があるとは思わなかった。話し声も聞こえてはいるけれど、怪我をした左耳で聞いた音なのか、正常な右耳で聞いた音なのかは判断がつきにくい。ただ、ずっと水の中にいるような感じの違和感はあった。

耳抜きすると空気が抜けて、口呼吸でも鼻呼吸でもない耳呼吸を会得したのかと思うとともに、これは鼓膜破れているんだと確信した。後で耳鼻科の先生に聞いた話だけど、鼓膜が破れた時は耳抜きで穴を広げるようなマネはダメ。ゼッタイ。

待つしか治療法はない

耳鼻科に行くと、細いカメラを耳に突っ込む。グロいので画像は省略するが、鼓膜まわりは流血沙汰になっていて傷の大きさもよくわからない。おそらく端の方が破れていたので、音は聞こえたのだろう。

いろんな高さや大きさの音を聴きながらスイッチを押す聴力検査をやった結果、聴力の低下は見られたけれど生活に支障ない程度だと分かった。ただ、水の中にいる感じも気持ち悪いし、左右で聴力差があるのも違和感がある。

鼓膜の状況はよく分からないこともあり、穴が塞がる保証はないと言われて結構ビビった。治ってしまえば大したことないけれど、ライフワークの水泳はどうなるんだろうと頭をよぎった。「この季節に泳げなくて困ることありますか?」年明けの新春マスターズでリレー組んでたから「ある」のだよ。

耳鼻科では点耳薬を処方された。通常だとたっぷり目にさすところ、鼓膜が破れていると1〜2滴にしてと言う話で、これが難しい。ともかく、点耳薬さして待つくらいしかやれることがなく、ちょうど正月なので大人しくして過ごした。

少し申し訳ない気持ちもある

何度か耳鼻科に通って、カサブタがができてきずが塞がってゆく様子も確認できた。今となっては笑い話ではある。

最初は申し訳なさそうにしていた妻から、少し非難されている。根本原因は私が「ひざまくらでクンクンしていた」せいなのに、相手の間柄によってはわざわざそんな話をしないので、情報を削ぎ落とすと「妻に鼓膜を破られた」だけが伝わる。これがフェアじゃないという話だったので、noteにはありのままに綴った。

症状も人それぞれ違うので何も参考にはならないだろうけれど、鼓膜が破れた人のちょっとした励みになれば幸い。

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