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#695 「とりあえず資格取らなきゃ」と考えてしまう問題

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、10年先の自分のキャリアが楽しみになるオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

「とりあえず資格を取らなきゃ」と考えてしまう問題

今日は木曜日ということで、毎週木曜日恒例、一緒にこのチャンネルを運営している、あいちゃんの質問コーナーを放送させていただきたいと思います。
今日は、あいちゃんがどんな質問を考えてくれたかというと、こちらです。
タイトルは、『とりあえず資格問題』。
【今回のテーマは、「とりあえず資格を取らなきゃ」と思う問題を、ぜひ小田木さんに考えていただきたいです。
最近大学の後輩と会う機会があり、そのときにこんなことを聞かれました。
「就活が始まるまでに何か取っておいたほうがいい資格ってありますか?」
私はこう後輩に聞かれたとき、少しもやっとしてしまいました。
彼女は現在就活を控えており、今のうちに資格を取っておいたほうが、就活の時に役に立つからと言っていました。
私が一番もやっとしてしまったのは、彼女は行きたい業界や職業があるわけではなく、「とりあえず資格を取っておかないと」という気持ちだったことです。
思い返すと、私も大学時代、周りの影響で「何か資格を取らないと」と感じた時期がありましたが、この「とりあえず資格問題」って意外とあるのかなと感じています。
やりたいことがないけれど、とりあえず資格を取らなきゃと感じてしまう問題について、小田木さんはどう考えるか聞かせてください。】

あいちゃん、ありがとうございます。
「とりあえず資格を取らなきゃ」こういう気持ちを、抱えちゃう気持ちも分かりますよね。
今回は、「とりあえず資格を取らなきゃ問題」という名前を付けてくれていますが、そう考えてしまう気持ちや背景も、すごくよく分かるということも織り交ぜて話をしたいなと思います。

ちなみに、私も「何か武器がほしい、何か資格があったほうがいいな」と思いながら、資格を取った一人です。
過去に、簿記2級と販売士1級、そして中小企業診断士資格など、「資格を取れば、何か変わるんじゃないか?救われるんじゃないか?」と思いながら、 武器を求めて資格を取った時期がありました。

資格を取ること自体は、非常に有効なこと

そんな経験も踏まえて私の所感ですが、資格を取ること自体は、非常に有効なことだと思います。
「とりあえず資格を取らなきゃ」というところが問題であって、資格を取ること自体は、とても有効なこと。
仕事の中で資格がないとできないこともたくさんありますし、そのテーマとか分野に対しての基本知識がちゃんと身につくという観点ではすごく有効ですし、関心のあることにまず資格を取ることからトライしてみるというステップ自体も、すごく有効だなと思っています。
さらに言うと、資格をとるプロセスにすごく価値が大きいなと思っていまして、まず、どんな資格にせよ、目標を自分で決める、目標を実現するまで継続する、この流れの中で継続する力がつくし、対外的にも証明できることは、間違いなく言えますよね。
合格ラインが明確ですので、資格が取れたということは、その合格ラインに達する知識・技術がついたという自信にもなるので、そういう意味でも、プロセスそのものにも価値は大きいなと思います。

とりあえず取れる資格は期待ほどの効果がない可能性が高い

あいちゃんが「なんかもやっとした」と言っているのは、「とりあえず資格を取らなきゃ」と考えてしまう問題ですよね。
今日は、「とりあえず資格問題」という名前をつけてみようかなと思いますが、ここをどう考えるかというところで、ちょっと整理をしてみました。
資格を取ること自体は非常に有効なのですが、「とりあえず資格を取らなきゃ」のどこに問題や注意しなければいけない点があるのか。
私は、まず一つは、「とりあえず資格を取らなきゃ」ということは、「とりあえず取れる資格は何だろう?」というところで資格を選ぶことになりますが、今回のケースだと目的が採用ですよね。
目的は採用で、期待ほどの効果がない可能性が高いということは、一応知っておいたほうがいいかなと思います。
よっぽど特殊な職業は違うかもしれないが、「この資格を持っているので、この人を採用する」という意思決定って、ほとんどないんですよね。
とりあえず取れる資格というのは、多くの人がとりあえず取る可能性が高いので、その資格があるということで、採用において非常に有利に運ぶ可能性も、すなわち低くなる。
こういう前提を抑えておくのは、やっぱり必要かなと思います。

