#47 読書の秋|おすすめの本特集①人生のモヤモヤへの向き合い方を教えてくれた本
今日はですね、このvoicyの私のコーディネートしてくれる池ちゃんから、「小田木さん読書の秋なんで、本をテーマにした回をお願いします」そんな指令が来ましたので、本を題材にしたお話をしたいなと思います。
好きだし、読んでいるという方もいれば、読みたいけどなかなか時間がないという方もいるし、本から情報収集するタイプではないという方もいると思います。
私はですね、本が大好きなので、結構ポンポン買っちゃうのですけれども、積読が常時数冊ある状態です。
読み方としては、一気読みせずに隙間でちょいちょい読みかじるという読み方をしていまして、ここいいなって思った箇所にラインを引いたり、後で探せるように付箋を貼ったりしながら読んでいます。
ワタシの好きな一冊紹介します
今日はオススメというよりも、私の好きな本を一冊しゃべらせてもらおうかなと思います。読書って結構好みがあったり、その時に欲するテーマは人それぞれ違うかなと思いますので、私の好きな本の話を一緒に聴いていただくっていう回でもよろしいでしょうか。
いろいろあるので迷っちゃうのですけれども、一冊あげるとしたらこれかな。新潮文庫で南直哉さんという禅僧の方が書いているんですけれども、タイトルは『なぜこんなに生きにくいのか』。
ちょっとタイトルから暗!重!みたいな感じで思った方もいるかもしれないですけれども、この本が30代前半の悩んでいた私にめちゃくちゃフィットしたんですね。ここで得た考え方っていうのが、割といろんなところに影響したなって思っているので、紹介できればなと思います。
この『なぜこんなに生きにくいのか』という本の大好きポイントが、二つあるので紹介できればと思うのですが、まず大好きポイントその一は、人生の捉え方が同じだと思えたというとこかなと思います。
この本のスタートがですね、人として存在する限り苦しみは決してなくなることはない。ならばこの生きがたい人生をいかに生きるか、それが人間のテーマではないだろうか、こうやってスタートするんですね。
暗いと思うかもしれないけど、でもそういうものだって思えたんです。
その上で大変なことへの向き合い方の中に、よりよい生き方のヒントがある、こういうスタンスに則って書かれています。
以前28回目の放送で、私『人生はオプションBの連続だ』思い通りにいかないことの連続だという配信をさせていただいたのですけれども、本当にそういう捉え方をしているんですよ。
(#28 人生はオプションB(思い通りにいかないこと)の連続だ)
なので、大変なものだっていう前提を受け入れて、どうしたらよりよく生きられるだろうか?という考え方が、すごくフィットして心地いいなって思えたのが大好きポイントその一ですかね。
大好きポイントその二が、本当の自分というものの考え方を言葉にしてくれた、こんなふうに思っています。
この本を読んだ時の私は、本当の自分を見つけようだとか、やりたいことをやろうという、そういう無言の空気感にすごくモヤモヤしてたんですよね。「何だよ本当の自分って?」とか、「やりたいことをやらなければいけないのか?」という、実はそういう反発心だとかモヤモヤがあって、でもそれがどう説明されるのかよく分からない、そういう状態だったんじゃないかなと思います。
まさにその点を、この本ではどんなふうに捉えているかというと、「自分がやりたいことは何か?」だとか、「自分らしい生き方は何か?」それを考える過程が無意味とは言わないけれども、そんなことばっかり考えてると一歩も先に進めないままジレンマに陥るばかりだよって、こう言ってくれたんですね。
さらに、本当の自分だのどうでもいい、自分は分からなくて当たり前だと決めてしまって、それよりも一体自分は何を大切に生きたいのかとか、誰が一番大切な人なのかを考えよう、そう言っているんですよね。
つまり、問いの立て方を変えようという提案なのかなと思います。
その上で自分の輪郭というのは、人と付き合って経験を積んでいく中で、自ずとできていくもので、いわゆる、考えて出来上がるものではなくて、実感の積み重ね、人と付き合う中で経験を積む中で見えていく、自分の像だとか自己イメージを、観念ではなく実感として手に入れていこう、こういう考え方を提示してくれてます。
どうですか?皆さん。私はこの考え方で、もう本当にスッと楽になって、モヤモヤが晴れていくような、そんな感覚が持ってたんですね。だからこの本が好きなのかもしれない。
ワタシに響いたところはココ!
書き方も非常にストレートで面白いので、ちょっとそこを体感していただければと思うんですけれども、本当の自分探しについて書いている箇所があるので、私の一部微妙な朗読で聴いていただいてもいいですか?
本当の自分を探すっていうことを、サラブレッドになることを夢見るロバに例えて語ってるんですけれども、ちょっとお付き合いください。
【ロバがサラブレッドになって帰ってくるわけではありません。サラブレッドはサラブレッドのまま、ロバはロバのまま戻ってくるのです。あり得ない変身を夢見るよりも、なぜ自分はロバなのかを考えた方がいい。あるいはロバは何の役に立つのか、何の役に立つからロバと言われるのか、そしてロバにとって大切なことは何なのか。
今現在ロバである自分が嫌だからといって、ロバではないものになれるわけがないのです。そもそもロバかロバでないかは自分が決めるのではありません。他者との関係性の中で決まることです。自己が何であるかを決めるのは、自分ではなく他者との関係性なのです。】
こんな感じです。ここがすごく響きましたね。
どうなりたいのか、自分は何なのかを考えるよりも、自分は誰の役に立てるのかを考えよと、そして何を大切にしたいのか、そこをまず考えよと言ってくれた。私もうその時に、「そうか、ロバでいいんだ。」そんな風に思ったんだと思います。
さらに、自分が何者であるかは、自分が決めるのではなく、他者との関係性の中でできていくんだって、これもまさに仕事も家庭もそうですけれども、自分は誰の何の役に立つのかということに真摯に向き合う中で、自分というものの形ができていく、こういう理解をさせてくれた本かなと思います。
まとめると、『なぜこんなに生きにくいのか』この本は思い通りにいかない人生への向き合い方について書いてくれてる本かな。
自分とは何かとか、何のために生きるのか、その答えそのものではなくて、この問いに対する考え方や向き合い方を教えてくれたなと思います。
ちなみに、この本を手に取った30代前半の私ですけれども、初めて子どもを持って、その変化に適応する過程の中ですごく迷っていたんだと思います。結構ありありと覚えているのがですね、ある日、夕方子どもを抱っこしながらテレビつけてたんですよね。そしたらアンパンマンがやってて、オープニングにアンパンマンマーチが流れるじゃないですか。そのフレーズの中に「何のために生まれて何をして生きるのか」という言葉があるのですけれども、あれを聞いて泣いちゃったんですよね。「何のために生まれて何をして生きるのかって、どうしよう、分からない」みたいな。そんな私にまさにフィットした本だったなと思います。
もし、同じように悩む方、よかったら手にとってみてもいいかもしれません。文庫本なので非常に小さくてですね、薄くてめちゃくちゃ読みやすいんですよ。私この表紙が大好きで、表紙の絵がめっちゃツボなんですね。これよかったら検索してください。
読書の秋ということで、今日は私の好きな本を一つ紹介させていただきました。皆さんお付き合いありがとうございます。もしですね、皆さんもこの本大好きですっていうものがあれば、漫画も大歓迎です♪コメント欄に書き込みください。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“育休スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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