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#506 「魔法の杖」をつい信じたくなってしまう

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、書籍『仕事は自分ひとりでやらない~仕事を抱え込まずに助けを求める技術ヘルプシーキングの教科書~』いよいよ4月21日発売のオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も月曜日がスタートしました。
今週のタイトルコール、聴いてくれました?
完全に4月21日の書籍の発売日に向けたタイトルコールになっております
「はいはい、もう分かってますよ。」と思うかもしれないですけれども、今週一週間は、こちらの”書籍広報タイトルコール”をお聴きいただけると嬉しいです。
ちょっと手に取ってみようかなと思っていただける方、すでにAmazonで予約ができるようになっておりますので、ぜひご予約ください。

そんな書籍発売を目前にひかえた今週一週間になるのですけれども、今日は、私も結構強烈に持っている、”魔法の杖をついつい信じたくなっちゃう気持ち”を取り上げたいなと思います。
「なんですか?魔法の杖って?先週、打ち出の小槌の話もしていましたよね」と思うかもしれないですけど、ちょっと整理して話したいと思います。

「これさえすれば、こうなるに違いない」と期待してしまう

きっかけは、以前、このVoicy放送の対談にも出ていただいた、臨床心理士の関屋裕希さんですね。覚えていらっしゃいますか?
#417 人生を豊かにするポジティブ心理学 臨床心理士・関屋裕希さん対談)
関屋さんと話をした時に、こんな話をおっしゃってたんですね。
関屋さんは、『感情の問題地図』という著書もあるのですけれども、「この本さえ読めば、全部問題が解決するんじゃないか。そういう期待をいただくこともあるんですよね。でもやっぱり本は本。何かをすれば、100%問題が解決することってなくて、いろいろある問題100のうち、10とか5とか解決すればそれでいいと思えるといいんですけどね。」
そんな話をしてくれまして、私も「めっちゃあるな、それ」って思いました。

ついつい、こんなふうに考えちゃうことってありますよね。
「これさえすれば、こうなるに違いない」みたいな。
例えば、「転職さえすれば、今のキャリアの問題が劇的に解決するはずだ。」とか、「異動さえできれば」、「上司さえ変われば」、「この学校に入りさえすれば、バラ色の学生生活だ。」とか、「この問題さえなければ、毎日ハッピー。」、「予算さえあれば、これもできる、これも実現するのに。」
あるあるじゃないですか。
もちろんいろんなことに希望を持ちたいじゃないですか。私たちって。
一方で、本当は複雑なのですけれども、あれこれ考えたくないんですよね。
あれこれ考えると疲れちゃうし、環境に課題がある一方で、自分にも課題があるというところが見えちゃったりもするので。
なので、「なにか一つのことで、劇的に今が変わればいいな」って、人間ですもの、思っちゃうじゃないですか。
「なにかこれさえ変われば、全部が劇的に変わる」って、魔法の杖をついつい信じたくなる気持ちなんじゃないかなと思っています。
私も、この気持ちがめっちゃありますよというのが大前提なのですけれども。

ロボット掃除機ですべて解決?

ただ、こういう問題の見方というか、こういう期待の持ち方って、どういうことかなって考えると、「何か一つがすべての原因だ」こういうふうに物を見ちゃったり、考えちゃったりすることなのかなと思います。
繰り返しになりますけれども、本当はいろんな要因が絡み合って今の状況になっているとか、問題が目の前に生じているということだと思うのですけれども、何か一つが原因だった方が、安心できるじゃないですか。

