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パズル11(2次小説:類つく)

このお話は花より男子の2次小説(類つく)です。作者様・出版社様とは関わりがありません。妄想の世界へようこそ…

〜現在〜
翼「つくし〜 お父様とおばあさまが沖縄に連れて行ってくれるんだって」
楓さんの部屋から走って出て来た翼が興奮して私に飛びついてきた。いつもお屋敷の中にいて外出しない翼のために旅行を計画したらしい
つくし「まぁ〜良かったわね〜  いっぱい遊んでもらって来てね。」
翼「え?何いってんだよぉ〜つくしも一緒に決まってる!つくしが行かないなら僕も行かない。」
つくし「そんな事言わないの〜 私はここでお留守番してるから、たまにはお父様にいっぱい遊んでもらっておいでよ。」
翼にとって初めての旅行…家族水入らずで楽しんできて欲しい。そう思って言ったけど、翼は目に涙をいっぱい溜めて
翼「つくしだって…家族でしょう?僕…一緒がいい」
いつのまにか楓さんと道明寺も側にいた…
司「牧野あきらめろ こいつは言い出したらきかない。俺の息子だからな」
翼を抱き上げて頭を撫でながら笑っている
楓「そうですよ。あなたは翼の教育係なのですから行っていただかないと   困りますよ。」
翼の懇願するような表情には弱いけど…外に出るのはまだ怖い…そんな私の気持ちを察したように
司「牧野、心配するな。沖縄まではうちのプライベートジェットだし、泊まるのはメープル沖縄の最上階を貸し切りにしてある。誰にも会ったりしないぜ。  それにな…お前は隠れたりする必要なんてないんだ。堂々と俺達のそばにいればいいんだ。翼にとびきりの休日を過ごさせてやろうぜ」
つくし「道明寺…」
楓「出発はあさってですよ。あなたに拒否権は与えませんからね       私に翼の可愛い笑顔をたくさん見せてちょうだい?あなたが居なかったら翼の ご機嫌が悪くなって休暇どころじゃなくなるわ」
つくし「クスッ 社長…わかりました。お供させていただきます」
道明寺に抱っこされて泣き出しそうだった翼がピョコンと降りて私に抱きついた
翼「ホント?つくし一緒に行ってくれるの?絶対だよ!」
つくし「うん。楽しもうね」
あれからもう5年…ほとんどこの屋敷から出た事はなかった。この広い庭を散歩するだけで運動不足にはならないし、食べる物も着る物も十分過ぎるほど用意されていて不便もなかったの。でも…これからは翼のためにも外出も増える、たぶんこれがそのための一歩。私は自分に言い聞かせた

**沖縄**
秋も深まった頃だというのに沖縄はまだ夏のようだった。
翼は望めば手に入らないものは何もない…そんな生活をしているようで 普通の子供達が経験出来るような家族旅行、それどころか親子での外出すらも経験がなかったから初めての旅に興奮してはしゃいでいた。そして…それは司も同じで ホテルに現れた彼が子供を肩車していたから従業員や周りにいた宿泊者達も目が点になっていて、私は笑ってしまった。SP連れの団体はかなり目立つし道明寺は有名人。いつも沢山の視線を感じているから気にもしていなかったが…
SPの山中はその中に怯える様な目で一行を見つめる目があった事に気づいていたその視線の主は…また後で
部屋に入り司の肩から降りると翼は一直線に窓に向かい興奮してつくしを呼ぶ
翼「わぁ〜すご〜い窓の外が海でいっぱいだよぉ〜キラキラしてる!     ねぇつくし!こっちに来て一緒に見ようよぉ〜」
カーテンが開いて窓一面の海がつくしの目の前に広がった…体がブルブルと震え出す『いや…ダメ…海は…』 そう呟くと真っ青になってその場に倒れた
司も一面に広がる海を見て『しまった!』と思ったが遅かった…

しばらくしてつくしが目覚めると…涙で目を真っ赤にした翼がベッドの横で見つめていた。
つくし「つばさ… 」
翼「つくし!目が覚めた?大丈夫? ごめんね…僕がわがままいったからだよね? つくしは海が嫌いなの?ごめんね…もう屋敷に帰ろうよ」
私はゆっくりと手を伸ばし翼の髪を撫でた…こんなに小さいのに私を心配し気づかってくれている。たくさん泣いちゃったよね…目も赤い
つくし「ごめんね。昨日楽しみすぎて眠れなかったからフラついちゃった   みたい。心配かけてごめんね。翼はわがままなんて言ってないよ。  せっかくみんなで来たんだから帰るなんて言わないで?」
翼「ホント?本当に大丈夫なの?」
司「牧野がお前にウソをついた事があったか?もう心配すんな。翼、おばあさまも向こうに部屋で心配してるから、目が覚めた事を知らせて来てくれないか?」
翼「うん!おばあさまもすごく心配してたんだよ、つくし。 ぼく知らせて来るから待っててね。」
私が微笑むと安心したように翼は駆け足で部屋を出て行った。
つくし「ごめん…私 車の中からも海は見えたし平気だと思ったんだけど…カーテンが開いてまるで海の中にいるような気分になってしまったみたい。そのあとの事は良く覚えてないの…倒れたの?」
司「いや…俺達が無神経だった…すまん。沖縄なんて見渡す限り海だもんな   辛いよな。今手配させてるから明日の朝、ここを発つぞ。大阪のテーマパークを貸し切って遊ばせる。」
つくし「ダメだよ…道明寺。翼はすごく楽しみにしていたんだよ。今からテーマパークを貸し切ったら他の人が悲しむ事になるんだよ?そんなの翼のためにならない!私ならもう大丈夫だから…お願い、予定通り過ごして欲しい」
司「お前は本当に大丈夫なのか?翼ならどこでも喜ぶはずだ、テーマパークが ダメなら他を考えてもいいんだ。あいつはお前がいればどこだって楽しめる」
つくし「大丈夫!本当に大丈夫だから…予定を変更しないで。 ねぇそれより今は何時?翼はお食事は済ませたの?」
司「今は夕方の6時前だ。腹減ったのか?」
つくし「旅行中でも翼には規則正しい生活をさせたいの。」
司「いつもは7時に夕食だったな…わかったその時間に部屋に用意させる。お前はシャワーでも浴びてスッキリするといいぜ。この隣のスィートが俺の部屋だ。お袋用のスィートの方が広いから翼とお前の部屋もその中だ。その扉を開ければリビングだ。この部屋にバスはついてる」
つくし「そうさせてもらう、ありがとう道明寺」
道明寺が部屋を出た後、ベッドから降りて部屋を見渡してみた…スイートルームの中の一部屋って言ってたけど…こんなに広いの?バスルームも広くていつでも入れるようにお湯も張ってあったし浮かんでいたのは花びら? あの広いお屋敷で暮らしていても、やっぱり慣れないのよね…
あ…荷物も用意してあるって言われて小さなバッグ一つ出来たけど…やっぱり  部屋のクローゼットを開けたらずっと住んでます!って感じの量だった。
『え…何この水着…誰が選んだんだろうビキニだよぉ〜ハハハ』
気づいたら笑っていた…そんな自分にホッとした。海は嫌い…見たくない    でも…しっかりしなくちゃね!みんなに心配はかけたくない         これから5日間…翼のためにも自分のためにも楽しもう!


花より男子の類ファン、原作の切ない類を幸せにしたくて類スキ向けにお話を書き始めました。老化防止の為に妄想を巡らせるおばちゃんです。拙い文章ですが応援していただけると励みになります。よろしくお願いします