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#796 残念な謝罪パターンから考える、気持ちの良い謝罪の法則

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームで仕事をするおもしろさをあなたへ、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は、祝日の火曜日です。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

今日は、両立サプリの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げてお届けしたいと思います。
質問ボックスは、プロフィール欄にリンクが貼ってあり、放送へのご希望や取り上げてほしい質問をお送りいただけるホームになっていますので、よかったらお使いください。
使っていただけると、私は放送のテーマができて非常にうれしいです。

謝罪した相手をフォローすべきでは?というご質問

今日のご質問は、ちゃんめいさんからいただきました。
ちゃんめいさん、ありがとうございます。

【こんにちは。ハッとする気付きや、自分でも考えたい魅力的なテーマの配信をありがとうございます。いつも楽しく聴いています。
小田木さんだったら、どう考えるだろう?と、もやっとしたことがあり、謝罪に関して質問です。
最近、会社の先輩が人に依頼していた仕事にミスが起きました。
かなり急ぎで依頼しており、共有もしっかり密にという感じには見えず、起こるべくして起こったミスに見えました。
しかし、先輩が相手に対してフォローも謝罪もまったくしないことに驚きました。
相手は、すごく謝っていました。
今回の相手は、業務委託先の会社の方です。
ただ、契約形態の事情により、費用的な追加負担は考えなくて良いケースでしたし、また、頻繁に仕事を依頼している私としては、パートナー的な会社さんでした。
私が先輩の立場だったら、普段から一緒に仕事をしている人に、謝りっぱなし、申し訳ないと感じさせっぱなしにするのは、気持ちがよくないと思い、「自分も悪かったから」とフォローしそうです。
小田木さんだったら、どうしますか?
また、私は今回のケースで、謝るほうがより悪く見えたり、謝ることで損しているような気持ちになるから、もやっとしたのだとも気付きました。
長くなりましたが、小田木さん流の『仕事における気持ちの良い謝罪の法則』があったら知りたいなと思い質問しました。
どうぞよろしくお願いします。】

ありがとうございます。
「謝る」というテーマで、ご質問をいただきました。
これは、私もすごく大事なテーマだと思いましたので、ちゃんめいさんと一緒に考えてみたいと思います。

ちゃんめいさんのご質問ポイントをまとめると、謝罪について最近もやもやすることがあった。
仕事の先輩が依頼者で、その引受先パートナーの会社との間に起こったミスで、ちゃんめいさん的には、これは起こるべきして起こったミスだなと感じたけれども、引受先はものすごく謝ってたけれども、先輩が謝罪もフォローもないことに驚いた。
仮にどちらのミスだったとしても、謝罪した相手をフォローすべきではないのか?と、ちゃんめいさんは考え、小田木さんはどう考えていますか?という、こんなご質問でございます。

「謝る」、そして「謝りを受ける」って、日常、大きなものから小さなものまでたくさんたくさんあるじゃないですか。
本当に考えさせられるテーマですよね。

仕事で問題が起きたとき、誰か一人だけが悪いということはほとんどない

今回のケースを小田木さんはどう考えますか?と聞いていただきましたので、私だったらどうするかな?と考えると、まず、仕事で何かミスや問題が起きるということは、誰か一人だけが悪いということは、ほとんどないんですよね。
例えば、本当にうっかりしたミスだったとしても、周りが気付いてフォローできたかもしれないとか、もしくは、一人の判断で進むシステムに問題があったかもしれないとか、一人に負担がかかりすぎていたとか、以前にも同じようなヒアリハットがあって、その時に手を打っていたら、また結果が違ったかもしれないとか。
私は、こと仕事において、特にちゃんと仕事をしたいと思っている人が集まる中で、10:0の事故というのは、ほとんど起こり得ないんじゃないかなと思います。

どうフォローがあることで、起こったことの影響を最小限にしていけるか?

ということは、ちゃんめいさんの言う通り、一方が謝れば、一方がフォローする
なぜならば、脈々と続いていく相手との関係の今は一時点でしかないので。
脈々と続いていく相手との関係の一時点でしかないというのが、やっぱりポイントですよね。
フォローするというのは、「いいよいいよ」ということではなくて、ミスが起こったことによって課題が明確になれば、その課題を一緒にクリアしていくために一緒に考えることであったり、相手が失敗を過剰に引きずって、良いパフォーマンスを発揮できない状態になることを一緒になって防いだり、もしくは、フォローがないとか、片方の課題を覆い隠したままにすることによって、相手との信頼関係にひびが入るというのは、まったく望ましくない結果だと思うんですよね。

なので、謝るか謝らないかの話ではなくて、そこでどう謝って、どうフォローがあることで、起こったことの影響を最小限にしていけるか?
これが、すごく大事だなと思います。

謝る相手側が本当に望んでいるのは何なのか?

口で言うのは簡単なのですが、「謝る」ということにまつわる感情や行動って、すごくナイーブじゃないですか。
なので、それをちゃんと知っておくことも、すごく大事だなと思います。
例えば、謝る側に立つと、私も含めて人間誰しも、どうしても「認めたくないな」とか、「自分を守りたいな」という気持ちが、むくむく湧いてくるじゃないですか。
もしくは、起こったことの事実に対しては、「しまったな」「悪いな」と思っていたとしても、その事実を取り巻くこれまでのあれこれ、例えば、「その前は私が失敗されたよな」とか、「これまで散々こういうことがあった」「私はもっとこういうことをしてきた」事実そのものじゃなくて、その事実を取り巻くこれまでのあれこれがしがらみになって、素直に謝れないことって結構あったりするんじゃないでしょうか。
謝る側に立つと、こういった心の葛藤がむくむく湧いてきますし、一方で、今度は謝ってほしい側に立つと、ただただ一言謝ってほしい。この気持ちだけだということ、ありますよね。
一言謝ってくれるだけでいい
誰もが、謝ってほしい側に立つと持つニーズですよね。
他には何もいらないんですよ。その一言だけで、自分が癒やされる。報われる。そういう気持ちになることもある。
なので、謝る側に立った時の、いろんな沸き起こる感情をいったん脇に置いて、謝る相手側が本当に望んでいるのは何なのか?
ここに集中して考えを向けることができるかどうか?
こんな感じの観点で、やっぱりすごくナイーブだなと思います。


仕事における気持ちの良い謝罪の法則

今日は、ちゃんめいさんから「小田木さん的な仕事における気持ちの良い謝罪の法則ってありますか?」とコメントも付け加えていただいてますので、ここについては、私は「残念な謝罪」という鉄板の3パターンがあるなと思っていまして、この残念な謝罪を知っておいて、謝罪での失敗を防ぐようにすることが大事じゃないかなと思っております。

残念な謝罪~これは嫌だ、これはこじれる~ベスト3

ということで、「残念な謝罪~これは嫌だ、これはこじれる~ベスト3」を最後に共有させていただきます。

とりあえず、ごめん

まず一つ目は、とりあえず、ごめん
これ、分かりますか?気持ちが全然入っていない
とりあえずって言葉では言わないけれども、とりあえず「ごめん」と言っておこう、この気持ちが伝わりすぎて、まったく許す気になれない。
ありますよね。
気持ちが入っていないとか、悪いと思っていない中で、とりあえず謝っておくかみたいな。
さらに、とりあえず「ごめん」なので、何について謝っているのか何について悪いと思っているのかも分からなくて、これは嫌だ、これはこじれる、そんな王道の謝罪の一つが、とりあえず、ごめんだと思います。
これは、子どものけんかでよく登場しますよね。
でも、大人のシーンでも、「ちょっと怒っているっぽいから、とりあえず謝っておくか」みたいな感情に持っていかれそうになること、これはすごく注意が必要だと思います。

言い訳がましい謝罪

二つ目は、言い訳がましい謝罪
例えば、謝っているけれども、「〇〇だと思っていたので、もういいかなと思って」と、すごく言い訳がましい。
ともすれば、謝られる側を責めているように聞こえてしまう謝罪というのは、これもこじれてしまう残念な謝罪の一つじゃないかなと思います。
例えば、明らかな人的エラーなのに、システムエラーっぽく説明されるのも、これに該当するかなと思います。

ご不快構文

最後の三つ目は、テンプレートとしては、「もしも、ご不快な思いをさせたのなら謝ります」こういうトーンの謝罪ですよね。
私は最近、新聞のコラムでこれを「ご不快構文」と呼ぶことを知ったのですが、結構あるあるの謝罪文ですけれども、「もしも、ご不快な思いをされたのならば」この言い回しに、「そんなに大したことはないと思うけれども、そんなことで不快に思っちゃうんだ、じゃあ謝るよ」こういうニュアンスが漂ってしまうのが、ご不快構文だといわれるんですよね。
これは、割りとビジネスで見かけたりもする。 もっと言うと、テレビの謝罪会見でも、割りと飛び出るフレーズだと思いますので、これは非常に注意が必要だと思います。

相手が何を残念に思っているのか、言葉にして謝る

じゃあ、相手との関係性において、きちんと相手を尊重しながら謝罪するというのはどういうことかというと、私は相手が何を残念に思っているのか? そして、どんな重みを一緒に感じてほしいと思っているから謝ってほしいと思っているのか?これを言葉にしてきちんと伝えることが、相手との関係をつなぐ上で、非常に大事な謝罪のスタンスだと思っています。
相手が何を残念に思っているのか?そして、どんな重みを一緒に感じてほしいと思っているのか?
これを言葉にして、私は謝ります。

例えば、パートナーが頼んだ家事を忘れてしまった。
当然、「ごめんごめん」と言うじゃないですか。
でも、なんか釈然としないのは、忘れたことに怒っているのではなくて、おそらく多くの人は、自分が大事にしているものが軽んじられたということに対して、もやもやしたり、許せないという気持ちが湧き上がってくることが、あるんじゃないかなと思います。
なので、忘れたことに対してごめんというよりも、「あなたが大事にしていることをうっかりにも忘れてしまった。それで残念な気持ちにさせてしまったことを謝りたいよ。ごめんね。」
こういう感じですかね。

ということで、私が考える気持ちの良い謝罪の法則は、相手が何を残念に思っているのか、どんな重みを一緒に感じてほしいと思っているのかを、言葉にして謝るでした。
これは、結構トレーニングが必要だったり、もし仕事の上での謝罪であれば、一人で考えないほうが、客観的に見て適切な謝罪もできると思いますので、みんなでトレーニングしていけたらいいんじゃないかなと思っております。

今日は、ちゃんめいさんからいただきました「謝罪についてのモヤモヤ」を取り上げてみました。
ちゃんめいさん、ご質問ありがとうございます。
私も、すごく大事なことを一緒に考える機会になったなと思います。
これからもよろしくお願いします。

それでは、最後までお聴きいただきありがとうございます。

今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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