絆19(2次小説:類つく)
**回想**
〜類 25歳(あれから5年後)〜
あきらの話を聞いて思い出した事があり俺は志乃に
連絡を取った。
類「志乃に思い出して欲しい事があるんだ…
俺がパリに行く少し前の事だけど…牧野が約束の日に
来なかった事があったよね?」
志乃「あ…はい。確かあの日は私は前日から伊豆の
別荘の掃除を頼まれて帰宅が夕方になってしまい
牧野様の出迎えを由貴さんに頼みました。
でも…旦那様の部屋で探し物をしていたそうなんです。」
類「父さんがそう言う事頼むのってよくあるの?」
志乃「いえ…別荘には管理人もいますので。
突然帰国された時に頼まれました
旦那様が急にお一人で帰国されるのも珍しい事でした。
類様をどうしても留学されたかったのでしょうね。」
あぁ…そうだ!あの少し前に父さんが急に帰国して
パリ大学の留学を勧められ断ったら‥牧野の事を
言われたんだ…父さんが牧野に何か言った?
でも2人は会った事もないはず…
類「あの日の事を他のメイドにも聞いてみてくれる?」
志乃「わかりました。あの日のメンバーは記録が
残っています。聞いてご連絡します」
類「あぁ頼む。」
翌日、志乃から連絡があった
志乃「由貴さんもあの日の事は覚えておりました。
旦那様から電話があって忘れ物があったから
探して欲しいと言われたそうです。
大事な物だからと必ず由貴さんとベテランが
探すようにと言われて彼女は牧野様の事は新人2人に
出迎えるように言ったそうです。
その2人は…その半年後に辞めてしまっています。
あの日…何かあったのでしょうか?」
類「わからない…牧野は本当に来なかったのかな?」
志乃「私も思い出した事があります。あの日庭師の
弦さんが牧野様が玄関を出て行くのを見たと言って
いたんです。彼はメガネを掛けていなかったらしく
見間違いかも…ともー言ってました。」
類「やっぱり、あの日屋敷で何かあった?
父さんの行動も気になる」
俺はあれからずっとパリの屋敷で暮らしているが
父さん達は何故かニースにある別荘を拠点にしていて
プライベートで会うことはあまりなかった。
志乃からの電話を切った後、俺は社長の秘書に電話を
入れ社長のスケジュールを確認し連絡を取った。
護「お前から電話が来るなんてめずらしいな」
類「ちょっと聞きたい事があるんだけど…
俺がパリ大学に留学する少し前に邸に来ていた
後輩の事を知っていた?」
少しの沈黙の後…
護「5年も前の事を急にどうしたんだ?
そんな女性の事は知らないよ」
俺は【後輩】としか言わなかったのに父さんは
女性だと言った…
類「よく女性だってわかったね。」
護「勘で言っただけだ。用事はそれだけか?」
類「彼女は司の婚約者で俺は英語をあきらはマナーを
総二郎は茶道を教えていた。5年前、司の元に行くって
NYに行ったはずなのにNYにも居ないみたいでさ
父さんがもしかしたら知ってるかな?って思って」
護「な…なんで私が?私は彼女に会った事もない。
今頃になっておかしな事を言うな。
お前はまだ彼女に未練があるのか?」
声からかなりの動揺がわかる
類「未練って何?」
護「お前は司君の婚約者のために留学を断ったん
だろう?それくらい知っていた」
類「だから彼女を排除したの?何をしたの?」
護「知らん!私は…何も知らない」
そのまま電話は切れた。
やっぱり父さんは何か隠してる…
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〜永遠 9歳 現在〜
トム「トワ〜 授業ノート見せてくれよ」
トムはクラスメイトだけどベースボールに夢中だから
僕とはあまり話さないのに突然どうした?
トワ「いいけど…僕は黒板とか写してないよ」
仲のいい子なら知ってる事だけど、学校の授業は
簡単だし、先生の話を聞く事に集中してるんだ
ノートを貸すとサンキューって持って行っちゃった
ケイン「なんだよ、あいつ?」
トワ「さぁ?ケインは今日のワークは終わった?」
ケイン「まだだよ…残りは家でやらないと。
あ?トムは最後の問題を写すつもりじゃないかな?」
今日のワークの最後の問題は好きな歴史上の
人物の事を調べて書くのだったな
トワ「ノートには下書きもしてないけどな…」
話しながらスクールバスを待っていたらプンプン
怒りながらトムがやって来た
トム「なんだよこのノート!何も書いてない
ワークをサボったのかよ!」
トワ「もう先生に渡したよ。調べた事は記憶してる」
トムはブツブツ言いながら帰って行った。
これもケイから教えてもらった事なんだ。
頭の中で整理する事はまだまだ難しいけど
学校のワークくらいなら楽チンだからね。
ケイン「帰ったらサッカーやるだろ?」
トワ「ケインのワークが終わったらね。家で待ってるよ」
ケイン「わかったよぉ…急いで終わらせる」
僕はママのおやつは何かなぁ〜と考えながら
スクールバスに乗った