とりあえずの動機だと取れない資格が多い

では、キラっと光る、「この資格を持っているんだ」と目を引くような資格はどうかというと、当然難易度が高いと。
そうすると、今度は難易度の高い資格は「とりあえず取ろう」という動機だと、取得するまで続かない可能性が非常に高いという側面があるんですよね。
難易度の高い資格というのは、何百時間も勉強しないと取れない資格なので、「とりあえず取っておこう」という動機だと、取得に至らない可能性が非常に高い
もっと言うと、「とりあえず」と言ってチャレンジした、その途中までの時間が徒労に終わってしまう可能性も高い。
キラっと光る資格を取ろうと思って、例えば、「その資格を取るのは平均200時間勉強をする必要がありますよ」と言われた場合に、今、それをしますか?
しかも、「とりあえず資格をとっておこう」という動機で200時間もの勉強時間を本当に投じられるか?
やっぱり難しいですよね。
なので、とりあえずの動機だと取れない資格が多いという側面もあるかなと思います。

目的に対してその資格取得が有効な手段かどうか見極めよう

最後が、実は一番大事かなと思うのですが、「とりあえず資格問題」の最大の問題は、目的に対して資格を取得するというのが、必ずしも有効な選択肢でない可能性が高いことが結構大きいんじゃないかなと思います。
今回の目的は、あいちゃんの後輩のケースであれば、就活で内定を得たいじゃないですか。
目的が就活で内定を得ることであれば、資格を取るよりも有効な打ち手がいろいろありそうな気がしますよね。
まず、自分がきちんと動機を語れる業界だとか、職種を選ぶということに労力をさいたほうがいいかもしれないですし、そこが決まったら、業界研究とか会社研究をしたほうが、面接を通過する可能性が上がるかもしれないですし、最終的には面接力を上げるトレーニングに時間を使ったほうが、目的に対して有効である可能性が高い。
こんな感じの側面が言えるんじゃないかなと思います。

偉そうに言っていますが、私も目的に対して有効な選択ではない資格の取り方をしてしまって、「うわ、こっちじゃなかったな」という経験をしたので、あえて言わせていただいています。
私のケースは、育休中に「復職後がすごく不安だから、とりあえず資格でも持っていたら安心できるかな」そんな感じで、第一子の育休中に資格を取る選択をしたのですが、これは目的に対して有効な選択ではなかったなと思っています。
資格の否定は全くしていませんので、そこはよろしくお願いします。
「両立が不安である」という私に必要だったのは、気合い・根性・長時間労働で仕事をやり遂げるという仕事のやり方を変えることが本当は必要だったのですが、資格を取って知識を増やすということは、その目的に対しては必ずしも有効な選択肢ではなかったなと、取ってから「ガビーン」と思う事もありました。

なので、「とりあえず資格」という気持ちが発端だったとしても、資格を取りたいという気持ちの裏側に、必ず目的があるはずなんですよね。
なので、その目的に対して、その資格取得が有効な選択肢であるかどうか、きちんと見極めることはすごく大事だなと思います。

自分にとってその資格が必要であるという動機の形成が大事

いろんな資格を取ってみましたが、私が資格を取ってみて思ったことは二つありまして、一つは、取得するまでに結構まとまった時間が必要なのが、資格取得なんだなと思います。
「当たり前じゃん」と思うかもしれないですが。
なので、忙しい私たちが、その時間を投入するに見合う目的や動機、「なぜその資格なのか?」「それを取ってどうしたいのか?」この動機があるかどうかが、結局やってみて続くかどうか、合格だとか取得するまで努力を継続できるかどうかの、結構大きな分かれ道になるかなと思いますので、それが自分にとって必要であるという動機の形成はすごく大事だなと思います。
目的に対しての評価という言い方ができるかもしれないですけど。

資格を取ったあとのプランも考えよう

もう一つは、取得してみると分かるのですが、資格を取るまでは、取得をゴールに、取得を山頂だと思って山を登るのですが、実は取ってみて分かるのは、基本的な知識がついたという段階は、まさに山のふもとなんですよね。
取得という山頂を目指して山を登るのですが、「よっしゃ!登った」と山頂に立ったと思ったら、実はそこは山のふもとだったという。
基本的な知識が合格ラインまでついたという。
この山のふもとに立つのもすごく大変なのですが、なので、取得をゴールにするのではなくて、取った先にどんな山に登りたいか、その山をどう登りたいか、 取ったあとのプランが合わせて必要になるのが、資格取得なんだなという理解をいたしました。

いろいろしゃべりましたが、資格を取るというのは、尊くて有効なことだと思います。
それだけに、自分の目的に対して、その資格取得が有効な手段であるかどうかをきちんと見極めることが大事だよということで、まとめさせていただこうと思います。
あいちゃん、ありがとうございます。
そして、後輩さんの就活も、かげながら応援をさせていただきます。

先週の一番放送は「強みの言語化」の話

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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