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パズル12(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…


つくしが倒れていた同じ頃… 偶然に沖縄に旅行に来ていた琴音は信じられない者を見て震えていた。
琴音「私…ちょっと疲れたから部屋に戻るね。あなたはショッピング楽しんで」

金城「大丈夫かよ? じゃぁ俺は夜までブラブラしてくるからゆっくり寝てろ」
顔色の悪い琴音を心配することなく外に出て行った。琴音は部屋に戻り直ぐに 父親に電話をかけた

白井「お〜 琴音はどぉ〜だぁ」

琴音「パパ!それどころじゃないの!私…幽霊を見たの。今ね、ホテルに道明寺様の一行が着いたの。ロビーが人だかりになっていて私達も見てたのよ…そしたら…その中に…あの女がいたの!ま…まきの…つくし」

白井「は?何を言ってるんだ、あの女が生きているはずがないだろう。きっと見間違いだよ。第一、あの女は昔道明寺に捨てられたと素行調査した時に書いてあったのを見ただろう?一緒にいるはずがない」

琴音「そ…そうよね。ごめんなさい…変な事を言って」

白井「いいんだよ、お前は金城君と幸せに暮らしておくれ、楽しい旅行にするんだよ。」

琴音はすっかり落ち着いて、意気揚々とショッピングに出て行った。一方白井は深くため息をつき…絶対に生きているはずはないと思い返していた。

〜回想〜

私が牧野つくしを監禁していたのは九州のある県の山奥だった。そこは昔、父親が愛人との別宅用に建てた家で森に囲まれた私有地の一本道からしか入れず、父とその愛人しか知らない場所で家を勘当同然に追い出された私に父が唯一譲ってくれた者だ。愛人と別れもう必要無いし母にバレたら困るから私にくれたんだろうと一度も行く事もなく放置していたが思わぬ役に立った。

眠ったままの彼女をその家に置き去りにし、監視役として近くの農家の夫婦に 週に一度食糧を届けてくれるように頼んだ。夫妻には病気の療養の為にここで 生活させる。本人の希望で下界との接触を断つのもここを選んだ理由だから接触も極力さけ会話はしないようにとキツく頼んだ。家からは山並みしか見えず少し歩けば森の中。テレビやラジオもなく若い女性が1人で暮らせるはずは無い。  きっとひと月も保たないだろう…それこそが本当の目的だった。

私のかわいいかわいい1人娘の琴音。小さい頃から望むものは全て与えた    その娘が花沢の1人息子の類君に恋をしたんだ、絶対に2人を結婚させてあげると娘に約束をし作戦を練った。花沢は優しい男だ、何よりも俺に恩義を感じているだから、『琴音が不治の病に罹り余命半年だ』と涙ながらに訴えて類君と結婚させて欲しいと頼んだんだ。あいつは直ぐに協力すると言ってくれた

類君の事を調査している時に付き合っている女性がいる事がわかったが、相手は一般庶民だしどうにでもなると思っていた。琴音は美人だし家柄だって花沢とつり合う、離れ離れにしてしまえば後は計画通りになる
しかし…類君はかなり強情だった。牧野つくしを本気で愛しているようで花沢が頼んでも琴音に同情することもなく疑っていたし、彼女の事を探し続けているようだった。

農家の夫婦に様子を聞いたら、食事の量も減っているし元気も無くなっている 医者に診せなくて大丈夫なのか?と答えが来た。 彼女は類君を説得する大事なカードだから、私の処方した薬も送ってやった。夫婦には栄養剤だと説明したが本当は飲み続けると幻覚を見たりするような副作用があるものだった。あの場所から逃げ出されては困るからな
彼も友人に手を借りて調べていたらしいが何も出て来ない。どんどん憔悴しているのがわかった…会社にもずっと出社していないと花沢から聞いた。     しかし日本の探偵社は無能だな。ここまでわからないのは助かったよ。    そしてとうとう彼が私に会いに来た

「牧野をどこに隠しているんですか?こんなに調べたのに何も出て来ないなんておかしい!あんたの娘の病気だって本当なんですか?俺には元気そうに見える」
類君はイライラしていた…私は1枚の写真を彼に見せた。

白井「これは海外の私の別荘の管理人が撮って送ってくれた写真だよ。元気に花嫁修行をしていると報告も受けている。君との未来を信じて頑張っているんじゃないのかな? 琴音はこの事は知らない…君のお父さんに結婚出来ると約束してもらい、それを励みに生きている。薬も段々と強いものになっているんだよ  もう時間がない。もし、君が承知してくれず琴音が亡くなってしまったら花沢はどうするかな?牧野さんとの結婚を許すとは思えないが… 」

類君は黙ったままだった…私の見せた写真を大事そうに胸ポケットに入れ帰ろうとしたが続けて話した
白井「娘はあと少しの命だ。君の前では精一杯頑張っているんだろう。頼む結婚式を挙げてくれないか?それが済んだら牧野さんの居場所は教える。私を恨んでも構わない、娘が死ぬ前に女としての幸せを味合わせてあげたいんだ」

類君は私の言葉を信用はしていないだろう、しかし私の意志も固い感じたな  そして彼女の安全も確保出来ないと悟っただろう。実際に私は牧野さんからパスポートも奪って、彼女に似せて整形させた女性を海外に行かせた。無能な探偵達も彼女が海外に行った事は調べているだろう。偽物とは気づかないだろうが。 もちろん次の手も打ってある。

そうしてやっと結婚式まで漕ぎ着けた。山の中の教会を選び参列者も本人達と両親、カメラマンだけ。神父も呼ばないと約束したから彼らも安心したんだろう。全てが計画通りに進み、琴音の最後の願いだからと教会の外での写真撮影も承諾させた。記者達のカメラのフラッシュに気づき類君は直ぐに中に入って行ったがもう遅い。娘と類君の結婚はネットで直ぐに拡散され公になった。きっと類君もこれで諦め琴音の魅力に気づくだろう、私は次の手を打つだけ。
そう牧野つくしは邪魔な存在だ。監視役の夫婦から衰弱しているのは聞いている。類君と琴音の結婚の記事を見せてやればきっと彼女は絶望して生きては  いられない。その苦痛に満ちた顔を見たいと思った。お前は琴音の魅力に負けたのだと言ってやろう。

類君と琴音が新婚旅行の船に乗ったのを確認したあと、私はひっそりと彼女に会いに行った。しかし…彼女の姿は無かった。監視役の夫婦に電話をしたが食欲が無いようで食材が減らないから行くのは2週間に1度にしていて、前回行った時は部屋の中にたしかに居た。と答えた。付近の捜索を依頼し私は顔を合わせず帰ったが、その後 森の中の崖に人が滑り落ちた後があり、その場所から落ちたら助かる見込みもなく遺体も上がらないだろうと報告が来た。

そうだ!牧野つくしが生きていられるわけがない。

その後の事は思い出すだけで腑が煮えくりかえる。まさか類君があんな事になるとは…それも全て牧野つくしのせいだ!2人とも生きているはずがないが、念のために彼女の実家には探偵を張り付けていた。もちろん現れる事もなく3年が過ぎ 琴音も結婚したので探偵を外したんだ。 琴音はこれからもっと幸せになるだろう、もうあの2人の事は忘れて良いんだ


花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします