分散の加法性に関する問題(統計検定準1級過去問)

分散の定義

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定理

1. X, Yが独立の時

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2. 

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 特に1の方を分散の加法性という。

問題

(2017年6月 統計検定準1級 問4を少し変形)

 あるサンドイッチ工場では2枚のパンと1枚のハムからなるサンドイッチを生産している。サンドイッチの大きさは100[mm]×50[mm]である。原料となるパンとハムは、前工程から次のサイズで送られてくる。

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ただし、X, Yはそれぞれ期待値と分散が

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の確率である。同一のパン内, ハム内での厚さのばらつきは無視してよい。このサンドイッチの生産工程について、次の2つの方法を考える。

方法1:前工程から送られてくるパンを半分に切断して100×50の大きさで貯めておく。次に、大量に貯めてあるパンの中から2枚をランダムに抜き出し、ランダムに選んだハムを1枚はさんでサンドイッチを作成する。
方法2:前工程から送られてくるパンからランダムに1枚を選び、それを100×50の大きさに切断し、その間にランダムに選んだハムを1枚挟んでサンドイッチを作成する。

方法1で生産するサンドイッチの厚さをZ_1, 方法2で生産するサンドイッチの厚さをZ_2とする。Z_1とZ_2の分散V(Z_1), V(Z_2)を求めろ。

解答

X𝑎とX𝑏をXと同じ分布に従う確率変数とすると

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と書ける。ここで、 X𝑎 と X𝑏 は独立で、 X ,  Y も独立である。したがって、分散の加法性より、

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