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パズル79(2次小説:類つく)

NY

「翼…おはよう 起きてちょうだい」
おばあさまが朝、部屋まで起こしに来るなんてめずらしいなぁ
半分夢の中だったけどそんな事を思って…あ!
翼「おばあさま おはよう。 もしかして生まれたの?」
「ふふふ さすが翼!よくわかったわね。
あなたのお姫様が生まれたって連絡が来たわよ」
おばあさまの言葉にちょっと頬が赤くなっちゃったけど…
「つくしと赤ちゃんに会える?」
「もちろんよ!司は連絡をもらった途端に仕事に行ったのよ
きっと休暇を取る為に頑張っているんだわ。私達だけ先に向かいましょうか?」
おばあさまはそう言ったけど、僕は知っている…
お父様はこの2ヶ月くらい、ずっと休みを取っていないんだ。
それでも朝食の時間は僕と一緒にいてくれるけど夜は会っていない
「直ぐにロンドンに行けるの?」
「PJの飛行許可を貰わないと行けないから直ぐには無理だけど…
きっと夜までには出発出来るわよ。」
おばあさまと朝食を食べながらお話ししていたら…
「お前ら、何のんびり食べてるんだ!ロンドンに向かうぞ」
お父様が屋敷に戻って来た。
「司…仕事に行ったんじゃないの。」
「行って来たぜ。いつでも休暇に入れる準備は出来てたんだ
西田に2週間分の指示を出して来た。PJの許可は出てる、行くぜ
外に車を待たせてる、早くしろ」
お婆様は笑いながら『あら、あら大変。』と部屋に戻った
ロンドンメープルにも服や必要なものは大体揃っているから
荷物は必要ないけど…つくしに渡すものだけを部屋に取りに行った
飛行機に乗ると
「翼、悪いがちょっと寝かせてもらう。向こうに着いたら遊ぼうな」
そう言って眠ってしまった。
「相当、無理してたから今は休ませてあげましょうね」
僕はなんかソワソワした気分だった。


同日 日本
美作邸

ケビンからあきらに電話が入ったのは専務室で書類を読んでいる時だった
ケビン『天使が生まれたよ。女の子…ルーニーに似てるかな』
同じ頃、桜子にはつくし本人から電話が来た
つくし「桜子?無事生まれたよ…女の子」
桜子「先輩…いつ生まれたんですか?」
つくし「ふふ 今から1時間くらい前かな。桜子にはどうしても自分で
電話したかったの…私も大丈夫だからね」
桜子「先輩…おめでとうございます…ロンドンに行けなくてごめんなさい」
もう我慢できずにポロポロ涙が出て来る
つくし「何言ってるの!あんたは美作さんの奥様なんだからそっちが大事!
時間が出来たら陸君と3人で会いに来てね。類が桜子のスマホにベビーの
写真送るって。類に似てるのよ」
直ぐに送られてきた写真を開く…
桜子「かわいい…NYは大変だろうな」

つくしはその後、優紀には写真付きでLINEを送った
日本の時間を考え西門流で次期家元夫人の仕事の邪魔にならないようにと…
優紀は2時間ほど過ぎてLINEを開きつい大きな声を上げてしまったけれど
怒られる事もなく、家元夫人も拍手して喜んでくれたらしい


ロンドン**
つくし「類、名前考えてくれた?」
分娩室から部屋に戻り生まれたばかりのベビーを抱っこするつくしに聞かれ
「うん。いくつか考えてはいたけど顔を見て『愛』にしたいって思った」
つくし「愛ちゃん? あなたの名前は愛ちゃんだよぉ〜」
ベビーに話しかけるように名前を呼んでみる
つくし「ふふ この子も気に入ったみたい。笑ってるね」
ベビーの口角が上がったように見えた…

部屋に入って来た亜里沙、ケビン、ロンにも名前を報告
ケビン「アイか、こっちのみんなも呼びやすくていいね。日本語だとLOVEか…」
ロン「2人の子にピッタリの名前だね。
きっとつくしみたいにみんなに愛されるね」
その言葉に不機嫌になる類…
「つくしもアイも俺が1番愛してるから!」
亜里沙はそんな類を嬉しそうに見る

「母さん…うちの入り口に飾ってある俺たちの絵って父さんでしょ?」
急に聞かれてどう答えていいか迷ってしまう
こっそり結婚式を見ていた護がその時の絵を描いて私に贈ってくれ
それを見たつくしさんが玄関ロビーに飾りたいって言ってくれたんだけど…
つくし「あ…良い絵でしょう?」
「そだね…絵より実物の方がつくしは綺麗だったけど。
今度は孫の絵を描いてって伝えてよ。
こっそり見ないでちゃんと会いに来てって」
類の言葉に亜里沙は驚いてしまった
亜里沙「類…許してくれるの?」
「それは…わからない。でも俺も親になったし…
いつまでも過去に囚われない方がいいかなってね」
亜里沙が泣きながら部屋を出て護に電話しに行った
つくし「類…ステキよ。ありがとう
お父様にも島で暮らしてもらいたいね」
1番辛い思いをさせられたのに嬉しそうにそう言うつくしは女神のようだと
類もケビンもロンも思った

次の日の夜 
NYから司達3人が到着した。PJの中でシャワーも浴び翼はちょっとおめかし
早速病院に入るとケビンがロビーで待っていてくれた
楓「遅くに悪いわね。顔だけ見たら帰るから」
ケビン「つくしが待っていますよ。案内します。ベビーも部屋にいます」

〜翼〜
ドキドキしながら部屋の入ると
つくし「翼、よく来てくれたわね〜愛ちゃんよ」
僕をベッドの側まで呼んでくれた
「つくし、類さんおめでとうございます」
最初は反対側にいた類さんに挨拶した。
類さんはニコッとしてくれてちょっと安心
僕の天使はつくしに抱っこされてスヤスヤと寝ていたけど
僕に見えるようにベッドにおろしてくれ…目を開けたんだ
「かわいい////  触ってもいい?」
つくしが頷いてくれたから小さな手をそっと触って
「僕、翼だよ。愛ちゃん、よろしくね」
そう言ったら小さな指で僕の指を握ってくれた
つくし「ふふふ 愛ちゃんもよろしくだって」
嬉しくなって僕は勇気を出したんだ
「類さん…僕、勉強もスポーツも頑張って類さんやお父様みたいになれるように努力します。だから…大きくなったら愛ちゃんをお嫁さんに下さい」
心臓がドキドキしたけどおばあさまと練習した通りに言えた
後ろでお父様の『ヨシ』って小さな声とおばあさまの拍手が聞こえて
「ダメ。愛は誰にもあげないよ」
類さんには直ぐに断られた…僕はちょっと泣きそうになったけど
つくしの唇が【がんばれ】って動いたから
「僕は…ずっとお願いし続けます」
そう言ったよ。




花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします