49小品目 マイフェイバレットシング
ヌカハウス、というものがある。
玄米をそこに持っていって、コインとコメをおのおののところに入れると、玄米から白米に近いところまで好きな突き具合に生成してくれるのだ。
そして削った部分がヌカハウスに落ちていく。ヌカはたけのこを煮てもよし、ぼかしにしてもよし、燻炭と油かすと混ぜて畑にまいてもよし、重宝なのでたびたびヌカハウスには寄る。
日曜に竹内孝巧さんのレシピでぼかしを作ろうと思っていたので、米ぬかが五キロほど欲しかったにも関わらず、近所のヌカハウスには少ししかなかった。ひとまずあるだけもらって、帰ろうとしたらおんなのひとがヌカハウスに入っていった。
すみません、今、さらえちゃいました
と言うと、ハウスを見てほんまやと呟くので、半分こしましょうと彼女のもっていたビニル袋に自分の分を移した。
ナルシスな話だが、わたしは困ってる人がいたら、どんどん動くことのできるわたしが好きだ。普段は、特に職場なんかでは人の出方を見がちだったり、空気を読もうとしたり臆病者なのに、困った人がいたらなんも考えずに我先と動く。
それはもしかしたら、親切じゃなくてそういう自分が好きなだけかもしれないけど、これに関してはどっちでもいい。困った人が助かる、そしたら嬉しい、嬉しい自分が好き、サイコーだ。
ちなみにマイフェイバリットシングでマリアが、
スニッツェル(牛の平たいフライだったと思う)の下に引いたスパゲッティ
が好きと歌っていた。わたしもほか弁で揚げもんの下に入ってるやつ好き。それ以外のシチュエーションで出されたらいらんけど、ほか弁の時はべたべたした油まみれの塩コショウ味スパゲッティがサイコーに好きだ。めちゃ分かる。
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