なので、これに集中しさえすれば良いと思えるし、あれこれ考えるのって面倒だし、大変だし、なので、ここさえ解決すればという考えに、やっぱり飛びつきたくなっちゃう自分がいるんですよね。
例えば、家が散らかっていて、なかなか片付かないなと思う中で、「分かった!ロボット掃除機がないからだわ。ロボット掃除機さえあれば、居心地の良いきれいなリビングで、家族みんなで笑顔で過ごせて、私も毎日気持ちよく家事したり仕事したりできるのにな。」って思うじゃないですか。
「分かった!ロボット掃除機だわ。ロボット掃除機を買うしかない」といって、ロボット掃除機を買うんですよね。
でも、買ってみていろいろ気付くことは、「そうか、ロボット掃除機がある以前に、床にいろんなものをおいちゃうことが問題だったんだな。」
ロボット掃除機があって、ロボット掃除機を走らせようとしても、走ることができない。「この状況が問題だったんだ」とか、床についものを置いちゃうというのは、なにから生じるのかなというと、「収納も含めていろんなものがたくさん残っちゃうこと、いらないものが多すぎることが、そもそもの我が家の原因だった。」、「そもそも私は、毎日掃除機のボタンを押すということを習慣にすることができなかったんだな。」こんないろんなことに気付いて、最終的にどうなるかというと、週に一回土曜日の午前中に、きちんとお掃除してから、「はい、じゃあロボット掃除機くん、お願いします。」と言って、床がきれいになるというサイクルがようやく回せるようになる。なんていうこと、ないですか?
うちはまさにそうなのですけれども。

でも、不思議かな、その選択肢を取る前は、「これさえあれば、あらゆる問題が一同に解決する」って思っちゃうし、そういう状態を”魔法の杖をつい信じたくなる気持ち”なんだなって思います。

魔法の杖を信じている状態に気付く

じゃあ、どうしたらいいか?ですよね。
まずは、「今、私はかなり魔法の杖を信じちゃっている状態だな。」これに気付けるって、かなり大事なことだなと思います。
期待を持ちたいじゃないですか。期待自体はしてもいいと思うんですよ。
でも、その選択肢だとか、環境が変わることに、手放しで依存しきっちゃってる状態に気付けるということが大事だなと思います。
一瞬、そういう期待を持っちゃったとしても、「いや待てよ。これはもしかしたら、魔法の杖を完全に信じ切っちゃっているんじゃないか?」、「これさえあれば、もうオッケーみたいな感じで、かなり手放しでこの選択に依存しちゃっていないかな?」これに気付けるのが大事ですよね。
その上で、じゃあ待ってよと。世の中、そんなに単純じゃないぞ。
原因って一つじゃない。いろんなことが絡み合って、今のことが起きているに違いない。状況をちゃんと分解しよう。
掃除機は買う。掃除機は買うけれども、そもそもいらないものを減らして、私自身も工夫する必要があるなとか、こんな感じで、いろんなことが絡み合っている、この状況をちゃんと分解する、そして、自分の側も動く。
これがやっぱり必要ですよね。

もう一つ思うのは、やってみてすべてが100点満点、劇的に変わるということはないじゃないですか。
なので、やってみて1ミリでも変わればいい。このぐらいの気持ちでいることも大事なんだ。
じゃあ、どうしていくかというと、選んだ選択肢で、うまく活かすのは自分だよ。
なので、適度な期待をしつつ、環境だとか、相手には「1ミリでも変わればいい」適度な期待をしつつ、「これを選んで良かった」とか、「変えたら楽しかった」、「うまくいった」と、うまく活かすのは自分なので、選択肢に依存しすぎず、工夫していこう。あれこれ手を尽くしていこう。
その創意工夫が大事だよねって思えたらいいかなと思います。
翻って、結果、選んだその選択から、最大のリターンを得ることにもつながるのかなと、そんなふうに思った今日この頃でした。

今日もお聴きいただきありがとうございます。

出版記念イベント開催します

最後に一つ、アナウンスですけれども、いよいよ明日となりました。
本の出版は来週なのですけれども、明日は、ビジネスを要約サービスのフライヤー久保彩さんに協力いただいて、一緒に出版記念のトークイベントライブをお昼12時から13時半まで開催させていただきます。
お昼休み中だよという方もいれば、自宅からその時間だったら聴けるかなという人もいらっしゃるかなと思います。
楽しい場を作れればと思っていますので、「私の耳、貸してもいいよ」という方、ぜひイベントに遊びに来てください。
放送にリンクを貼っておきます。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール


「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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