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ミノムシクリップ付きケーブルにご注意を!

ミノムシクリップが両端に付いたケーブル、ちょっとした実験や測定に便利で皆さんよく使われているかと思いますが、そのケーブル、使用する条件に適したケーブルですか?

1本、数十円で売っているケーブルを使っていませんか?

秋葉原の電子部品屋さんで売っているミノムシクリップが両端に付いたケーブル、10本入り300円など1本あたり10円~50円くらいで安く売られていることがあります。

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5本セットで120円と激安のミノムシクリップが両端に付いたケーブルを買ってきました。
ケーブルの被覆も結構太く柔軟性があります。
ミノムシクリップも安っぽいですが1本24円と思えば価格相当かと思います。

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ミノムシクリップとの接続状態を確認したところケーブルを剥いてそのまま折り曲げ圧着されていました。
1本につき2箇所半田付けするだけでも手間がかかるため圧着で済ましているのはしょうがないですね…

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今回はケーブルの圧着不良の予防として、丁寧に半田付けを行いました。

実際に使ってみた。

実際に使うことを想定して安定化電源と電子負荷を用意し、ケーブルを2本使い安定化電源と電子負荷を接続します。

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早速、モーターを回せるくらいの電流1.5Aを流してみました。
安定化電源は16Vに設定し、電子負荷は1.5Aまで流れるように設定してあります。

16V - 14.33V =1.67V電圧降下が発生しています。

電子負荷でどんどん流れる電流を増やしていきます…

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電子負荷で4Aまで流れるようにしたところケーブルが触れないほどに熱くなってきました。

16V - 9.84V = 約6.2Vも電圧が降下し約40%の電力がケーブルで消費されています。

どうして電圧降下がおこるのか?

激安のミノムシクリップが両端に付いたケーブルはどうして電圧降下がおこるのでしょうか?
ミノムシクリップに半田付けをする際にケーブルを剥いてみましたが細い線ではありませんでした。

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比較用に黄色のミノムシクリップとAWG24の線材を使用し同じ長さのミノムシクリップが両端に付いたケーブルを2本作りました。
※ミノムシクリップは同じものです。

先程と同じく安定化電源と電子負荷を用意し、ケーブルを2本使い安定化電源と電子負荷を接続します。

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16V - 15.64V =0.36V電圧降下が発生しています。
先程と比べ1/4の電圧降下ですね…

電子負荷でどんどん流れる電流を増やしていきます…

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先程はケーブルが触れないほど熱くなりましたが電子負荷で4Aまで流してもほんのり温かい程度です。

電圧降下も 16V - 15.38V = 0.62Vと先ほどの1/10でした。

磁石をケーブルに近づけると…

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強力な磁石をケーブルに近づけたところ磁石にくっつきました・・・

激安のミノムシクリップが両端に付いたケーブルは数mAのLEDの点灯やマイコンのGPIOを使った実験など小信号を扱うときに使用しましょう。

この記事は

この記事は 2018/07/06 に ものづくりログ へ投稿した記事をnoteへ転記しました。