『高い城の男』と易経②
前回に引き続き、『高い城の男』について紹介します。
今回紹介するのは、テレビドラマ版。原作を読んだ方は、ドラマ版では、大日本帝国とドイツ第三帝国に支配されたアメリカ社会がどの様に映像化されているのか気になる所かと思います。
高い城の男(ドラマ版)の概要
ドラマ版は、大まかな世界観は原作に準拠していますが、物語の展開についてはほぼ別物と言って良いぐらい大胆な改変が成されています。
異なる点として顕著なのは、原作には登場しないドラマオリジナルのキャラクターが大勢出て来ること。また、原作に於いて易経と並ぶキーアイテムとされていた、曰く付きのベストセラー小説「イナゴ身重く横たわる」が本では無くフィルムという形で登場するといった点です。
因みに、監督は「ブレードランナー」や「エイリアン」の監督として有名なリドリー・スコットです。
リドリー・スコット監督と言えば、ダイナミックで美しい映像表現でお馴染みですが、『高い城の男』の作中でもそのセンスが発揮されています。
動画の後半に登場する大日本帝国統治下のサンフランシスコは、そこら中に日本語の看板が林立していてかなりのインパクトがあります。建物のデザインや色合いが若干チャイナっぽいのはご愛敬ですね…笑
ドイツ人と日本人の所作も、ナチスの高官がナチス式敬礼をするのに対して日本人の高官はお辞儀で挨拶したりと、なかなかリアリティーがあります。
作中に於ける易経について
原作では、易経は様々なシーンに登場し物語に華を添えていました。実は、ドラマ版の方では易経はあまり登場しません笑
原作ではほぼ全てのキャラクターが易経に触れていたのに対して、ドラマ版ではヒロインのジュリアナ・クレインと大日本帝国の通商大臣の田上信輔の二人しか易経を使いません。因みに、二名とも原作にも登場するキャラクターです。
田上信輔を演じているのは、日系俳優ケイリー・ヒロユキ=タガワ(代表作は「パールハーバー」「ヒマラヤ杉に降る雪」等)、ジュリアナを演じているのはアレクサ・ダヴァロス(代表作は「リディック」「タイタンの戦い」等)です。
ドラマ版に於いて、易経のヘビーユーザーである両名ですが、田上信輔が筮竹を使って易を立てるシーンの抜粋動画がyoutubeにあるのでご覧ください。筮竹で占う場合はこんな感じです↓
短い動画ですが、易経で占いをする時の雰囲気を感じ取って頂けたでしょうか…。
易経とは全く関係ないですが、この『高い城の男』の世界にも坂本九はいるんだ…と思うと何故か感慨深くなってしまいます笑
最後に、Amazonプライムの『高い城の男』シーズン1の視聴ページを下に載せておきます。我々のいる世界とは違う、パラレルワールドのアメリカ社会を覗いてみたくなった方は、是非視聴してみて下さい。
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